致死率100%の狂犬病②タイで多い理由には、仏教の影響がある。

 

前回に続いて、今回も狂犬病のはなし。

狂犬病は、奇跡でも起きない限り「致死率100%」という恐怖の病気。

世界では1年で約5万5千人が狂犬病で亡くなっていて、そのうち3万人以上がアジア地域での死亡者と言われている。

夏にアジアへ行くことを考えている人は要注意ですよ。
とくにタイ。

トリップアドバイザーが発表した「アジアのベストデスティネーション(観光地)トップ25」では、タイの観光地がたくさん選ばれている。

1、バリ島(インドネシア)
2、プーケット(タイ)
3、ハノイ( ベトナム)
4、シェム リアップ(カンボジア)
5、東京
6、カトマンズ(ネパール )
7、香港
8、ニューデリー(インド)
9、ゴア(インド)
10、サムイ島(タイ)
11、ホイアン(ベトナム)
12、バンコク(タイ)
13、チェンマイ(タイ)
14、ロンボク島(インドネシア)
15、クラビ(タイ)

 

 

海外で犬にかまれる可能性は本当に低い。
でも、海外旅行ブログを見ていると、「やべえ!かまれた!」という人は常にいる。

上の写真の旅行者はインドで犬に脚をかまれてしまった。
犬にかまれる可能性はほとんどないけど、本人にとっては、「かまれるか?かまれないか?」の2つに1つかしかない。

ちなみに、狂犬病は猫やコウモリなどにかまれて発症することもある。

ここまでが前回の記事で書いたこと。

 

 

日本では、狂犬病は昭和31年(1956年)を最後になくなった。

でも、タイでは今も狂犬病が起きていて、社会問題になっている。

最近も「newsclip」にこんな記事(2018年3月23日)があった。

年初から3月19日までにタイ国内で報告があった狂犬病による死者は6人に上る。

タイで狂犬病広がる 死者6人に

 

今年は3月までに、すでに6人が亡くなっている。
2017年にタイで確認された狂犬病患者の数は11人で、全員が死亡した。

1956年から死者を出していない日本とはずいぶん違う。
*海外で犬にかまれて、日本で狂犬病を発症した例はのぞく。

 

タイには野良犬や猫がたくさんいる。
20年前に比べたら、かなり少なくなったと思うけど。

ボクはタイ旅行でよくお寺に行くのだけど、寺の境内で犬や猫をよく見た。
タイでは、今までに2回ぐらい、犬にかみつかれそうになったことがある。
寺の中で果物を売っていたおばちゃんが大声を出して追い払ってくれたから良かったけど、その勇者が現れなかったら、たぶんかまれていた。

タイ人は犬にとてもやさしくて、やさしすぎて、コンビニのドアを開けて冷気を犬に分けている分けているのを見たことがある。
だからコンビニの入り口には5、6匹の犬がねそべっていて、日本だったら大騒ぎになりそう。

 

「なんでタイでは犬や猫が多いのか?」

タイ人から聞いた話では、それには仏教が関係している。

朝、タイの街を歩くと、下のような托鉢(たくはつ)をしているお坊さんをよく見る。

 

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こうして、信者から食べ物を受け取ることも修行のひとつ。

 

信者からすれば、お坊さんに食べ物をわたすことは「喜捨(きしゃ)」をしたことになる。

より良い来世のために”仏教的な善”をおこなうことを、タイ語で「タンブン(徳を積む)」という。

「タンブン」とは善行を積み重ねる行為のこと。
タイ人は輪廻転生を信じており、タンブンをすればするほど来世では幸せな生まれ変わりができると信じられているのだ。

最大のタンブンは僧侶として出家することだが、在家信者も様々な方法で徳を積むことができる。

タンブン(徳について)

 

托鉢をしていたお坊さんは寺に戻って、托鉢でもらったものをひとつに集める。
それから、寺にいるお坊さんで分けて食べる。
*違うやり方をしている寺もあると思う。

食べ物があまったら、野良犬や猫にあげてしまう。
これも仏教の善行になる。

でもこれは、犬や猫を餌づけしているようなもの。
それを覚えてしまうから、タイのお寺にはたくさんの犬や猫がいることになる。

 

それにしても犬、大過ぎ。

バンコクポストのツイッター

 

タイでは「ピー」を信じている人がいる。

タイ人にピーについて聞くと、「お化け・神様・精霊」と言う。

ピー信仰(ピーしんこう)とは、主にタイ族が信仰するアニミズム(精霊信仰)のことである。バラモン教、仏教などの外来宗教の伝来以前からタイ族全般に存在したとされる信仰の形態

ピー信仰

 

目に見ないピーがその辺をウロウロしていると考えるタイ人は、下のように、路上にお供え物の飲食物を置くことがある。

野良犬や猫がこれを食べてもおかまいなし。

また、複数の家で犬や猫にエサをあげていて、実質的にペット化している場合もある。
これも仏教的な善行になる。

 

タイで狂犬病が多い理由には、この他にも、殺処分がおこなわれていないことがある。
これも、「生き物を殺してはいけません」という仏教の教えが国民に浸透した結果だ。

ちなみに日本では、平成28年度に殺処分された犬は1,943匹で、猫は29,654匹になる。

くわしいことは環境庁のホームページをご覧ください。

犬・猫の引取り及び負傷動物の収容状況

 

おまけ

いまの日本で狂犬病の心配はいらない。
犬に関して問題が起こるとしたら、犬ではなくて、飼い主の責任によるものが多い。

しっかり飼い犬を管理していないと、裁判所で1284万円の支払いを命じられることがある。
朝日新聞の記事(2018/3/23)から。

判決は、動物は予想できない行動をとり、飼い主は散歩の際はつないでおく義務があると指摘。事故はリードから手を離したために起きたとして「過失は重い」と述べた。

小型犬飛び出して転倒、飼い主側に1200万円賠償命令

 

大阪で、40代の男性がランニングをしていた。
すると突然、ミニチュアダックスフントが飛び出してくる。

それを避けようとして転倒。
男性は骨折して、右手に後遺症が残ってしまった。

これが飼い主の責任と判断されて、1200万円を超える支払いをめいじられた。

狂犬病はなくなったけれど、日本では、こうした問題がこれからもきっと起こる。

 

おまけ

タイの首都バンコクの街並み

 

 

こちらもどうぞ。

致死率100%の狂犬病①日本と世界の現状・アジアは要注意!

海外の冒険旅行。ペルーで殺害された2人の日本人大学生。

旅 「目次」 

旅 「目次」 ②

旅 「目次」 ③

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。