日本にあるベトナム文化って?料理・アオザイ・コーヒーかな。

 

3年ぐらい前、ベトナム人の知り合いが旅行で日本にやって来た。

ベトナムは海に面した国で、魚料理はたくさんある。
でも生魚を食べる食文化はない。
だから北海道で、一生分の寿司や海鮮系を食べまくったという。

 

ベトナム人が生まれて初めて食べた海鮮丼
「できるなら、来世は日本に生まれたい」と笑う。

 

東京で彼女と会って話をしていたときに、こんな質問をされた。

「日本にベトナム文化って、何かありますか?」

日本にあるベトナム文化?
考えたことがない。
何かあったっけ?

ベトナム関係で有名なものといえば、フォーや生春巻きといった料理かアオザイという民族衣装ぐらいじゃないか。

 

アオザイとは「長い服」という意味。

 

アオザイは中国(清朝)から入って来たチャイナドレスに由来する。
チャイナドレスは寒さに強い厚い生地を使っているけれど、アオザイは、暑いベトナムに合った薄い布地でつくられている。

言ってみれば、チャイナドレスの南国仕様。

オーダーメイドだと自分の身体ピッタリに仕立てられるから、太ると着られなくなる。
だから「ベトナム女性は、太ることが許されない運命にある」と言うベトナム人もいた。
そう言えば、ベトナムには太った女性が少なかった気がする。

 

ベトナム文化の特徴に「北部は中国文化、南部はインド文化の影響を強く受けている」ということがある。

高校の世界史的にはこう習う。

ベトナム

現在のベトナム北部は秦の始皇帝や漢の武帝の遠征以降、中国文化の影響が強い。南部には、インド文化の影響が強いチャンパーや扶南・カンボジアが成立し、互いに対立・抗争をくりかえした。

「世界史用語集 (山川出版)」

 

秦の始皇帝(紀元前259年 – 紀元前210年)の時代から、中国の影響を受けている。
ベトナムは日本よりも中国文化の影響が濃い。

 

ちなみにチャイナドレスの歴史は浅く、漢字をつくった漢民族の服でもない。
「秦の始皇帝や漢の武帝」は漢民族の人間。
日本人が「中国人」と聞いて、思い浮かべるのはこの漢民族のことだろう。

チャイナドレスは中国の北方にいた満州族の服。
満州族による国(清)が建国されてから、中国で着られる服になっていった。

中国人から聞いた話だと、チャイナドレスは清の時代、上流階級の人たちが着ていた服だった。
辛亥革命(1911年)で清が倒されて民国ができたときから、一般の人たちもチャイナドレスを着るようになったという。

 

チャイナドレス
長いスリットは馬に乗るのに適している。
騎馬民族のおもかげが残っている。

 

でも、日本でアオザイを見る機会はほとんどない。
ベトナム人と話をしているときは、他にベトナム料理しか思い浮かばなかった。

ベトナム戦争と「ベトちゃん・ドクちゃん」は日本で有名だけど、ベトナム文化とは関係ない。

ドクは来日を重ねており、2012年8月には東北を訪れ東日本大震災で被災した障害者たちと交流した。 その後2017年3月にはベトナムを訪問した今上天皇・皇后と面会している。2017年4月には広島国際大学の客員教授に就任した。

ベトちゃんドクちゃん

 

知り合いのベトナム人は日本旅行で見つけたベトナム文化として、「ベトナムコーヒー」をあげた。

ベトナム料理店ではなくて、偶然入ったカフェで、ベトナムコーヒーを見つけた。
ボクと話をしていたカフェのメニューにも、エスプレッソや抹茶ラテと一緒にベトナムコーヒーがあった。

「日本人もベトナムコーヒーを飲んでいるんですね。驚きました」と言う。

ベトナムコーヒーとは、コンデンスミルクが底に入ったコーヒーで日本でもファンは多い。
たしかサンマルクカフェにもある。

ということで、日本にあるベトナム文化といったら、料理・アオザイ・コーヒーが三冠王。
日本人にとっては、意外とコーヒーが一番なじみ深いかもしれない。

 

 

コーヒーはフランス植民地支配の置き土産。
だから、ベトナムコーヒーはフランス文化とベトナム文化のミックスになる。

ベトナム語でコーヒーは、フランス語と同じようにcà phê(カフェ)と呼ぶように、ベトナムでは基本的に植民地支配を受けたフランスの手法を取り入れた飲み方をする。

ベトナムコーヒー

 

もうすぐ横浜に、「エッグコーヒー」という新しいベトナムコーヒーがやって来る。

エッグコーヒーは卵黄やコンデンスミルクなどを加えたコーヒーで、ベトナムの名物的なコーヒーらしい。
「飲むティラミス」なんて言われている。

 

エッグコーヒー

ベトナムを旅行したアメリカ人とイギリス人が、エッグコーヒーのおいしさに気づいた。
SNSに写真とこんなコメントを載せている。

「Diana’s new favorite thing in the whole world! Egg coffee!! It was ferkin’ awesome!!」

 

エッグコーヒーそのものは、すでに日本にもある。
けど、今度横浜にできる店は、エッグコーヒーをつくり出したベトナムのカフェの2号店になる。

海外初の店舗として日本を選んだ。
これも、日本にベトナムコーヒーが定着していると見込んでのことだろう。

はたしてこれは、日本での新しいベトナム文化になるか?

 

 

いま、日本に住むベトナム人の数は急上昇。
ニッセイ基礎研究所の発表(2016年)では、日本にいる外国人としてはベトナム人が4番目に多い。

出身国籍・地域別にみると、中国が全体の29.0%で最も多く、次いで韓国、フィリピン、ベトナム、ブラジル、台湾、米国と続いている

急増する国内外国人人口・世帯数

こうした人たちによって、これからの日本でベトナム文化がさらに広がっていくはず。

 

 

おまけ

ベトナムの首都ハノイ

 

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2 件のコメント

  • 少し前に日本国内における外国人による犯罪でベトナム人が中国人を抜いたというネットニュースがありました。嘘ニュースかと思いましたが急激な増加の歪みなのでしょう。
    もう少し管理された入国で双方が悪い感情を抱かない環境を優先して欲しいです。入管の施設で問題が起きているようですから。
    それにしてもベトナムコーヒーは美味しそうです。飲むティラミス、マスカルポーネの要素をどのように工夫しているのか楽しみです。

  • >日本国内における外国人による犯罪でベトナム人が中国人を抜いたという
    そうなんですか!
    数では中国人のほうが多いんですけどね。
    まじめに働いている外国人が風評被害を受けそうです。

    エッグコーヒーはいつか飲んでみたいです。
    横浜は遠いからもっと近場で店ができてほしいのですが。

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    今まで、東南アジア、中東、西アフリカに旅をしてきました。外国に行って初めて気がつく日本の良さや特長があります。以前、歴史を教えていたので、その経験もいかして、日本や世界の歴史や文化などをテーマに、「読んでタメになる」ようなブログを目指します。