韓国で”ディオール旭日旗騒動”。こうして世界のタブーになっていく。

 

「またですか」と言いたくなってしまうのだけど、韓国でまた旭日旗騒動が起きている。

旭日旗

 

上海でおこなわれたファッションショーで、フランスの有名ブランド「ディオール」が公開したドレスが「旭日旗を連想させる」ということで、韓国のネットで怒りの声が上がっているらしい。

中央日報の記事(2018年04月04日)にも書いてあるのだけど、これは旭日旗ではない。

問題のドレスはオーガンジー素材で作られたチューブトップのドレスで、衣装の中央に旭日旗を連想させる白地に赤色の線が入っている。

ディオール、中国ファッションショーで「旭日旗ドレス」

旭日旗ではなくても、韓国人に旭日旗を連想させてしまえばアウトになってしまう。

これがそのドレス。

 

ここに「inspired by the structure of the Chinese fan(中国の扇に刺激を受けた)」と書いてある。
旭日旗は関係ない。

問題はこのドレスではなくて、これが旭日旗に見えてしまう側の価値観や認識の方だろう。

でもこれが韓国人を怒らせたことはたしか。
ディオールは公式インスタグラムでこのドレスを公開していたけれど、抗議を受けてそれを削除した。

レコードチャイナの記事(2018年4月2日)では、韓国のネットユーザーのコメントが紹介されている。

「好きなブランドだったのに!失望した」
「気分悪い。それに戦犯旗じゃなくてもデザイン的にがっかり」
「もうDiorの商品は買わない」
「どう見ても戦犯旗が浮かぶ。よく考えてデザインすべき」
「ドレスを見た瞬間、自然に目が吊り上がってしまった」

ディオール、中国ファッションショーで「旭日旗ドレス」

 

日本のネットでは、「どう見ても戦犯旗が浮かぶ」とは対照的なコメントが書きこまれている。

「あれが旭日旗に見えんのかよ?」
「こんなのまで旭日旗とかマジかw」
「あいつらそのうちジャンケンからパー無くすぜ」
「旭日旗では無く ヒトデだろう」
「ウニもダメですか?栗は??針ネズミは???」
「ただの放射線状のデザインなのですが。」
「視力検査でもいちいちそういうこと言い出すの?」
「どこが旭日旗なのかと小一時間問い詰めたい内容w」

旭日旗問題の面倒くさいところは、旭日旗ではなくても、韓国人にそう見えてしまったら問題にされてしまうこと。
「そう見えてしまうモノはダメ」となると、旭日旗問題の範囲はどこまでも広がってしまう。

 

 

このブログで何回か書いたことだけど、念のために言っておくと、日本政府(菅官房長官)は旭日旗には問題はないという見解をしめしている。

産経新聞の記事(2017.5.8)から。

旭日旗については、「自衛隊旗や自衛艦旗だけでなく、大漁旗、出産、節句の祝い旗など日本国内で広く使用されている。法令上も使用実態も国旗とは異なる」と指摘し、使用が差別には当たらないとの認識を示した。

サッカーの旭日旗問題 菅義偉官房長官が差別的でないとの認識示す「大会管理者の対応を注視」

海上自衛隊の艦船に旭日旗があっても、かつての敵国だったアメリカが文句を言ってきたことはない。

 

 

今年2月にも、韓国で旭日旗騒動が起きていた。

ターゲットにされたのは、イギリスの歌手「エド・シーラン」さん。
エド・シーランさんが自身のインスタグラムに上のような画像を投稿したことで、韓国人が激怒。

抗議のコメントが殺到したことで、エド・シーランさんはこの投稿を削除した。

くわしいことは韓国紙「スポーツソウル」の記事(2018-02-14 )をご覧ください。

에드 시런, ‘욱일기 논란’…SNS 게시글이 발단
「エド・シーラン、 ‘旭日旗論難’…SNS投稿が発端」

シーランさんのインスタグラムには、このことについて謝罪を求めるコメントが書きこまれていた。

 

ヨーロッパのどこかの国の写真。
きっとこれも削除と謝罪を求められる。

 

「イギリスでは日本や韓国は大して注目されないから、普通のイギリス人だったら、日本人と韓国人の違いなんて分からない」

最近、イギリス人からそんな話を聞いてガッカリした。
でも確かに、ヨーロッパ人は日本や韓国にはあまり関心がないから、日韓のことはよく知らないと思う。

だから、ある日いきなり自分のSNSに抗議のコメントが殺到したら、事情は分からないけど「自分は何かマズいことをしてしまった」と思って、それを削除しても不思議ではない。

そして、「旭日旗はいけないものだ」という印象が広がる。

日本側が誤解を解くような発信をしていかなかったら、旭日旗はこれから世界のタブーになっていくと思う。

 

そのうちこれも問題視されるかも。

 

こちらもどうぞ。

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。