若い日本人、AI(人工知能)への考え方。終わらぬ「人間 vs 機械」

 

今の日本の若い人たちはAI(人工知能)について、どう思っているのか?

明治安田生命保険の発表では、新入社員の6割近くがAIを好意的に見ている。
多くの新入社員は、AIが単純作業をやってくれるから業務が効率化される、時間的な余裕が生まれると考えていた。

共同通信社の記事(2018/3/27)から。

好意的な回答では「単純作業をする必要がなくなり、革新的な仕事に取り組める」が27.4%、「余力が生まれ、私生活が豊かになる」が32.4%で計約6割となった。

「新入社員6割、AI活用に好意的」

 

でも、「仕事を奪われるかも」とAIの存在に不安や脅威を感じている人がおよそ2割いる。

では、ネットの反応は?

・くっだらねえ問い合わせのAI回答がめっちゃ便利
・多分彼らの頭の中ではAIが人間の補助をしてくれるってイメージなんだろうが
実際にはAIが本業をやってAIで対応しきれない雑務を人間がする方向にいくんだな
・昔は経理とか人事とか人がやってたんだよ
( ゚д゚ )エー という時代が来る
・社長をAIにしたい

 

新入社員とは違って、「オレの仕事なくなるかも」と危機感を持っている人がけっこう多い。

・>AIを脅威に感じ、仕事を奪われるとの回答は約2割だった。
新入社員は危機感ないお花畑多いのな
仕事を奪われんのは中高年層からとか
リストラ感覚なのかな?
・そりゃあ、新入社員はAI導入で切られることもないからな
・中間職は反対なんだよな 不要になるからね

 

最近AIの活躍をよく聞く。

NHKでは、日本初のAIアナウンサー(リポーター)「ニュースのヨミ子」がデビューした。

 

AIがアナウンサーや予備校の講師をすることなんかは予想していた。

でも、肉体労働もAIに取って代わられる時代が来ている。

つい最近の日本経済新聞の記事(2018/3/22)にも、IHIが世界初となる「AIを搭載した荷下ろしロボット」を発売したことが書いてあった。

3次元(3D)のカメラシステムと、脳をまねた構造でデータの特徴を見つける深層学習を活用。インターネット通販隆盛のいま、荷下ろしロボットに世界で初めてAIを載せ人間に近づいた意義は大きい。

「人間に近づくAI荷下ろしロボ」

 

この荷下ろしロボットは、段ボールを1時間に450個のスピードで下ろすことができる。
物流の生産性は飛躍的に向上するらしい。

これなら欠勤することはないし、会社に文句も言わない。
「ドラクエやりたいから、明日有給ください」とか、わけのわからないことを言い出すこともない。
効率を落とさず仕事をしてくれて、福利厚生は不要。
新型ロボットが出たら、すぐクビを切って「新入社員」を迎えることができる。

荷下ろしをする人間と同時に、腰痛治療にかかわる人も大量に失業させるかも。

 

中央日報に背中が寒くなるような記事(2018年04月05日)が載っていた。

最近韓国で「AI弁護士」が大手法律事務所に採用された。
このAI弁護士は「ユーレックス(U-LEX)」という。

コイツの有能っぷりがとんでもない。

ユーレックスは、担当弁護士と法律秘書数人がこれまで短くて数日、長くて数カ月かかって作業をしていた関連法条項の検討や判例分析などの事前リサーチ業務を20~30秒で済ませる怪力を発揮し、業務に素早く適応している。

韓国初のAI弁護士、法律事務所に“就職”…「弁護士70%が路頭に迷うことに」

 

数ヵ月かかっていたものを30秒ほどでやってしまう。
人間が勝てるはずない。

それで韓国では、下手したら、これから70%の弁護士が仕事を失うといわれている。

でもこれは韓国だけの問題ではない。
人間がすることとAIがすることを、日本人も考えないといけない。

 

 

「ヤベ!こんなのが登場したら、オレの仕事がなくなるかも」
「給料減らされるかも」

19世紀の産業革命のとき、機械が使われるようになると、多くの労働者がそんな不安を持った。
それで彼らは、全力で機械を破壊してしまう。

それが高校世界史で習う「機械うちこわし運動」だ。

機械うちこわし運動

機械制工場が拡大するなか、工賃の下落や失業をおそれた手工業者・労働者たちが展開した機械破壊運動。政府は軍隊を出動させて鎮圧するなどの対策をとった。

「世界史用語集 (山川出版)」

この機械うちこわし運動でもっとも有名なのが、1811年にイギリスで起きた「ラダイト運動」。

 

 

あらゆる発明は人間のためにある。
はず。

人の生活がより快適・便利になるように、いろいろものが登場するはず。
でも実際には、機械やAIと人間が争うことが起きる。

不満を言っても、時代の流れは変わらない。
かといって、機械を壊したら捕まる。

機械やAIとうまく共存していかないと、自分が不要になってしまう。
これは19世紀も今も、これからも変わらない。

 

おまけ

自称AIのバーチャル・ユーチューバー「キズナアイ」を知ってますか?
このAIユーチューバーが日本政府観光局の観光大使に採用された。
バーチャル・ユーチューバーが観光大使になるのは世界初。

 

2 件のコメント

  • 少子化の日本には大助かりな筈。しかし初期投資に二の足を踏む日本の経営者は海外企業の引いたレールで仕事をすることになる。それはAIを使った産業でも同じこと。

  • そのとおりです。
    日本では人手不足で倒産する企業がたくさんあると言います。
    うまくAIやロボットを使わうべきです。
    初期投資の件は慎重すぎるのしょうかね。

  • コメントを残す

    ABOUTこの記事をかいた人

    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。