日本の特徴。天皇に名字がない理由・世界で日本だけのこと

 

始めの一言

「いま私たちが滞在している日光は、筆舌に尽くし難いほど美しい。私は大きな杉の木が鬱蒼と茂った並木道を始めて見たときの印象を決して忘れないだろう。
(メアリー・ダヌヌン 明治時代)」「日本絶賛語録 小学館」

 

 

今回の内容

・万世一系って?
・天皇の「ゆかり発言」

 

・万世一系って?

前回、むかしはイギリスの国王がフランス人だったという話をした。
その結果、なんと、英語を話すことができないイギリス国王もいた。
でも、リチャード1世も英語が話せなかったけど、強くて勇敢な国王だったから今のイギリスでとても人気がある。

ヨーロッパでは、「王家の血」というものをあまり重要視しない。

 

日本と韓国は、この辺が大きく違う。
日本と韓本では、「王家の血」というものをとても重視している。
日本の天皇家について、「万世一系(ばんせいいっけい)」という言葉がつかわれることがある。

万世一系

永久に一つの系統が続くこと。多くは皇室・皇統(天皇の血筋)についていう(ウィキペディア)

 

中国や韓国の歴史では、革命がおきて皇帝や王が別の家系の人間に替わることがある。
これを「易姓革命(えきせいかくめい)」という。
日本の歴史では、この易姓革命がなかった。

日本の現王朝は6世紀以降には王朝交代した証拠はなく、少なくとも1500年もの間存続している。6世紀に存在した他の君主家で今日なお在位しているものは、世界のどこにもない。
(ウィキペディア)

 

このウィキペディアの文と同じことを、鎌倉時代に「北畠親房(きたばたけ ちかふさ)」という人が言っている

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「北畠親房(ウィキペディアより)」

 1293~1354 後醍醐・後村上天皇に仕えた南朝の重臣。吉野や常陸小田城などで作戦を指揮し、南朝勢力の保持・拡充に努めた

(日本史用語集 山川出版)

 

この北畠親房が、「神皇正統記(じんのうしょうとうき)」という本をかいている。この本の始まりはけっこう有名。
一読の価値アリだよ。

大日本は神国である。
天祖国常立尊(あまつみおやくにのとたこたちのみこと)がはじめてこの国の基をひらき、日神すなわち天照大神がながくその伝統を伝えて君臨している。わが国だけにこのことであって他国にはこのような例はない。それゆえわが国を神国というのである

(慈円 北畠親房 日本の名著9 中央公論社)

 

さっきのウィキペディアの「世界のどこにもない」という文と北畠親房の「わが国だけにこのことであって」という文は、まったく同じこと。
これは、日本という国の大きな特徴でもある。

 

 

この本の中で、日本の天皇家が「万世一系」であることにふれている。

わが国は天祖以来皇位の継承に乱れはなく皇統が一筋であって、この点は天竺とちがうところである。
(慈円 北畠親房 日本の名著9 中央公論社)

 

この「天竺(てんじく)」というのは、今のインドのことね。
この時代、日本人はインドを「天竺」と呼んでいた。
インドを漢字で「身毒」と書いていたこともある。
ヒドイ話だ。

 

「わが国は天祖以来皇位の継承に乱れはなく皇統が一筋であって」
というのは、日本の歴史では天皇家以外の人間が日本を支配したことはな
いということで、これが現在でいう「万世一系」になる。

 

 

また、ウィキペディアには、こんな文もある。

皇室に名字がない事実も、天皇の王朝の古代史に遡る古さを示している。日本人が歴史が始まって以来知っている唯一の王朝だからである。

確かに、天皇には名字がない。
でも、それは知ってた。

でも、「万世一系」という言葉は、岩倉具視(ともみ)がはじめに言い出したということは知らなかった。

岩倉具視の「王制復古議」(慶応3年10月)が初出であるとされる。

ということで、日本の大きな特徴は天皇が「万世一系」ということ。

 

・ゆかり発言

この「万世一系(天皇の血筋)」にかかわることだけど、現在の天皇陛下は、以前「ゆかり発言」というものをされている。

私自身としては,桓武天皇の生母が百済の武寧王の子孫であると,続日本紀に記されていることに,韓国とのゆかりを感じています。

「天皇陛下お誕生日に際し(平成13年)宮内庁HP

 

このときは、韓国のマスコミはこれを大きく報道したけど、日本のマスコミはほとんど報じなかった。これは、日本と韓国が天皇家の「血」を重視していたということだろう。

 

でも、これはとても難しい問題だ。

桓武天皇の生母である百済の子孫という女性は、高野 新笠(たかの の にいがさ)という日本名をもっている。
この女性の先祖が日本に移り住んでから、ずい分長い時間がたっているのだ。

高野新笠は、日本に生まれて完璧な日本語を話していたはず。
つまり、民族としては日本民族だったということができる。

相当な古来で日本化した帰化氏族だといえる。
(ウィキペディア)

 

現在のイギリス王室のように、「ドイツにいた人間をそのままイギリスに呼んで国王にしてしまう」というのとは、まったく違う。

 

そもそも、「桓武天皇の生母が百済の武寧王の子孫である」と「続日本紀」に書かれていても、それが事実であったかははっきりとわかっていない。

和氏が武寧王の子孫であるかどうか学術的に少なからず疑義が持たれている。(ウィキペディア)

 

また、「現在の韓国と百済とは、直接的にどこまで結びついているのか?」といった問題もあるしね。

 

韓国のお寺

 

でも、「万世一系」という言葉を使っていて、「ゆかり発言」が注目されたということは、日本では「王家の血」というものを重要視しているということだろう。

 

日本人だったら、「イギリスの国王が、フランス人だった」「イギリス国王をドイツからむかえた」ということを知るとびっくりすると思う。
それは、「万世一系」という言葉を知らなくても、意識の底で「王家の純血」というものを重要視していたからだろう。

 

それは、お隣の韓国でも同じ。
だから、古代朝鮮の国「新羅(しらぎ)」が、「日本人の統治する国だった」ということは信じられないはず。

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。