”西洋人の合掌”に怒る韓国人。韓国の東南アジアへの見方って?

 

ちょっと考えてほしい。

映画を宣伝するために来日したハリウッドスターが日本人へのあいさつとして、胸の前で手を合わせる合掌をしたらどうなるか?

 

合掌をするカンボジアのお坊さん。

 

西洋人が合掌であいさつをしても、日本なら問題は起こらない。

それは日本の文化だから。
日本人はご飯を食べる前に「いただきます」と言って手を合わせるし、仏像を前にしたら合掌をする。
合掌は相手に敬意をしめすことだから、ハリウッドスターがそれをしてもノープロブレム。
実際、来日したデニー・ジョップが合掌であいさつをしても、日本ではだれも怒らなかった。

 

でも、韓国は違う。

先日ハリウッド俳優のベネディクト・カンバーバッチさんが「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」のプロモーションで韓国にやって来た。
空港に姿を現したとき、彼は韓国人へのあいさつとして合掌をする。

これが「不快だ」と問題視された。

中央日報の記事(2018年04月12日)から。

西洋人が合掌を東洋の謙虚なあいさつだと認識しているのは、一種の偏見から始まったという主張だ。

一部のネットユーザーは「アジア人は皆、合掌するものだと思っているのか」「韓国に来るたびに合掌する西洋俳優、不快だ」「中国・日本に行く時も合掌をするのか見守ろう」などのような反応を示した。

韓国に到着したハリウッド俳優、合掌あいさつめぐり論争に

 

このように韓国では、西洋人の合掌を不愉快に思う人と「別によくね?」という人の間で論争が起きている。

カンバーバッチの側は「ベネディクト・カンバーバッチは仏教文化に関心があった。合掌に対しては(人種差別の)意図や意味はない」と説明している。
合掌したことに悪意はまったくなく、彼は韓国のファンに丁寧にあいさつをしたつもりだった。

このニュースにネットでは、日本人との見方の違いを感じた人が多かった。

・日本人は何とも思わんが
・合掌の何がダメなんだ?
めんどくせえ
・敬意を表してくれてるだけやろ
・合掌がいやなら、相手の頭を撫でてやれよ
・ブータン国王もやってたよなw
・片手でやってくれたら通だなと思う。
・まぁ、正直わいも違和感感じてたし
・儒教じゃないのか??ここ。
・日本だとむしろ、礼儀正しい+でも間違っててカワユスの
好感度2段階アップ案件だよな

 

なかにはこんな日本人ならではのコメントもアリ。

・合掌する姿を見ると背後に後光が現れて、それが旭日旗に見えるとか?

 

 

ハリウッドスターが合掌しても、日本だったら問題にも論争にもならない。
「合掌に対しては(人種差別の)意図や意味はない」なんて説明しなければいけない事態は起こらない。

日本だったらスルー案件が、なんで韓国では全国紙が記事にするほどの騒ぎになるのか?

「合掌というあいさつは韓国の文化ではないし、韓国人の価値観に合っていない」ということが一番の理由だろう。
でもそれだけではなくて、韓国社会にある東南アジアへの見方も影響しているように思う。

今回は、韓国人の東南アジアに対する考え方について書いていきたい。

 

 

先ほど、韓国人のこんなコメントがあった。

「アジア人は皆、合掌するものだと思っているのか」

これを見て思ったのだけど、韓国の人たちが西洋人の合掌に反発したのは、「韓国が東南アジアの国々と一緒にされた」と感じたからではないか。

以前、韓国人の友人から「韓国には東南アジアの人間を低く見るところがある」というメールをもらったことがある。
それで、ふとそんなことを思った。

これがそのメール。

白人にくらべれば無視する傾向はあきらかにあります。(私も最近ベトナムで働いていてそういう場合を見ました。)
よくわかりませんが、東南アジア人も韓国人を無視する傾向がありましたし。。。

 

ただ、「欧米人に比べて東南アジアの人たちを軽く見る」という傾向は日本人にもある。
日本にいるタイ人やインドネシア人から、そんな話を何度も聞いた。

 

 

文芸思潮37号では、韓国人がとても厳しい表現で、韓国社会にある東南アジアへの蔑視を非難している。

韓国の経済成長の過程で主に東南アジア出身者が韓国へ移住するようになり、自然と経済力の低い東南アジア国家に対する韓国人の優越意識は差別意識へとなっていった。

韓国人の多くは貧困な国に対し優越感を持ち、黒い皮膚を持った東南アジア人は劣等民族であるという人種主義が形成された。さらに韓国社会の強力な単一民族主義は自然と他民族に対する排他的な人種主義にとつながった。

愛国主義と人種差別・・・・・・・・・・・・・・・・・・尹柱鉉(ユンジュヒョン)

 

これはちょっと極端というか、大げさな気がする。
韓国人にある一部のものをかなり拡大しているように思う。

でも、朝鮮日報のコラム(2016年09月21日)に書いてあることぐらいなら、多かれ少なかれ韓国人が胸の中に秘めていることではないか。

ベトナムにとって韓国の「漢江の奇跡(1970年代の高度経済成長)」は羨望の対象であり、学ぶべき対象でもあった

プライドを失った民族と国に未来はない

 

韓国はアジアの経済大国で、ベトナムからは「うらやましい」と思うと同時に学ぶべき対象でもある。
仲のいい韓国人に聞いたら、「確かにそう考える韓国人は多いですね」と言うと思う。

朝鮮日報は韓国最大の全国紙だ。
だから、そこに書いてある内容が韓国人の一般的な認識から離れているとは考えられない。
これは韓国人の常識の範囲内だろう。

 

では、日本だったらどうか?

いまの時代で、日本の新聞が「ベトナムにとって日本の高度経済成長は羨望の対象であり、学ぶべき対象でもあった」という書き方をすることはないだろう。
そんなことを書いたら、「何この上から目線?」と読者に反発されるだけ。
ベトナム人の視点に立って、「~と言うベトナム人もいた」という表現ならあるかもしれない。

 

 

ここまでは韓国人の見方を書いてきたから、次に、韓国に住んでいた日本人の意見を紹介しようと思う。
下の記事のタイトルにある通り、この日本人女性は「韓国人は東南アジア人や黒人を見下す」とハッキリ書いている。

*もちろん、すべての韓国人がそう思っているわけではない。
この日本人が韓国での生活を通して、そういう傾向を感じたということ。

まとめると、なぜ韓国人は東南アジア人や黒人を見下すのかという理由は、
①自国より生活水準の高い国の人たちを特別扱いする
②自国より生活水準が高くても自分たちの民族の平均より肌の色が暗かったら見下す

これが、私が感じた平均的な韓国人が外国人に対して、扱う態度だと思います。

なぜ、多くの韓国人は東南アジア人や黒人を見下すのか

 

この感想は「黒い皮膚を持った東南アジア人は~」とか、韓国の経済成長はベトナムから見たら「羨望の対象であり、学ぶべき対象でもあった」といった韓国人の見方にも重なる。

 

くり返すけど、ここで書いてきたことは韓国社会にある傾向のこと。
欧米人に比べて東南アジアの人たちを軽く見る傾向は日本にもある。

 

 

「韓国は、東南アジアの人が『うらやましい』と思う国だ」と韓国人が考えている。

でも、訪韓した西洋人のスターは合掌という、東南アジアでよくおこなわれるあいさつを韓国人に対してした。
それで「アジア人は皆、合掌するものだと思っているのか」と、韓国を他のアジアの国と一緒にされたと感じた。

「合掌」をめぐって全国紙が報じるほどの論争になった背景には、「韓国を東南アジアの国と同じにするな」という反発があるように思う。

「中国・日本に行く時も合掌をするのか見守ろう」という言葉もそれを裏づけている。
ぶっちゃけ東南アジアの国ではなくて、日本と同じ扱いを受けたら、韓国人はきっと怒らない。

 

こちらの記事もどうぞ。

韓国人の宗教観。日本人との違いは「仏教弾圧の歴史」にアリ

国 「目次」 ①

韓国 「目次」 ②

韓国 「目次」 ③

 

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ①

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ②

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ③

 

2 件のコメント

  • 日本人が東南アジアの方々を低く見る、ありそうな話ですが私は見たことはありません。私個人の経験では、赤信号で周りの人間が立ち止まっている中を自転車で横断した白人男性に舌打ちしたくなったぐらいです。貧すれば鈍する。貧しい白人よりも貧しいアジア人に出会う機会が多い日本、その結果で対応に違いがあるように感じるのでは。勿論たしかに明治維新から欧米への憧れは残っているのでしょうが。

  • このへんはベトナム人やインドネシア人に聞くと、いろいろ話してくれると思います。
    日本人の友だちの作りやすさが違うとか聞きました。
    外国人と友だちになりたい日本人は英語を話したい人が多いから、そのことも影響あると思いますが。

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    今まで、東南アジア、中東、西アフリカに旅をしてきました。外国に行って初めて気がつく日本の良さや特長があります。以前、歴史を教えていたので、その経験もいかして、日本や世界の歴史や文化などをテーマに、「読んでタメになる」ようなブログを目指します。