日韓ギャップ:韓国が嫌いな安倍首相を日本の若者は支持する。

 

韓国の東亜日報にこんなコラム(2018/01/16)があった。

安倍首相の「ネロナムブル」

 

ああ、安倍首相の「ネロナムブル」に目をつけたのか!
さすが東亜日報、目の付け所が違う。

ところで、「ネロナムブル」って何?

英語じゃないし韓国の新聞が使っている言葉だから、韓国語なのは分かる。
でも、意味はさっぱり。
「ネロ」はギリシア語のネロ(新しい)で、「ナムブル」はナムルの一種とか?

なんて思ったら、ぜんぜん違った。
東亜日報にはこう書いてある。

国が犯した過去を反省しない安倍晋三首相が、東欧歴訪中「日本版シンドローム」と呼ばれる自国外交官の記念館を訪れ「誇りに思う」と言い、「ネロナムブル(自分がすればロマンス、他人がすれば不倫)」を演出した。

安倍首相の「ネロナムブル」

後で説明するけど、これは安倍首相が杉原千畝を「日本人として誇りに思う」と言ったことをさしている。
でも、なんでそれが、ネロナムブル(自分がすればロマンス、他人がすれば不倫)というダブルスタンダード(二重基準)になるのか?

日本人の感覚では分かりにくいけど、韓国人の価値観からすると、これは自然な発想だ。

 

 

今月リトアニアを訪問した安倍首相が、杉原千畝(すぎはら ちうね)の記念館に足を運んでいる。

杉原千畝については最近の記事で書いたけど、初めてこの日本人を知る人もいると思う。
だから、簡単に紹介させてほしいとぞんじます。

杉原千畝は、第二次世界大戦中のリトアニアにいた外交官で、ナチス=ドイツの迫害に苦しんでいたユダヤ人を救ったことで世界的に知られている。

杉原千畝

リトアニアの首都カウナスの日本領事館代理の時、ナチスの迫害を逃れたユダヤ人らに、日本通過のビザを発給。1969年、イスラエル政府から『イスラエル建国の恩人』として表彰された

「日本史用語集 (山川出版)」

杉原が助けたユダヤ人の数は6000人にもなるという。
イスラエルには「杉原千畝通り」という道がある。

 

杉原がユダヤ難民に出したビザは「命のビザ」と呼ばれている。

一時に多量のビザを手書きして万年筆が折れ、ペンにインクをつけては査証を認める日々が続くと、一日が終わり「ぐったり疲れて、そのままベッドに倒れ込む」状態になり、さらに「痛くなって動かなくなった腕」を夫人がマッサージしなくてはならない事態にまで陥った

「ウィキペディア」

彼の記念館を訪れた安倍首相は杉原千畝について、記者団にこう語った。

「杉原氏の勇気ある人道的な行動は世界中で高く評価されている。同じ日本人として誇りに思う」

激しく同意。

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杉原千畝(ウィキペディアから)

 

杉原千畝の人道的な行動を「同じ日本人として誇りに思う」と言ったことが、韓国人の目には、「ネロナムブル」と二重基準に映る。

杉原について言った安倍首相は、元慰安婦に対しては冷たい(と韓国人の目には映る)。
東亜日報はこう書いている。

慰安婦被害者に対しては、「(日韓合意は)1ミリも動かない」とか「謝罪の手紙を書くつもりは全くない」と明らかにした安倍氏が、第2次世界大戦の戦犯国であるナチスドイツの蛮行を記憶する記念館で、ダブルスタンダードを見せたのだ。

安倍首相の「ネロナムブル」

リトアニアを訪問した安倍首相は、杉原千畝には「誇りに思う」と言った。
でも、元慰安婦には誠意を見せない。
これはダブルスタンダード(二重基準)だ。

これと同じことを全国紙の中央日報も書いている(2018年01月16日)

安倍首相が、唯一、慰安婦問題だけに対しては「1ミリも動かない」と言うのは人道主義と正義に符合しない。

日本版シンドラーが安倍首相に望むこと=韓国

中央日報の記事によると、韓国紙の「アジア経済」はこう報じた。

「戦犯国家の過去史にも直視できない安倍首相がドイツ政権のユダヤ人虐殺に対抗した日本人を賛えるのは二重的という指摘も出ている」

 

上の記事は、韓国人にとっては常識的で自然な発想だけど、日本人にはけっこう謎。

安倍首相がリトアニアで「杉原千畝を誇りに思う」と発言しても、韓国には関係がない。
杉原千畝のユダヤ人救済と慰安婦問題はまったく結びつかない。
ユダヤ人虐殺という「ナチスドイツの蛮行」と慰安婦問題もまったく違う。

この韓国紙の報道が日本人には謎。
ネットでは、「韓国関係ないよね?」「なんでそこで慰安婦が?」と理解に苦しむ声が多い。

「杉原千畝を誇りに思うのなら、元慰安婦に謝罪しろ」という韓国人の発想は理解できないけれど、「とにかく韓国は、安倍首相をかなり嫌っていることは分かった」という人は多かった。

 

 

東亜日報的には、安倍首相の言葉は「ネロナムブル(自分がすればロマンス、他人がすれば不倫)」らしい。

それは置いといて、新聞報道のわりには「それってどうよ?」と、首をかしげてしまうところがある。

「(日韓合意は)1ミリも動かない」と安倍首相が言ったのは韓国政府であって、元慰安婦の人たちに対してそう言ってはいない。

 

だから「慰安婦被害者に対して」という言葉は、正確性に欠ける。
でも、「そんな細かいことは気にしない」というのが、韓国人のケンチャナヨ(大丈夫)精神か。

 

でも、ネロナムブル(ダブルスタンダード)ぐらいなら、まだいいじゃないか。
「最終的な解決」で合意したけど、2年後に「あれで解決にはならない」と言い出した政府が地球のどこかにあるらしい。

日本でそういうことを言う人は「ウソつき」と呼ばれて、信用をなくしてしまう。

 

 

最近、FNNが世論調査をおこなった。

FNNニュース(2018/01/22)によると、その結果「若い人ほど、安倍首相を支持している」ということが分かった。

安倍内閣を「支持する」と答えた人の割合は、全体で52.6%だったが、「男性の10代と20代」に限ると71.8%、「男性30代」では69.9%、「女性の10代と20代」では59.7%と、男女ともに若い世代ほど安倍内閣を支持している。

「世論調査 若い世代ほど安倍内閣支持」

韓国もそろそろ、安倍首相に対する態度を考え直すべきだろう。

全国紙が正確性を欠いた情報をのせてはいけない。

「国が犯した過去を反省しない安倍晋三首相」というのも正しくはない。
安倍首相は2015年の慰安婦合意にもとづいて、心からのお詫びを表明している。
それを無視してはいけない。

杉原千畝を「誇りに思う」と言ったことと慰安婦問題を結びつけ、「ネロナムブル(自分がすればロマンス、他人がすれば不倫)」と書くことが韓日友好に役立つのか?

韓国人の反日感情をあおるような文を書いていると、日韓のギャップはどんどん深くなっていく。
そのうち、「韓国が嫌うから」という理由で、安倍首相を支持する日本人が出てくるかもしれない。
いや、もう出てるか。

 

 

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今まで、東南アジア、中東、西アフリカなど27の国・地域に旅をしてきました。以前、中学生に歴史を教えていた経験もあります。 また、日本にいる外国人の友人も多いので、彼らの目から見た日本も知っています。 そうした経験をいかして、日本や世界の歴史・文化・宗教などをテーマに、「読んでタメになる」ブログを目指しています。