韓国の”反日と友好”のツートラック←日本に広がる拒否感。

 

韓国がよく言う「ツートラック」という考え方で、日本と韓国の違いがよくあらわれる。

「歴史問題(主に慰安婦問題)とそれ以外の経済協力や安全保障は、切り離して考える」というのがツートラック。
具体的にいえば、こんな感じだ。

韓国は2015年に、慰安婦問題の解決で日本と合意を結び、日本大使館前の慰安婦像(少女像)を撤去することになっていた。
でも、韓国は今だにそれをしていない。
2年たっても、1ミリも動かない。

 

韓国は日本との約束を守っていないのだけれど、「それは歴史問題だから、経済と結びつけてはいけない」として、日本に「韓国と通貨スワップ協定を結ぶべきだ」と要求する。
それが韓国のいうツートラックだ。

「歴史問題(慰安婦問題)と経済は切り離して、それぞれ別に対応するべきだ」と韓国は考えるのだけど、日本では評判が悪い。
「約束違反や反日行為をすると同時に、経済的利益も追求する」ととらえる人が多いから、韓国のツートラックは日本で嫌われる。
ツートラック(切り離す)のではなく、「日本との約束を守ってから、経済の話をしましょう」というのが日本では常識的な考え方だ。

 

結局、韓国は反日を捨てられない。
反日行為と経済的利益の両立をめざすのなら、「それぞれを分けて考え、別々に対応する」というツートラックはとても都合がいい。

 

 

最近も、産経新聞の記事(2017.12.29)に、ツートラックの記事があった。

韓国の康外相がアメリカのティラーソン国務長官と電話で会談したときに、「文大統領はツートラックで日本に対応する」と述べたという。
日韓合意で慰安婦問題を解決することはできないと指摘したうえで、「日本とは慰安婦問題を含む歴史問題があるが、安全保障や経済などでの協力は安定的に進める」と文大統領が言っている。

 

韓国は2018年も、この考え方で日本にアプローチしてくるはず。

でもどうだろう?
「日韓合意は守らないけれど、日本と安全保障や経済などの協力は安定的に進める」なんてことができるだろうか?
そう首をひねってしまうのだけど、韓国大統領府の関係者は楽観的だ。

産経新聞の記事から。

記者団に「日本も韓日関係がいかに重要か分かっているはずだ」と述べ、日本側の理解に期待を示した。

「慰安婦問題あるが、日本とは安保・経済協力の安定図る」 韓国の康京和外相が米国務長官と電話会談

「日本にはツートラックでいく!」と宣言して、「日本も韓日関係がいかに重要か分かっているはずだ」と、日本側の理解に期待する。
この一方的な態度は、日本で受けが受けが悪い。

ネットにはこんな書き込みがあった。

・韓日関係とやらが重大なら、なおさらそっちが合意を履行すべきだろ。
・重要だと思ってるなら合意を履行しろよww
・甘えんな!
・自分自身が人質になると勘違いしてる
・2トラックなんて国民感情が受け入れません。
速やかに合意実行を。って外務省も言い返せよ
・そうだね、だから合意を遵守してねと言ってるの。
・日本は徹底して1トラックで良い。

日本ではこれがフツー。
「まずは約束を守ってください。そうしたら、他の話をしましょう」というのが日本の当たり前。

 

慰安婦像(ウィキペディアから)

 

韓国では、慰安婦像(少女像)を建てる動きが止まらない。
ソウルや釜山といった大都市をはじめ、地方の自治体にも建てられまくり。

ネットを見たら、2017年8月15日の時点で韓国に80体の慰安婦像がある。

韓国の地方自治体で慰安婦像が設置されたことから、その都市と日本の都市との交流がうまくいかなくなっている。

朝日新聞にこんな記事(2017年12月28日)があった。

「慰安婦像、交流ぎくしゃく 韓国訪問、市長や高校生が中止」

 

秋田県は韓国の平沢(ピョンテク)市と互いに高校生を送ってきたけれど、2017年はそれを見送った。
理由は、平沢市の青少年文化センター前に慰安婦像が像が設置されことを受け、秋田県が「教育上適切でない」と判断したから
たしかに、日本の高校生に見せるのは適切ではない。

慰安婦像が原因となって、福井市の市長は水原(スウォン)市への訪問を取りやめた。

 

交流を停止しないまでも、相手都市へ懸念を伝える動きがある。

佐賀県の唐津市は、麗水(ヨス)市の市長に「日韓合意の誠実な履行を期待する」と記した親書を渡した。
福岡市も釜山市に「職員や市民の交流が危険にさらされる恐れがあるとして、釜山市に繰り返し懸念を伝えてきた」という。

 

唐津市と福岡市の市長はそれぞれこう説明している。

唐津市の峰市長「お互いの意見を率直に言い合えるのが本来のあり方」
福岡市の高島市長「長い交流の歴史があるが、領事館前に像があることが日韓関係を冷え切らせている。耳の痛いこともしっかり伝えることが大切な関係だと思う」

日本の地方都市が相手に意見を言うようになった背景には、韓国の都市と交流を続けることに対して、住民から不安や不満が寄せられたことがある。

 

 

「歴史問題とそれ以外のことは、切り離して考える」という韓国のツートラックは、やっぱり日本人の考え方には合わない。

「韓国の都市が少女像を建てたとしても、ツートラックの視点から、日本の都市は韓国との交流は続けていくべきだ」という考え方は、なかなか受け入れられないだろう。

日本では韓国の都市との交流に消極的なところが出ているけれど、韓国の自治体は日韓交流に積極的だという。
韓国の自治体がこんな楽観的になれるのは、先ほどの韓国大統領府の関係者と同じ期待があるからだろう。

「日本も韓日関係がいかに重要か分かっているはずだ」と述べ、日本側の理解に期待を示した」というもの。

韓国の自治体も、「こちらが慰安婦像を建てても、日本の自治体は韓日交流がいかに重要か分かっているはずだ」と日本側の理解を期待しているのだろう。

でも、「相手も~のはずだ」という一方的な期待は、ただの甘えでもある。
それが甘えかどうかは、自分の意見が相手に受け入れられなかったときに、怒り出すかどうかで分かる。

 

 

前々から、韓国政府のツートラック外交が日本政府から反発を受けることがあった。
最近もそんなことがあった。

韓国は、2015年の慰安婦合意を「これで解決にはならない」と白紙に戻しておきながら、「安倍首相には平昌オリンピックに出席してほしい」と求める。
そんなツートラックな韓国に、日本が「ふざけるな」と怒った。

これと同じようなこと、反日行為をするけど日本に友好を求めるようなことが、地方都市のレベルにまで広がっていると思う。

2018年は、韓国のツートラックとそれを受け入れない日本との対立がいろいろな場面で起こるはず。
日本がどこでどれほど反発するのかを見ると、日本人が怒るポイントが見えてくる。
反日と友好の両立をねらう韓国のツートラックは、日本人の「怒りポイント」の1つだ。

 

おまけ

ソウル・ミョンドンの様子。

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。