日本の印象は?魏志倭人伝~ザビエル~J1ポドルスキ選手。

 

ポドルスキといえば元ドイツ代表の世界的なサッカー選手で、今はJ1のヴィッセル神戸で活躍している。

そんなポドルスキ選手は日本について「本当に素晴らしい国」と言い、こんな話をした。
football-zoneの記事(2017.12.23)から。

「清潔で、人々は親切であり、そして安全。日本のあるスポーツショップでは盗難防止をしていないと聞いた。誰もそこで盗まないからね」

「清潔で、人々は親切…本当に素晴らしい国」 神戸FWポドルスキ、独紙で日本を絶賛

ちなみに日本の自然については、「窓を見ると、海、山、緑が見える。本当に素晴らしい景色だ」と話しているとか。

 

ポドルスキ選手の言葉に対して、ネットではこんな反応があった。

・神戸なら確かに山と緑と海がまとめて見れるな
ただ、盗難防止はしてるぞw
・大阪旅行行った時みんな信号無視してたぞ
・あと2年位日本に居たら信じるわ
・褒めるところがそこしかあらへん
・結局、サッカーでは誉めるとこ見つからなかったか
・景色は褒めるけどJリーグは褒めないのな
・清潔で、人々は親切…でもサッカーは激弱いw
・ポドルスキは尼崎に行けばいい
・将来日本代表の監督になるつもりなの?

 

そういえば、今年ジュビロ磐田に加入したウズベキスタン人のムサエフ選手も、日本の治安の良さに「信じられない!」と驚いている。

ムサエフ選手は「サイフを落としても、中身を抜き取られずに戻って来た!」ということに感動していた。
静岡新聞の記事にそのことが書いてある。

中身は全て無事。同選手は「日本はなんて安全な国なんだろう。ぜひお礼がしたい」と異国で触れた善意に感動し、匿名で同署に届けた拾い主を探している。

「財布戻った、信じられない J1磐田・ムサエフ選手が善意に感動」

日本に来た外国人が、「日本は清潔で安全(物が盗まれない)な国だ」という印象を持つことは昔からよくある。
今回はそんな外国人の言葉を紹介しようと思う。

言ってみれば、これが昔から変わらない日本の姿だ。

 

ポドルスキ選手(ウィキペディア)

 

〇日本は清潔だ!

江戸時代に来日したアメリカ人のハリスは、下田についてこんな感想を述べている。

世界のあらゆる国で貧乏にいつも付き物になっている不潔さというものが、少しも見られない。彼らの家屋は必要なだけの清潔さを保っている

「逝き日の面影 (平凡社)」

ハリスは日米修好通商条約を結んだことで知られている。
この条約によって函館・神奈川・長崎・新潟・兵庫が開港して、”鎖国”は終わった。

 

明治時代、日本に来たアメリカ人のモース(1838年 – 1925年)はこう言っている。

衣服の簡素、家庭の整理、周囲の清潔、自然及びすべての自然物に対する愛、あっさりして魅力に富む芸術、挙動の礼儀正しさ、他人の感情に就いての思いやり・・・これ等は恵まれた階級の人々ばかりでなく、最も貧しい人々も持っている特質である

「逝きし日の面影 (平凡社)」

モース(ウィキペディアから)

モースは日本に初めてダーウィンの進化論を紹介した。
大森貝塚を発掘したことでも知られている。

 

同じくアメリカ人のシドモア(1856年 – 1928年)は、明治の日本を見てこう書いた。

人や環境が清潔この上ないといった状態は、何も金持ちだけに付いて回るものではなく、貧者のお供もする

「シドモア日本紀行 明治の人力車ツアー (講談社学術文庫)」

シドモア(ウィキペディアから)

シドモアは桜を愛した人で、毎年アメリカのワシントンで開かれる「全米桜まつり」はこの人のおかげでもある。
今は横浜の墓地で眠っている。

 

昭和初期に来日したドイツ人のタウト(1880年-1938年)はこう驚いた。

ヨーロッパ人が多くの場合東洋という概念と結びつけて考えるような不潔さを持たぬ東洋的な情景を現出している。特に都会の内で、人々が各自の店先で道路を清掃し、絶えず水を打ち、なおその上、簾(すだれ)などで自動車の埃(ほこり)を防いでいるのは、実に驚嘆に値する

「ニッポン (講談社学術文庫)」

タウト(ウィキペディアから)

タウトは世界的な建築家で、桂離宮の素晴らしさを世界に伝えた。

昭和初期、ドイツから日本に亡命した建築家・ブルーノ・タウトが、パルテノン、タージ・マハルとともに世界三大美建築と絶讃した桂離宮。

NHK特集 桂離宮 よみがえる日本の美

 

〇日本人は盗まない!

戦国時代に来日してキリスト教を伝えたフランシスコ・ザビエル(1506年ごろ – 1552年)はこんな印象をもった。

私 がこれまで会った国民の中で、キリスト教徒にしろ異教徒にしろ、日本人ほど盗みを嫌う者に会った覚えはありませ ん。

「ザビエルの見た日本 (講談社学術文庫)」

ザビエル(ウィキペディアから)
日本に初めてメガネを伝えたのはザビエルといわれる。

 

3世紀の日本の様子を記した「魏志倭人伝」には、弥生時代の日本人についてのこんな記述がある。

「盗みをする者もすくなく、訴えごとも少ない」

 

 

ドイツ人のJ1ポドルスキ選手が見た平成の日本
「盗難防止をしていないと聞いた。誰もそこで盗まないからね」

スペイン人(バスク人)の宣教師、フランシスコ・ザビエルが見た戦国時代の日本
「日本人ほど盗みを嫌う者に会った覚えはありませ ん」

中国の魏志倭人伝が伝える弥生時代の日本
「盗みをする者もすくなく」

時代はまったく違うけれど、日本の印象がほぼ同じというのがおもしろい。

 

おまけ

桂離宮の動画はないから、修学院離宮の動画です。

 

 

日本 「目次」

カリブ人から見た日本「自転車が盗まれないってウソだろ?」

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。