韓国を“最も重要な隣国”と言わなかった安倍首相。それが何か?

 

安倍首相が昨日(1月22日)、国会で施政方針演説をおこなった。

日本の新聞は「憲法改正」や“70年ぶりの大改革”という「働き方改革」なんかに焦点を当てていたけど、お隣さんは違う。
韓国では今、「安倍首相が韓国を軽視している!」と新聞がさわいでいる。

以下、韓国紙を見ていこう。

ハンギョレ新聞の記事(2018/01/23)

国会施政方針演説で韓日関係をさらに一段階格下げするような立場を示した。

安倍首相にとって韓国はもう「重要な隣国」ではない

中央日報の記事(2018年01月22日

安倍首相はこれまでの施政演説で韓国に関連して「戦略的利益を共有する最も重要な隣国」と表現してきたが、今年はこの表現を使わなかった。

施政方針演説で改憲を強調した安倍首相、「韓国は重要な隣国」言及せず

朝鮮日報の記事(2018/01/23)

韓国に触れる際、何の修飾語も付けることなく「韓国」とだけ言及した。

「安倍首相の施政方針演説に韓国と「共有」なし」

安倍首相の「韓国パッシング(軽視・無視)」に、韓国が不満らしい。
不安を感じているのかもしれない。

韓国は「韓日関係をさらに一段階格下げた」と言うけれど、あえて言おう。
それって自業自得じゃん。

 

 

2013年と2014年の施政方針演説で、安倍首相は韓国について「基本的な価値や利益を共有する最も重要な隣国」と表現した。
2015年には、「最も重要な隣国」と呼んだ。
2016年と2017年の演説では、韓国を「戦略的利益を共有する重要な隣国」と表現した。

気づいただろうか?
この時点で、「最も」が抜けている。すでに韓日関係の格を下げたことになる。

そして今年の演説では、「重要な隣国」という言葉が消えた。
2015年の施政方針演説から、安倍首相は韓国を「重要な隣国」と呼んでいたから、この言葉がなくなったことに韓国は衝撃を受けている。
それで韓国の新聞が「韓国はもう『重要な隣国』ではない」と記事を書く。

 

でも、個人の友情や国家の友好なんてものは、冷蔵庫の中のスイーツと同じ。
「いつまでも変わらずそこにある」と期待してはいけない。
油断したら、すぐなくなってしまう。

 

でも、渋谷の忠犬ハチ公は変わらない。
韓国は日本にこれを期待してたりして。

 

「重要な隣国」という言葉が消えた最大の原因は、韓国の文政権にある。
文大統領が慰安婦問題について、日本に不誠実な態度を見せて怒らせた。
これがもっとも大きな理由だろう。

慰安婦問題は、2015年に日韓両政府が「最終的な解決」で合意した。

でも文大統領にとってそれは、はるか昔のことらしい。
今になって「あれで解決にはならない」言い出し、「日本の真の謝罪」が必要だとキメ顔で言った。

「それはまったく受け入れられない」と、日本政府は大反発。

 

安倍首相が「重要な隣国」という言葉を使わなかったことについて、朝鮮日報は「慰安婦合意を巡り、日本の不満を示すもの」という分析を紹介している。
また、ハンギョレ新聞は「韓国政府が最近打ち出した2015年韓日慰安婦合意の後続措置に対する反発とみられる」と書く。

やっぱ、慰安婦問題での韓国政府の態度しかないでしょ。

 

 

安倍首相は昨日の演説でこう言っている。

「韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領とはこれまでの両国間の国際約束、相互の信頼の積み重ねの上に、未来志向で、新しい時代の協力関係を深化させていく」

この言葉は、「なあ、韓国政府は合意守ってくれよ。破棄するなよ、絶対に合意の再交渉も求めるなよ」ということと解釈していい。

「押すなよ!絶対に押すなよ!」と言って、実は「押してください」を意味するダチョウ倶楽部とは違う。
日本政府は今、韓国の文政権に本気で怒っているのだろう。

 

まあ、そりゃそうだ。

今まで韓国政府は慰安婦問題で、ずい分日本の忍耐力をためしてくれた。
お腹いっぱいになるほど怒らせといて、「今年の演説では、韓国を『重要な隣国』と呼ばなかった」と、とまどう方がどうかしている。

日本のネットでも韓国には厳しい。

・まるで前は重要だったみたいな言い方だな。
・やっと気付いたのか?
・「国際社会のルール」ってものを平気で無視するな
・建前すら使わなくなった事だね。
・そりゃあ、大統領が代替わりしたら約束も無効になる国相手では
国として重要かどうか判断しても意味ないしな。

 

 

今年の演説では、韓国に対して「重要な隣国」という言葉は消えたけど、これが復活するかどうかは韓国政府にかかっている。

安倍首相の次に、河野外相が外交演説でこんな発言をした。

「日本側は日韓合意で約束したことはすべて誠実に実行しており、韓国側も責任を持って合意を着実に実施するよう、引き続き強く求める」

御意。
この言葉のように、日本は慰安婦合意でやるべきことはすべてやっている。

 

さあ、次は韓国の番だ。

韓国も日韓の慰安婦合意にもとづいて、誠実に実行すればいい。
そうしたら来年は、「重要な隣国」という表現が復活するはず。

安倍首相の演説は、韓国というより文政権に向けたものだから、すべては文大統領しだいだ。
今年こそは少女像を動かしてくださいよ。

 

「基本的な価値や利益を共有する最も重要な隣国」
「最も重要な隣国」
「戦略的利益を共有する重要な隣国」
となって、今年はとうとう「重要な隣国」という言葉が消えた。

これ以上、削るところがない。
もう「韓国」しか残っていない。
来年の施政方針演説で、それも消えたりして。

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。