韓国人が知らない日本人、柳宗悦。光化門を守った男の話。

 

韓国の旅行サイトをのぞくと、「おすすめ観光スポット・ランキング」というのがよくある。

韓国旅行の定番で、こうしたランキングでも大抵ベストスリーに入っているのが「景福宮(キョンボックン)」。

景福宮は朝鮮時代(1392~1910)の王宮で、国王が住んでいたところ。
日本でいえば、江戸城や御所のようなものだ。

ソウルに行ったら外せない絶対的観光スポット。

 

ちなみに、朝鮮王朝が始まった1392年、日本では足利義満によって南北朝が合一されている。
日本もこの年から新しい時代が始まった。

 

後ろが景福宮

前の生き物はヘチと呼ばれる空想上の生き物。
龍の子どもの1人(匹?)で、中国から朝鮮半島に伝わった。
ソウルのシンボルで、市のキャラクターにもなっている。

 

そんな「must-visit(必ず行くべき)」の景福宮の正門は、「光化門(こうかもん、クァンファムン)」という。

 

光化門(ウィキペディアから)

 

この光化門の扁額(へんがく)が、またまたまた変更されるという。
朝鮮日報にそんな記事(2018/01/31)があった。

「この色じゃなかった」 光化門の扁額、4回目の変更へ

「この色じゃなかった」って、まるで高校の文化祭のノリ。

 

P1200533

「光化門」と書かれているのが扁額(へんがく)。

 

「またまたまた」というのは、この扁額が変わるのはこれで4回目だから。

1度目は仕方がない。
1950年にはじまった朝鮮戦争で、光化門は爆撃によって焼失してしまったから。

でも、2度目以降は韓国人のミスのようなもの。

朝鮮戦争でなくなった光化門を建て直したとき、朴元大統領が扁額の「光化門」を、漢字ではなくてハングル文字で書いてしまう。
その後、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権のときに「朴正煕が書いた字を外そう」「違和感がある」といった声が上がって、この扁額は壊された。

3度目の変更は2010年で、そのときは漢字で「光化門」と書いたのだけど、2カ月で大きなひびが入ってしまった。
このときは「手抜き工事だったのでは?」と問題になった。

まあ、いつもの韓国劇場ですよ。

 

さらに「扁額の色がおかしい」という疑問がわき上がる。
上の写真の扁額は「白地に黒文字」だけど、本当は「黒地に金色の文字では?」という声が上がってきた。
このとき韓国の文化財庁は、「白地に黒の文字で合っている」と説明していた。

でも最近になって、文化財庁が「やっぱりこの色じゃなかった。黒地に金色の文字でした。てへぺろ(・ω<)」と認めたことで4回目の変更となる。

いい加減な文化財庁に、朝鮮日報はお怒りの様子。

2010年に復元された現在の扁額はひび割れ問題を引き起こしただけでなく、考証そのものが間違っていたことになり、「復元がいい加減だった」との批判は避けられないものと見られる。

「この色じゃなかった」 光化門の扁額、4回目の変更へ

まあ、いつもの韓国劇場ですよ。

*この記事のトップの写真が「黒地に金色の文字」になっている。
光化門もこう変更される。

 

 

今後5回目の変更があるかもしれないけれど、それは韓国の国内問題だから日本には関係ない。

でも、光化門について、日本人として知ってほしい人物がいる。

日本の植民地時代、朝鮮総督府庁舎を建てるために、この光化門が取り壊されそうになったことがある。

そのとき、1人の日本人が「ちょ、ちょ待てよ!」と声を上げた。

それが思想家であり美学者でもあった柳宗悦(やなぎ むねよし)さん。

柳宗悦

朝鮮の陶磁器や芸術にも理解を深め、1924年、ソウルに朝鮮民族美術館を設立。李朝・景福宮の正門、光化門の取壊しに反対。朝鮮文化に関する論文は大きな影響を与えた。

「日本史用語集 (山川出版)」

「光化門が破壊される」と知った彼は、「失われんとする一朝鮮建築のために」でこう書いた。

光化門よ、光化門よ、お前の命がもう旦夕たんせきに迫ろうとしている。お前がかつてこの世にいたという記憶が、冷たい忘却の中に葬り去られようとしている。どうしたらいいのであるか。私は想い惑っている。(中略)だけれども誰もお前を救ける事は出来ないのだ。不幸にも救け得る人はお前の事を悲しんでいる人ではないのだ。

こうした柳宗悦の活動もあって、光化門は移築して保存されることになった。
柳宗悦が声を上げなかったら、光化門は今ごろ存在していなかっただろう。

 

 

韓国で日本の植民地時代というと、一般的に「暗黒の時代」と思われている。

でも、朝鮮の美術を愛して光化門を守った柳宗悦(やなぎ むねよし)まで塗りつぶされては困る。

困るんだけど、ボクが聞いた限りでは、柳宗悦を知っている韓国人は1人もいなかった。

例えば、前に「韓国で人気のある日本の歴史的な人物はいる?」と「韓国で柳宗悦は知られてる?」と、友人の韓国人に2つ質問したところ、こんな返事が戻って来た。

歴史的な人物、、、韓国人から日本人を好きなのはほぼ現代以降の人じゃないですかね?昔は戦争や侵略の問題があったから、昔の人にはあまり興味がないと思いますよ!もちろん立派な昔の日本人も多いだろうと思いますけど。。柳宗悦も始めて聞きます !

少し不自然なところがあるけど、この韓国人の日本語はかなり上手い。
日常レベルの会話なら問題ないし、歴史や政治の話もできる。

当然、日本については一般の韓国人よりもずっとくわしい。

そんな韓国人でも、柳宗悦は知らなかった。
この日本人を知っている韓国人なんて、ほとんどいないだろう。

ボクが読んだ韓国の小中高の歴史教科書にも書いてない。
韓国では、植民地時代の闇の部分については「これでもか!」というぐらいに教える。
けれど、朝鮮文化に理解をしめし、光化門を守った日本人については知らせない。

韓国と台湾はここが違う。
この違いが、日本の修学旅行で韓国へ行く高校が激減して、台湾を選ぶ高校が激増する理由にもつながる。

 

京都御所、大極殿(だいごくでん)の門にある扁額。
この「承明門(しょうめいもん)」という文字は、空海が書いたという。
鑑定団に出したら、鑑定士が気絶するレベル。

 

この動画の始めに光化門が映ってますよ。

 

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今まで、東南アジア、中東、西アフリカなど27の国・地域に旅をしてきました。以前、中学生に歴史を教えていた経験もあります。 また、日本にいる外国人の友人も多いので、彼らの目から見た日本も知っています。 そうした経験をいかして、日本や世界の歴史・文化・宗教などをテーマに、「読んでタメになる」ブログを目指しています。