「中国人が”自己中心的”になったのは、文化大革命から」説。

 

成田空港で中国人が暴れて、逮捕者を出す騒ぎになった。
これが今、大きなニュースになっている。

 

成田から上海に飛ぶはずだった飛行機が、上海での降雪のために欠航となった。

中国人の乗客は空港で一晩を明かして、次の日の便を待つことになる。
格安航空を利用していたから、「ホテルに泊めてもらう」というサービスはない。

翌日、航空会社の対応に不満をもった中国人が怒り始める。
しまいには空港職員を突き飛ばして、職員にケガをさせてしまう。

これで一発退場。
中国人男性はその場で逮捕された。

 

でも、男性が連行されていくのを見た中国人が怒り出す。
そしてなぜか、中国の国歌を歌い始めた。
産経新聞の記事(2018.1.30)から。

他の中国人が、阻止しようとしたり、「われらが血肉で築こう新たな長城を!」「中華民族に迫り来る最大の危機」「一人一人が最後の雄叫びを上げるときだ」「立て! 立て! 立て! 敵の砲火をついて進め! 進め! 進め! 進め!」などと中国国歌を歌って抗議した。

成田空港で中国国歌歌い抗議 職員に暴行し中国人男逮捕…同行者が騒ぐ

「連れて行かれるのを見て歌うなら、ドナドナだろ」ということはおいといて、このニュースにネットは大荒れ。

中国側も、これには困っているらしい。
「国歌を歌って抗議する」ということについて、中国大使館の職員は「不適切だ」と言っているし、中国のテレビでも「大騒ぎをすれば解決できると思っている人がいる」と非難している。

 

 

”中国人が考える中国人の欠点”とは何か?

去年、サーチナにそんな記事(2017-07-28)があった。

団結できない、口ばっかりで動かない・・・中国人が考える、中国人の「10大欠点」=中国メディア

 

中国メディアが中国人の10大欠点をあげている。

・団結しない
・私利私欲に走る
・衛生習慣が悪い
・列に並ぼうとしない
・地域間の差別が激しい
・地元民が非地元民をバカにする
・都会人が農民をバカにする
・他人からの恩や義理を忘れる
・廉恥の心がない
・お金を持っている者になびき、お金のない者を見下す
・口ばかり達者で、行動が少ない

全体的な傾向として「自己中心性」がある。
成田空港で大暴れした事件も、最大の原因はこれだろう。

 

前に中国人から、中国人の自己中心性について、こんな言葉を聞いた。

「中国人は、1人なら龍。でも、3人集まると豚になる。日本人は1人なら豚。でも、3人集まると龍になる」

中国人は、良い意味でも悪い意味でも自分中心。
だから個としては強いけど、協調性がないから集団になるとダメダメになる。
日本人はこの反対だという。

この指摘は当たっていると思う。

 

 

ちなみに、上の記事にはこうも書いてある。

個を強調する傾向にある中国では日本ほど団体意識が強くなく、いざという時に団結ができないとのことである。

「中国人は1人なら龍。3人集まると豚になる」という言葉と重なる。

そのわりには、成田空港では日本人以上に団結していたような?

この逆は起こらない。
中国の空港で職員を殴って逮捕・連行される日本人を見ても、だれも何もしない。

「そんなヤツは捕まって当然」と思うだけで、集団で君が代を歌って抗議することは絶対にない。
中国人はヘンなところで団結意識がある。

 

中国人には「自分の利益を最優先に考えて、それ以外のことは後回し」という自己中心的なところがある。
今までに会った中国人の日本語ガイドや友人の中国人も、これを「中国人の欠点」として認めていた。

でも60代の日本語ガイドは「昔の中国人は違いました」と言う。
中国人が今のように自己中心的になった理由として、そのガイドは「文化大革命の影響」を指摘した。

「今の中国人は金もうけのためなら、平気で人をだまします。下水でつくった油を使ったり、病気で死んだ肉を”羊肉”として売ったりしているんです。でも文革前は、そんなことはありませんでした。あれで中国人は変わってしまったのです」

文化大革命とは,1970年前後に起きていた政治・権力闘争のこと。
文革は毛沢東が主導していた。

壮大な規模での「下剋上」で、中学生が校長や先生をリンチして殺してしまうこともあったという。
文革によって中国社会はメチャクチャになる。

文化大革命

全国的に社会機能は混乱し、流血の武闘によって数百万人の死傷者が出たとされる。(中略)80年、中国共産党による歴史決議で文化大革命の路線は完全に否定された。

「世界史用語集 (山川出版)」

文化大革命での死者は、40万人から1000万人以上と幅広い説がある。
ウィキペディアでは、「これにより1億人近くが何らかの損害を被り、国内の大混乱と経済の深刻な停滞をもたらした」と説明している。

 

この時代に大学生活を過ごしていたガイドはこう話す。

「あの時代は、教師も親も信じていませんでした。子どもが親を密告することもありました。信じられるのは毛沢東主席だけです。でも、その毛沢東も間違っていたんです。そうなると、もう信じられるのは自分しかないじゃないですか」

文化大革命では、神を信じること(宗教)を禁止された。
その文革によって、政府を信じることができなくなった。

神も政府も信じない。
信じられるのはお金だけ。

ガイドの実感では、文化大革命の後から自分の利益だけを考える人が増えていったという。

 

中国では「日本製=高品質」というイメージがあるから、日本語をちりばめて日本製品に見せかけている。

 

「文化大革命は間違っていました」と総評するガイドが、「でも、良いこともありました」と言う。

「あのころの中国人はとても純粋で、私欲がありませんでした。国や人民のことを真剣に考えて行動していましたよ。中国人が自分を捨てて、国のために活動することはもうありません」

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。