文大統領の”3・1反日演説”←韓国の国民・メディアの反応は。

 

3月1日に、韓国の文大統領が”反日スピーチ”をおこなった。
このネタ、まだ引っぱいちゃいますよ。

前までに、日本の政府・新聞・ネットの反応を書いてきた。
今回は韓国側の様子を紹介しようと思う。

 

 

でもその前に、初めてこの記事をごらんになった人のために、文氏の「3・1反日スピーチ」と日本の反応を簡単に確認しておこうと思う。

慰安婦問題(歴史認識)について、文氏はこう言った。

「加害者である日本政府が『終わった』と言ってはいけない」
「戦争中に起きた反人道的な人権犯罪行為は『終わった』という言葉でおおい隠すことはできない」
「不幸な歴史であればあるほど、その歴史を記憶して、歴史から学ぶことだけが真の解決だ」
「日本は人類普遍の良心で歴史の真実と正義に向き合わなければいけない」

 

「竹島(韓国名:独島)は日本の固有の領土」と主張する日本政府に対してはこうだ。

「帝国主義による侵略に対する反省を拒否することだ」

そして、文氏が日本に望むことはこれ。

「真の反省と和解の上で、ともに未来へ進んでいくことを願う」

 

慰安婦問題は2015年の日韓合意で、両政府が「最終的、不可逆的な解決」を確認している。
文氏の演説はこの合意を否定しやがったも同然。

だから日本政府は、「まったく受け入れられない」とすぐさま韓国に抗議した。

読売・産経新聞は文氏の演説を、「歴史を歪曲する「反日」体質」「歴史的事実に反する」「竹島を侵略したのは韓国のほうである」と切り捨てる。

歴史をわい曲し、反日を叫ぶ。
でも、「真の反省と和解の上で、ともに未来へ進んでいくことを願う」と言った文氏に読売新聞はこう応えた。

「独善的な歴史観に基づく一方的な日本批判が、未来志向の関係構築につながると本気で思っているのだろうか」

ネットも読売新聞の意見を支持。
文氏の言葉に日本人が大反発して、ヤフコメが”爆発”した。

 

「韓国と断交を」というコメントに共感したのが約14万で、反対したのはわずか約1800。

この結果に韓国メディアが驚き、記事で伝えていた。

 

 

では、韓国の人たちは文大統領の「反日スピーチ」をどう受け止めたのか?

韓国メディアの反応を見ていこう。

中央日報は文氏を支持。

文氏が一方的に日本を批判したことを「日本の誠意のある謝罪と反省がなければ韓日関係の改善は容易でないという点を強調するため」と擁護する。

中央日報は文氏の演説を「日本政府の態度の変化を促した」ものととらえている。
つまり、態度を変えないといけないのは韓国ではなくて日本だ、と言いたいらしい。

そういうことは、日本との約束を守ってから言ってほしい。

 

反日を叫びながらも、文氏は「日本をともに未来へ進んでいくことを願う」と言った。
これについては、歴史問題とそれ以外の安全保障や経済分野を切り離して考える「政府の「ツートラック」基調を改めて明らかにした」と、中央日報は説明する。

でもほとんどの日本国民は、反日と経済協力の両立は不可能だと考えている。
韓国の「ツートラック」ほど、日本人の理解を得られない理論はなかなかない。

 

ここまでは、中央日報のこの記事(2018年03月02日)にもとづく。

文大統領「日本は人類普遍の良心で歴史の真実・正義と向き合うべき」

 

 

ほかの韓国メディアの反応も紹介しよう。

・プライム経済

「当分の間は歴史問題をめぐる日本との対立をいとわないとの考えを示したもの」

・マネートゥデイ

「日本に直撃弾」
「人権犯罪との言葉を初めて使うなど、これまでになく日本を強く批判した」
「慰安婦・独島問題に釘を刺した」
「文大統領が日本を叱咤」

 

文大統領が所属する与党は文氏の演説を支持。
「韓国の進むべき方向をはっきりと示した名演説だった」と評価した。

この演説が「韓国の進むべき方向を示した」というところがポイント。
これからも、反日の手をゆるめるつもりは1ミリもないらしい。
それが、「歴史問題をめぐる日本との対立をいとわないとの考えを示したもの」ということなんだろうけど。

でも野党の反応は少しちがう。
日本を怒らせる文大統領に「強硬策が果たして正しいのか、心配が先に立つ」「慎重さに欠ける発言だった」と不安を感じている。

 

で、韓国国民はどう思ったか?

韓国社会で「反日」は「愛国」につながる。
日本をたたけば、愛国心が刺激される。
国民としては、そんな言葉を聞くと気持ちがいい。

これは文氏を支持せざるを得ない。

「気持ちがすっきりした」
「その通り。被害者が納得していないのに、加害者が終わったと主張するなんておかしい」
「日本が心から謝罪するまで絶対に終わらせてはならない」

野党と同じように、日本との関係を心配する声はある。
「文大統領は国内の支持率を上げることしか考えていない」という見方もあるものの、それは少数。
多くの人は文氏を支持している。

日本よ、これが韓国社会だ。

ここまではレコードチャイナの記事(2018年3月1日)を参照した。

「慰安婦問題は終わっていない」文大統領の演説に、韓国内から称賛と懸念=「名演説」「慎重さに欠ける」

 

 

でも、朝鮮日報はいままで見てきた反応とはちがう。

社説(2018/03/02)で、「慰安婦合意を否定する文大統領」とハッキリ書いている。

日本は文大統領の演説を、合意の破棄と受け止めている。両国間の対立が激化することは避けられない。

「慰安婦合意を否定する文大統領に対日戦略はあるのか」

 

「文大統領が合意を否定することによって、韓日関係が悪化する」という考え方は、どちらかといえば日本側のものだ。
韓国では、「日本の誠意のある謝罪と反省がなければ韓日関係の改善は容易でない」という見方が一般的。

朝鮮日報はさらに文政権を批判する。

韓国政府がこの合意を否定したいのなら、その後どうするという戦略がなければならない。

 

文大統領は日本を批判するだけ、合意を否定するだけで「では、どうするのか?」の具体的な戦略がない。
「韓国は反日するけど、日本は経済協力をするべきだ」という、ご都合主義のツートラック戦略は通じない。

相手を批判するだけで、具体的な対案を出さない。
まあそんな人間は、日本にもたっくさんいるけど。

 

 

朝鮮日報は韓国で最大の発行部数をほこる新聞で、韓国社会にあたえる影響力も大きい。

日本をたたけば支持率が上がる。
日本を落とせば、自分の立場は上がる。

そんな韓国社会にあって、こんな良心的な主張をしている新聞があることは安心材料だ。

「泥中の蓮」を見た思いだ。

泥中の蓮

【読み】 でいちゅうのはす
【意味】 泥中の蓮とは、汚れた環境の中にいても、それに染まらず清く正しく生きるさまのたとえ。

「故事ことわざ辞典」

 

最後にこういう一言を書くから、「そんなに韓国を見下して楽しいのですか?」というコメントが来てしまう。

 

 

こちらもどうぞ。

日本の新聞が文大統領に「”反日”体質・歴史のわい曲」と批判。

圧倒的多数が「韓国と断交を!」。日本の反応に韓国が衝撃。

 

2 件のコメント

  • 韓国を見下す要素がどこにあるのか苦情主に尋ねたくなる丁寧なコラムです。応援しております。
    ツートラック戦略ですが日本も対韓関係で行ってきました。日本には冷戦構造下で韓国を西側陣営の留める意思とアメリカからの圧力があり、竹島や慰安婦問題を脇に置いての交渉をしてきましたから。しかしネットの発達でマスメディアを通じない韓国事情が日本に流れ込む事で日本国民からの突き上げがここ数年起きています。韓国への配慮で生まれた日本側のツートラック、自国の都合で生まれた韓国側のツートラック、世界への向き合い方を如実にあらわしていると思います。

  • まあ、韓国のことはどう書いても何か言われますから。
    仕方ないです。
    日本にもそんな「ツートラック」があったのですね。
    日本でも韓国の政治が嫌いでも、食べ物は好きな人はたくさんいますし。
    ネットで過去のことを今によみがえらせることは大きいと思います。
    不都合な事実がいっぱい出ていますから。

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    今まで、東南アジア、中東、西アフリカなど27の国・地域に旅をしてきました。以前、中学生に歴史を教えていた経験もあります。 また、日本にいる外国人の友人も多いので、彼らの目から見た日本も知っています。 そうした経験をいかして、日本や世界の歴史・文化・宗教などをテーマに、「読んでタメになる」ブログを目指しています。