日韓合意:ゴールポストを動かす韓国 vs 1ミリも許さない日本

 

日本と韓国のやり取りでは、「韓国はすぐゴールポストを動かす」ということがよく言われる。

「ゴールポストを動かす」とは、どういうことか?
イメージとしてはこんな感じだ。

 

自分が車を運転していたとき、他人の車にぶつけてしまった。
当然、事故の解決で相手と話し合うことになる。
話し合いを重ねたすえに、「これで解決しました」と互いに合意した。

でも後になってから、相手がこう言い出す。
「やっぱりあの合意はおかしい。あなたが出す金額は少なすぎる。あれでは解決にはならない。もう一度話し合おう」
「こちらは被害者で、あなたは加害者じゃないか。だから、話し合いに応じるべきだ」という態度で言われたら、当然こちらは腹が立つ。

 

約束をしても、相手はそれを守らない。
後から文句を言って、約束の内容を変えようとする。
そうした態度を「ゴールポストを動かす」と言う。

 

ウィキペディアには、やや感情的な説明がある。

日本では韓国が約束・宣言・合意・条約などを勝手に変更や無視して向こうの決めた事を履行せずに日本に知らぬ存ぜぬで追加要求をする状況を意味する時によく使われる。

ムービング・ゴールポスト

「おっと、後から”条件を変えろ”なんて、言わせねえぜ」

 

最近も、このゴールポストが話題になった。

菅官房長官がテレビ番組で、韓国との慰安婦合意について「合意内容(ゴールポスト)は、絶対に変えない」と言った。

産経新聞の記事(2018.1.4)から。

「今までゴールポストが動いてきた。日韓合意は国と国の約束だ。1ミリも動かさない」と強調した。韓国側が新たな対応を求めてきた場合にも日本政府として応じる考えはないとの認識も示した。

日韓合意「1ミリも動かさない」菅官房長官が強調 BSフジ番組で

「慰安婦問題についての日韓合意は、1ミリも動かさない」
日本が韓国との再交渉に応じないことは、安倍首相もハッキリ言っていた。
「退かぬ!媚びぬ!省みぬ!」と言ったサウザーのように。

「1ミリも」という表現は、韓国がゴールポストを動かすことは絶対に認めない、という日本の強い意志の表れでもある。

逆にいえば、韓国はそれほどよくゴールポストを動かしてきた、ということでもある。
一度決めた約束を後になってから、「やっぱりあれはおかしい」と主張して、約束の内容を変更しようとする。

日本はもう、それに疲れたのだよ。

 

韓国の文大統領が慰安婦合意で追加要求をしてきても、日本は無視して突っぱねるだろう。
河野外務大臣は、もし韓国が合意を変更しようとするのであれば、「日韓関係がマネージ不能となり、断じて受け入れられない」と公式に話している。

「日韓関係がマネージ不能となり」とは、「日韓関係が破たんする・終わる」ということに等しい。

 

 

韓国がゴールポストを動かすことについては、野党で首相経験のある野田佳彦(のだ よしひこ)議員も批判している。

産経新聞の記事(2017.1.16)から。

フリーランスの記者が「まず相手(韓国)の気持ちを聞くべきだ」と質問すると、野田氏は「ある意味ずっと聞いているじゃないですか」と色をなして反論した。
また、「韓国はゴールポストがずるずる動く。この繰り返しをしてはならない」とも指摘。「一回決めたことは、お互い歯を食いしばって前進させる努力がないといけない」とも語った。

民進・野田佳彦幹事長「ゴールポストがずるずる動く」と韓国の対応を批判

「韓国はゴールポストを動かす!」と非難しても、これには日本の責任もあるだろう。
韓国が「やっぱりあの合意はおかしい」と文句を言ってゴールポストを動かそうとすると、日本もなんだかんだ言ってそれを認めてしまった。

 

悪い意味で、日本は韓国の言うことを聞きすぎたのだ。
中国が相手だったら、韓国はゴールポストを動かそうとはしないだろう。

「それでも日本なら…日本ならきっと何とかしてくれる…」
韓国にそう思わせるものを、残念ながら日本は持っている。

 

韓国が国家間の合意をあまりに軽く見ていることはたしか。
だけど、「日本が相手なら、合意や約束のキャンセルや変更ができる」と韓国に思わせてしまうことを、日本がしてきたこともたしかだろう。

韓国がゴールポストを動かそうとしても、日本がそれには一切応じなかったら、ゴールポストは1ミリも動かなかったケースもあったはず。

 

 

慰安婦問題の日韓合意を否定するようなことについては、日本が韓国の言葉に耳を傾ける必要はない。

今この場面では、「日本は韓国に怒っている」「次に韓国が約束を守らなかったら(ゴールポストを動かしたら)、日韓関係はもうどうなるか分からない」ということを韓国に伝えればいい。

「これで問題は最終的に解決しました」と合意して日本から10億円を受け取った後に、大統領が「この合意で慰安婦問題が解決できない」と、合意を白紙に戻すようなことを言う。

この態度に不快感を感じたり怒ったりしない人がいたとしたら、それは聖人ではなくて、何も分かっていない人だ。

 

慰安婦問題の解決で日韓が合意したとき、アメリカのウォールストリートジャーナル紙は社説でこう評価していた。

日本と韓国は28日、激しく対立していた問題の一つに決着をつけることで合意した。(中略)今回の合意により、2つの民主国家が今よりも協力的な関係に向かう道が開かれるはずだ。

慰安婦問題の合意、日韓の重要な1歩に

この日韓合意は、アメリカも国連も歓迎していた。
それを韓国が一方的に変更することは、1ミリだって認められない。
「協力的な関係に向かう道が開かれるはず」だったのに、今の日韓関係は制御不能の危機にある。

気になるのはこの期に及んでも、「韓国側に、謙虚に耳を傾ける必要がある」という意見があることだ。
そんなのは、今はいらない。

慰安婦合意を否定することに関してだけど、韓国の言うことに日本が耳を貸す必要はない。
「日韓合意は国と国の約束だ。1ミリも動かさない」「歯を食いしばって前進させる努力がないといけない」という姿勢を見せないと、またゴールポストが動いてしまう。
動かされるほうも悪い。

 

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今まで、東南アジア、中東、西アフリカに旅をしてきました。外国に行って初めて気がつく日本の良さや特長があります。以前、歴史を教えていたので、その経験もいかして、日本や世界の歴史や文化などをテーマに、「読んでタメになる」ようなブログを目指します。