慰安婦合意に怒り!韓国の”逆賊”へ。愛国反日いき過ぎじゃね?

 

前回、李完用(り かんよう)という人について書いた。

1905年の第二次日韓協約で「国を日本に売り飛ばしたヤツ!」ということで、今の韓国社会で李完用は「逆賊」とされている。「李完用」と書いて「ばいこくど(売国奴)」と呼んでもおかしくない。

李完用の墓が暴かれたため、子孫は墓をつぶしてしまった。

今回紹介したいのは、2018年の今、韓国の新聞で「逆賊」と書かれてしまった気の毒な人。
その韓国人は、”現代の李完用”のような扱いを受けている。

でも、この人が逆賊と言われる理由には、日本が深くかかわっている。

今の韓国を見ていると、2015年の慰安婦合意を、1905年の第二次日韓協約のような屈辱的な合意ととらえているようだ。

 

19世紀末、大韓帝国の首相をしていた。

 

ボクには韓国人の知り合いが何人かいるけど、慰安婦問題だけは、だれとも一度も話をしたことがない。

竹島問題や安重根、豊臣秀吉については話したことがあるけれど、慰安婦問題には触れたことがない。
この話はムリ。
慰安婦問題の話をすると、お互いマズいことになることは分かっているから、「アンタッチャブル」になっている。

 

韓国人にとって、慰安婦問題はどれだけ重いものか?

1997年の「IMFショック」のとき、韓国では反日を叫ぶ声がほとんど消えたという。
IMFショックとはこんなこと。

IMFによる韓国救済

IMFによる韓国救済は、1997年12月3日、韓国が通貨危機(国家破綻の危機)を経験し、国際通貨基金 (IMF) からの資金支援の覚書を締結した事件である。

(ウィキペディア)

このIMFショックによって、韓国では政権が変わったり財閥が解体されたりして社会が激変した。
財閥解体といえば、日本では太平洋戦争に負けてアメリカに占領されていたときに、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)が行っている。

「このとき韓国は、IMFの占領下に入った」と言ってもいいぐらいだ。

韓国にとってのIMFショックは、「この百年間の歴史に起きた三度目の亡国体験(反日を捨てる韓国 呉善花)」と言われるほど大きい。

ちなみに、1度目の「亡国」は1910年の「日韓併合」、2度目は1950年の「朝鮮戦争」、そして3度目がIMFの管理下に置かれたこと。

 

 

さすがの韓国も、このときばかりは反日を叫ぶ元気がなくなっていた。

いまでは反日の声がほとんど姿を消している。
毎年、日本支配下の植民地からの独立運動が起きた日を記念する三月一日の独立記念日には、反日の声がとくに高らかに唱えられたものだ。が、九八年の三月一日は、それは静かなものだった。

「「反日」を捨てる韓国 呉善花)」

そんな「反日が消えた韓国」においても、慰安婦問題は例外。

ただ従軍慰安婦問題についてだけは、金大中大統領が「人間以下の扱いをしたことに対して日本にきちんとした賠償の要求をしていく」という声明を発表したこともあり、依然としてその姿勢に変化はみられない。

「「反日」を捨てる韓国 呉善花)」

日本と韓国がかかえている問題の中で、もっとも複雑で解決困難だったのが慰安婦問題だった。

 

 

それでも日本と韓国で話し合いを重ね、2015年、ついに慰安婦問題の解決で日韓両政府が合意した。

この画期的な合意の韓国側の功労者が、大統領府の李(イ)元秘書室長。
この人が今、韓国で「逆賊」にされている。

この日韓の慰安婦合意は、日本では高く評価さている。
でも韓国では正反対。
「元慰安婦のおばあさんの声を聞いていなかった最悪の合意」と言われている。

中央日報の記事(2018年01月15日)によると、韓国国民の多くが「誤った合意だった」と考えている。

再交渉への賛否を調査した結果、「被害者の立場が反映されなかった誤った合意であるだけに再交渉すべき」という意見が63%にのぼったと14日、明らかにした。

韓国人63%「韓日慰安婦合意は誤り、再交渉すべき」

慰安婦合意への怒りが高まるほど、このときの中心人物だった李氏への批判も高まる。
それで李氏は、韓国の新聞で”逆賊”と書かれてしまった。

中央日報の記事(2018年01月09日)に、李氏についてこう書いてある。

谷内局長と交渉を始め、青瓦台秘書室長に席を移して合意を完成した。李元室長は合意後、野党から「最悪の合意を作った元凶」という非難を受け、結局、政権交代後に国家情報院特殊活動費の青瓦台上納に関連して拘束された。

慰安婦交渉で8回接触…逆賊になった李元秘書室長、英雄なった谷内局長

「最悪の合意を作った元凶」というと、第二次日韓協約を結んだ李完用のようだ。
そういえば、2人とも李だ。

でも、李完用は国を売ったわけではなく、そのときにはそれが最善の選択だと判断したのだろう。
慰安婦合意の李氏については、本当に気の毒。

まるで粛清。

しゅく‐せい【粛清】

厳しく取り締まって、不純・不正なものを除き、整え清めること。特に、独裁政党などで、一体性を保つために反対派を追放すること。

「デジタル大辞泉の解説」

 

後になってから文句を言うことなら、誰だってできる。

2015年の日韓合意がなかったら、慰安婦問題はいつまでたっても解決せず、日韓関係も前に進まなかっただろう。
日韓のそれぞれが100%納得できる合意なんてできるわけがない。

でも心配だ。
日本と合意した2年後に「逆賊になった」と全国紙に書かれるのを見たら、韓国で、日本と外交交渉をしたいと思う人が出てくるだろうか?
能力があって将来有望な人ほど、「それだけはイヤだ!」と避けるような気がする。

今になって李氏を「韓国の逆賊」と糾弾することは、韓国と日本にとって、きっといい結果にはつながらない。

「国家の裏切り者は許されない」というのも分かるけど、韓国の愛国反日はやっぱりいき過ぎている。
そのうち中学生向けの歴史教科書に、李氏が「元慰安婦のおばあさんを売った賊」と書かれてしまったりして。

 

 

おまけ

IMFショックのとき、金大統領は「人間以下の扱いをした」と言っていた。

でも、その当時の史料には、別のことが書いてある。
慰安婦がたくさんのお金(plenty of money)を持っていたことや日本兵とスポーツ・イベントに参加したりピクニックに行ったりもしていたことが記録されている。

「すべての慰安婦がこうだったと」いうことはないけれど、金大統領の言っていることとはかなり違う。

くわしいことはこの記事をご覧ください。

韓国が伝えない慰安婦の”真実”、実際はどんな生活だったのか?

 

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今まで、東南アジア、中東、西アフリカなど27の国・地域に旅をしてきました。以前、中学生に歴史を教えていた経験もあります。 また、日本にいる外国人の友人も多いので、彼らの目から見た日本も知っています。 そうした経験をいかして、日本や世界の歴史・文化・宗教などをテーマに、「読んでタメになる」ブログを目指しています。