慰安婦合意で”ハムレット状態”の韓国政府。日本か元慰安婦か?

 

「To be or not to be, that is the question(生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ」

シェイクスピアの作品「ハムレット」で、主人公のハムレットがそう言って深く苦悩する
この言葉から、
Aを取るかBを取るかで悩んでいることを「ハムレット状態」なんて呼ばれることがある。

 

韓国はよくこのハムレット状態になる。

最近も、朝鮮日報にこんな記事(2018/01/07)があった。

「米中双方に尊敬されない韓国外交」

韓国経済に、もっとも大きな影響をあたえている国は中国だ。
だから中国の機嫌を悪くすると、韓国はとんでもないことになる。

韓国が北朝鮮からのミサイル攻撃を防ぐために、サードというミサイル防衛システㇺを配備したところ、中国がこれに激怒した。
韓国がサードを配備したら、中国軍の基地が見てしまうから。
激おこの中国が報復として経済的な圧力をかけた結果、韓国経済は大打撃を受けた。

中央日報の記事(2017年12月23日)によるとこんな具合。

中国の報復で韓国の被害額は約13兆5000億ウォン(約1兆4200億円)にのぼる。これを世界貿易機関(WTO)に提訴することもせず、謝罪一言も聞くことができなかった。

「事なかれ主義」でよいのか=韓国

韓国の国内総生産(GDP)は、日本のおよそ3分の1。
だから、韓国にとっての13兆5000億ウォン(約1兆4200億円)という損失はあまりに大きい。

個人的にこれに関しては、韓国が気の毒に思う。
韓国がサードを配備するのは、5000万人の国民の生命と財産を守るためだから仕方がない。

 

 

一方で韓国は、安全保障の面ではアメリカに頼っている。
対北朝鮮を考えたらアメリカ軍との協力は不可欠。
韓国が配備したサードは、アメリカ軍のものだ。

そんなわけで、今の韓国にとって経済面でもっとも大事な国は中国で、安全保障の面ではアメリカになる。
韓国が「中国寄り」になれば、アメリカの機嫌が悪くなる。
逆になると、今度は中国の機嫌をそこねてしまう。

だから、韓国外交では「バランス感覚」がとても重要になる。
でも、朝鮮日報の「米中双方に尊敬されない韓国外交」の記事では、韓国が米中のどちらにも良い顔をしていると両方から嫌われてしまう、と警告している。

米中両国の間でバランスを取ろうとして、あいまいな姿勢を取れば、どちらからも尊敬されない状況を招きかねない。

韓国にとっては、中国もアメリカも大事。
でも、その間に立ってあいまいな態度でいると、米中から嫌われてしまう可能性がある。
それで「安全保障と経済で何が優先なのかをはっきりと認識することが重要だ」と記事で指摘する。

朝鮮日報としては、「韓国政府はアメリカを支持する態度を、もっとはっきり示したほうがいい」と言いたいらしい。

韓国は前から、「アメリカか?それとも中国か?」という”ハムレット状態”におちいって苦しむことがある。

 

 

日本についていえば、韓国は今、日本と元慰安婦の間で苦しい立場にいる。

韓国は慰安婦問題について、「被害者(元慰安婦)を中心にして問題を解決する」と話していた。
それで早速、康(カン)外交部長官(日本でいう外務大臣)が元慰安婦のところに行って話を聞いた。

でも、元慰安婦のおばあさんは、現実離れしたムチャなことを言う。
2015年の慰安婦合意にもとづいて、日本が韓国側にわたした10億円を「日本に送り返さなければいけない」と外交部長官に訴える。

もし、韓国がこれをしたらどうなるか?
朝鮮日報は記事(2018/01/08)でこう書いている。

もし本当に10億円が返還されれば、韓日慰安婦合意の事実上の破棄を意味することになる

「青瓦台が慰安婦合意の10億円を返還方針? 韓国TV局報道」

日韓の慰安婦合意を破棄したら、日韓関係は終わったも同然になる。
それで元慰安婦の言葉を聞いた長官は、「悩んでいる」と言う。
「お金の問題はおばあさんたちが納得できるようにうまく処理する」とも語っていたけど、たぶんムリ。

 

ほかの元慰安婦の人たちは、「日韓の慰安婦合意を破棄しろ」と韓国政府に迫っている。
「10億円を日本に送り返せ」と言うこの女性も同じ思いだろう。

でも朝鮮日報は、韓国政府が日韓合意を破棄したら「韓日関係は破たんする」と警告する。

日本政府は、2015年の日韓合意の内容を変える考えは一切ない。
安倍首相は「合意は国と国との約束だ。韓国側には誠意をもって実行してもらいたい」と言っているし、菅官房長官は「合意は1ミリたりとも動かさない」という言葉を3回もくり返し述べている。

 

この中央日報の紙面のように、元慰安婦と日本政府が同時に韓国政府へ要求している。

 

韓国政府が元慰安婦の言うことを聞いてそのとおり行動したら、韓日関係は終わる。
でも、”日本寄り”になったら、元慰安婦も韓国国民も政府を許さない。
そういうわけで今の韓国政府は、元慰安婦と日本の間にはさまれたハムレット状態になっている。

ちょうど今日(2018年1月9日)、韓国の外相が慰安婦合意について政府の立場を発表する。
中央日報の記事(2018年01月09日)にはこう書いてある。

康長官はTFの発表後、被害者らに会って意見を聞いた。これまで合意の破棄を要求してきた被害者支援施設の居住者などだ。しかし結果的に政府が破棄または再交渉を決定する場合、回復が難しいほど韓日関係が悪化する点などを考慮したという。

韓国政府、「慰安婦合意」再交渉・破棄しない

韓国政府がどんなことを発表しても、日本政府と元慰安婦の両方から信頼を得ることはムリ。
日韓関係にダメージをあたえず、同時に元慰安婦の人たちに納得してもらう方法なんてない。

結局は「米中双方に尊敬されない韓国外交」という記事と同じように、元慰安婦と日本の間でバランスを取ろうとし、あいまいな姿勢を取って、きっと「どちらからも信頼されない状況」を招くことになる。

 

 

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今まで、東南アジア、中東、西アフリカに旅をしてきました。外国に行って初めて気がつく日本の良さや特長があります。以前、歴史を教えていたので、その経験もいかして、日本や世界の歴史や文化などをテーマに、「読んでタメになる」ようなブログを目指します。