今の日本と中国:”精神的な日本人になりたい中国人”が増加中。

 

「できることなら、別の人間に生まれたかった」

そう思う人は世界のどこにでもいる。

海外旅行で、そんな人に出会ったこともあった。
タイを旅行していたときには、アメリカが好きで、アメリカに留学したらさらに好きになってしまったという日本人女子大生がいた。

「アメリカは自由の国で、他人との違いが個性として尊重されるの。アメリカでは言いたいことを言って、やりたいことができる。アメリカという国には、そんな解放感があるのよ」

なんてことをほざく。
「日本では生きづらい人かもしれない」と思いながら、”私のアメリカ”を聞いていた。

 

もちろんアメリカ社会の自由にも限界がある。
法を犯すなどの一線を越えたとき、アメリカはめちゃくちゃ厳しく対応するという話を聞いたことがある。
日本に住んでいたアメリカ人も、「アメリカの警察は日本のおまわりさんとは違う。とても恐ろしい存在だ」と話していた。

「アメリカかぶれ」の日本人女子はいつの時代にもいると思う。
このとき彼女はこんなことを言っていた。

「私は徳島じゃなくて、カルフォルニアに生まれたかった」

 

 

「アメリカ人になりたい日本人」なら、徳島産のカルフォルニアガールだけではなくて、ほかにもたくさんいると思う。

アメリカで「日本人になりたいアメリカ人」がいるかは知らないけれど、「白人になりたがる黒人」はいるらしい。

「そんな人間は、『オレオ』って言うんだぜ」とアメリカ人から聞いた。

ネットの英語辞典「英辞郎ウェブ」にはこう書いてある。

Oreo

【名】〈俗〉黒人でも考え方や振る舞いは白人的な人
◆主にアメリカで黒人でも振る舞いや考え方は白人のような人を蔑視した言い方。

 

「オレオ」かどうかは分からないけど、肌の色がどんどん白くなっていく黒人セレブはたくさんいて、それがよく話題になる。

くわしいことはこの記事をどうぞ。

オレオ:白人のような黒人セレブ。アジア人のイエス・キリスト。

 

 

「日本じゃなくて、あの国に生まれたかった!」と残念に思う人は昔からいる。

16世紀の藤原惺窩(ふじわら せいか)という儒学者もその一人。

彼について高校の日本史ではこう習う。

藤原惺窩

播磨の人。
相国寺の僧となり朱子学を学び、京学派を形成。近世朱子学の祖。家康に乞われて進講したが、林羅山を推薦して仕官せず。

「日本史用語集 (山川出版)」

 

儒学を学ぶ日本人にとって、中国は聖地。
儒学の先進国だった朝鮮はあこがれの地だった。

ちなみに儒学とはこんなもの。

儒学

孔子に始まる思想体系を奉ずる学問。武帝のとき董仲舒の建言により官学とされて以降、中国の皇帝制度を支える政治思想となった。

「世界史用語集 (山川出版)」

藤原惺窩(ウィキペディア)

 

儒学者の藤原惺窩(ふじわら せいか)は中国が大好き。
朝鮮にもあこがれていた。
彼は家名の「冷泉」を名のらず、中国式に「籐(とう)」と言っていた。

そんな藤原惺窩が姜沆(きょうこう)という朝鮮人と出会う。

姜沆は、豊臣秀吉の朝鮮出兵で日本に連れて来られた朝鮮人の儒学者で、約3年間、日本に滞在していた。

この頃に藤原惺窩と交流し彼の朱子学の体系化に大きな感化を与えたとされる

(ウィキペディア)

 

姜沆が日本で見聞きしたことをまとめた「看羊録」という本がある。
この看羊録のなかで、藤原惺窩が姜沆(きょうこう)にこう言っている。

実に残念です。私が、大唐に生まれることができず、また、生を朝鮮に得ることができないで、日本のこのような時代に生まれ合わせたとは!

「看羊録 朝鮮儒者の日本抑留記 (平凡社東洋文庫)」

 

藤原惺窩は姜沆にこんなことまで言いやがった。

「明と朝鮮の連合軍で日本を占領して欲しい」

カルフォルニアに生まれたかった徳島人でも、「もう一度アメリカ軍に日本を占領してほしい」とは言わないだろう。
藤原惺窩のほうが「かぶれ」の度合いがひどい。

 

 

「日本じゃなくて、中国に生まれたかった!」となげいた藤原惺窩が聞いたら、ビックリする話がある。

中国でいま、「精神日本人」が問題になっていることをご存知じだろうか。

「自分は中国人だけど精神的には日本人」と考える中国人のことで、オンライン百科事典(百度百科)にはこう書いてあるという。

「極端な人には自分が属する民族を恨んで日本を崇拝、自身が中国人であることを恥じる特徴も見られる」

 

「精神的には日本人になりたがる中国人」が増えていることから、中国ではこれが政治問題になっている。
それで、法律で「精神日本人」を規制しようする動きまで出てきた。

レコードチャイナの記事(2018年3月7日)から。
*「精日」とは「精神な日本人」ということだろう。

「精日分子、精日思潮は民族感情に対する重大な挑戦」と話す全人代代表の熊思東(シオン・スードン)氏は「15日間の行政拘留処分と道徳上の非難だけでは足りない」として早急の法整備による「民族感情保護」の必要性に言及

中国で相次ぐ「精神日本人」問題、全人代代表から法整備求める声

全人代(全国人民代表大会)では、法律だけではなくて教育も見直すべきだという意見も出たという。

こうやって人の内面を法で規制しようとするところが中国らしい。

中国ではつい最近、「南京事件(南京大虐殺)の死者はたったの30万人か。少なすぎた」などとネットに書きこんだ中国人がいて、警察に捕まる騒ぎがおきた。
これも「精神日本人」になるらしい。

 

このニュースには、ネットでこんな反応がある。

・すげえな、全人代で話題になったのかよ
「自分は中国人だが精神的にはアメリカ人」ならOKなのか
・意味がわからない…
・日本のアニメ見て日本を誤解してる 中国人も多そうだよなぁ
日本に来てもハーレム展開なんてねぇぞw
・あれだけ反日教育を施しているのに
・コレおもれーなwww
でも、気持ちはわかるわ
実際日本に留学してきた女子学生とか中国に帰りたがらないというし
・もう「日本文化圏」に取り込まれてるよ。
・「私は中国人だが精神は韓国人」という人はひとりも居ない

 

藤原惺窩さん、これがいまの21世紀の日本と中国ですよ。

 

中国でよく放送されている「抗日ドラマ」
「日本軍は中国にこんなにヒドイことをした!」と強調している。
こんな中国でなんで「精神日本人」が生まれるのか?

 

おまけ

中国の鳳凰という街

 

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2 件のコメント

  • 「精日現象」の本質は親日というよりは、むしろ人民による専制超特権組織・中国共産党への皮肉なのだと思う。共産党が日々「抗日抗日!」と大いに喚き続けるからこそ「日本」は今でも中国社会において非常に敏感な存在へと化している面がある。選挙権どころか抗議権すら持たないなど心に鬱憤を溜め込んだ膨大なる大衆にとって共産党が嫌がる精日行為は、そんな雲の上のような存在たる執権特権層への皮肉と静かなる抵抗の意の表明なのだろう。解る…

  • 「精神的日本人」という存在は、反・共産主義の面をふくんでいるでしょう。
    だから、共産党も本格的に摘発するつもりですし。
    個人的には、なんでこんな中国人が生まれるのかよくわかりませんけど。

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    今まで、東南アジア、中東、西アフリカなど27の国・地域に旅をしてきました。以前、中学生に歴史を教えていた経験もあります。 また、日本にいる外国人の友人も多いので、彼らの目から見た日本も知っています。 そうした経験をいかして、日本や世界の歴史・文化・宗教などをテーマに、「読んでタメになる」ブログを目指しています。