日本と中国、宗教の同じと違い。「政治(共産党)>宗教」

 

少し前に、高徳院にある鎌倉大仏の「健康診断」の結果が発表された。

大仏様の状態を調査したところ、外はいいけど中がひどい。
大仏の内部にはガムがこびついていた。
参拝者が大仏に手を合わせた後に、かんでたガムをこすりつけたのだろうか?

その個所は100以上。
ガムは石のように固くなっていたから、手術用のメスで削り取ったという。
だれだか知らないけどお疲れ。
ガムをつけたヤツは、来世、ごきぶりホイホイみたいな地獄に行ってネバネバに苦しめばいいのに。

 

それはそうと、このニュースを知った中国人の反応がおもしろかった。

「これ、中国人のせいにされそう」と弱気なコメントがあったと思えば、「いっそ、その罪を背負ってやろうじゃないか」という人もいた。
人類の罪を背負ったイエス・キリストかよ。

そのことはこの記事をどうぞ。

日本のみなさん、こんな中国人もいるんですよ。

 

それとは別で、こんなことを考える中国人もいた。

「仏教国の人間はこんなことをしない。欧米人じゃないか?」

もちろん、だれがガムをつけたのかは分かっていない。
日本人か外国人かも不明。
でも「抵抗のなさ」でいえば、仏教徒以外の人間がした可能性が高い。

ここからは鎌倉の大仏を離れて、中国の宗教事情と中国人の宗教心について書いていこうと思う。
*中国人の宗教心については次回。

 

 

日本という国は宗教色がうすい。

宗教を聞かれると、多くの人が「無宗教ですけど、なにか?」といった感じに答える。
世界的に見ても、日本人は信心が少ない。

でもそれなら、中国人もきっと負けてない。
中国人も宗教心がうすい。

今までの個人的な経験から言わせてもらうと、全体的にみれば、日本人より中国人のほうが宗教に関心がない。

 

そんな中国の基本情報を見てみよう。

面積:約960万平方キロメートル(日本の約26倍)

人口:約13.76億人
*ちなみにインドの人口も13億をこえている。そのうちインドが世界ナンバーワンになる。

首都:北京
*中国はでかい。北京市の広さが「四国より少し小さい」というレベル。

人種:漢民族(総人口の約92%)及び55の少数民族

言語:漢語(中国語)

宗教:仏教・イスラム教・キリスト教など

中華人民共和国(People’s Republic of China) 基礎データ

中国の宗教には、仏教・イスラム教・キリスト教などがある。
それはいいのだけど、その割合が書いてないのが残念。

韓国の場合はこう書いてある。

宗教人口比率53.1%
(うち仏教:42.9%,プロテスタント:34.5%,カトリック:20.6%,その他:2.0%)
社会・文化に儒教の影響を色濃く受ける。

 

宗教人口比率が53.1%だから、無宗教の人が半分ちかくいる。
日本ほどじゃないけど、韓国にも無宗教の人が多い。

 

 

とにかく中国には仏教、キリスト教、イスラーム教などの宗教がある。
その点では日本と同じ。

でも中国では、宗教が政治の下にある。
中国共産党によってコントロールされている。

 

そのことについて、去年開かれた共産党大会で習近平国家主席がこう言っている。
毎日新聞の記事(2017年10月24日)から。

習氏は初日の政治報告で宗教活動を党の政策や指導方針に適合させる「中国化」を強調。宗教政策を担当する党幹部も「国家の利益や社会の公益に関係する宗教事務の管理を強化する」と明言した。

習氏、宗教統制を強化 共産党大会

習主席は宗教活動を「社会主義社会に適応するよう積極的に導く」と言っている。

このせいか知らないけど、2ヵ月後のクリスマスのときには「クリスマス禁止令」が出された。

中国の”クリスマス禁止令”。中国共産党が宗教を嫌う理由とは?

西安市にある仏塔・大雁塔(だいがんとう)
西遊記のメインキャラに三蔵法師がいる。
そのモデルとなった玄奘がここで仏教を研究していた。

 

日本にも中国にも仏教、キリスト教、イスラーム教などの宗教はある。
でも中国では「政治>宗教」で、共産党は宗教を管理する立場にいる。

この点が日本とまったく違う。
日本では「政治/宗教」で、たがいに関わってはいけない。

日本は政教分離を原則としているから、政治家が「国内の宗教活動を日本化する」とか「国家の利益に関係する宗教事務の管理を強化する」なんてことは絶対に言えない。
そんなことを言ったら大問題になる。

 

「政治<宗教」のサウジアラビアやイランなどでは、もっとあり得ない。
イスラーム教を国教としている国では、宗教が政治より上にある

イスラーム教の聖典クルアーン(英語:コーラン)が一番上にあって、あらゆる法律はその下にある。
言ってみたら日本の最高法規である憲法が、これらの国ではクルアーンになっているような状態。

憲法もクルアーンも絶対に守れないといけないものだけど、性質はぜんぜん違う。

でもクルアーンは神の言葉。
だから、人間がその内容を変えることは絶対にできない。
でも憲法は違う。
憲法なら国民が変えることができる。

「国民の過半数が賛成したら変えられる」という理屈は、聖書には通じない。
民主主義には限界がある。
神の言葉や国家間の約束などは、民意で変えることはできない。

 

 

「憲法が国の最高法規」という点では日本も中国も同じ。

でも日本と違って、中国は憲法を何度か改正している。

先月もそれが世界的な話題になった。
中国の国家主席の任期は2期(10年)までだったのだけど、憲法を改正してそれがなくなった。
朝日新聞の記事(2018年3月11日)から。

2期目に入った習近平(シーチンピン)総書記(国家主席)の長期政権に向け、憲法上の制約がなくなった。

中国、14年ぶり憲法改正 習氏の長期政権に道

任期の期限がなくなったことで、習主席は「皇帝化した」なんて言われている。
そうなると、宗教活動の「中国化」はますます強くなると思う。

「政治(共産党)>>>越えられない壁>>>宗教」みたいな。

 

次回、中国人の宗教心に大きな影響をあたえた「文化大革命」について書きます。

 

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今まで、東南アジア、中東、西アフリカに旅をしてきました。外国に行って初めて気がつく日本の良さや特長があります。以前、歴史を教えていたので、その経験もいかして、日本や世界の歴史や文化などをテーマに、「読んでタメになる」ようなブログを目指します。