ミートボールはスウェーデン料理だけど、トルコ料理だった。

 

きのうの記事で、スウェーデンについて書きやした。

「なんで日本では、スケートするのに1000円以上かかるんだよっ!」というスウェーデン人の不満や「フィーカ」というスウェーデン文化なんかを書きやした。

くわしいことはこの記事をどうぞ。

スウェーデンを知る!日本での不満・フィーカのコーヒー文化

 

今回もスウェーデンについて書いてきます。
ということで、まずは「石井のミートボールがいま売れてる!」という朝日新聞の記事(2018年5月17日)を見てください。

ミートボールの売り上げが復調し、食品大手石井食品の2018年3月期の純利益は1億9400万円と、黒字転換した。

ミートボール復調 パスタにもお勧め 石井食品が黒字に

 

ミートボールにも”シーズン”がある。
新学期が始まるときや運動会のシーズンにはよく売れる。
でもそれ以外の時期は、ミートボールの売り上げがイマイチ伸びない。

そこで石井は、売れないときに売り上げを伸ばす方法を考えた。

石井がとった戦略は、「ミートボールパスタ」といったミートボールを使った料理をスーパーなどで紹介すること。
これが当たってミートボールは”季節もの”を脱し、売り上げを回復させることができた。
めでたしめでたし。

風が吹くのを待つのではなく、吹かせることを考えて成功した事例。

 

ミートボールは始め、西洋料理ではなくて中国料理風だったらしい。

 

このニュースにネットの反応は?

・ミートボール最近ブームだよね
・和訳すると肉球
・うまいとは思うけどすぐ飽きる
・石井のミートボールとマルシンハンバーグのジャンクさがたまらなく好き
・もうちょっと、あとほんのちょっと美味しくなって欲しい
・スパゲッティにミートボールってカリオストロかよ
・ミートボールとカレーコロッケがあれば弁当はだいたいいける
・IKEAのレストランで食うミートボールがうまいな
マッシュポテトも添えてあって

 

ハイ!最後のコメントに注目!
IKEA(イケア)とは、家具を売っているあのイケアのこと。
イケアは家具を売るだけのところではなくて、食事ができるところもある。

スウェーデン企業であるイケアの名物料理はミートボール。
日本でもおなじみのミートボールは、実はスウェーデン料理だった。

・・・だったのだけど、最近その秘密が明らかにされて、スウェーデン人がショックを受けた。
「私の人生全てがうそだった」と言う人も出るほど。

 

 

「ミートボールはスウェーデンの伝統的な料理」とスウェーデンでは思われていた。

でも、「実はそれはトルコ料理だった」とスウェーデンの公式ツイッターアカウントが発表。

 

「Let’s stick to the facts(事実に目を向けよう)」
スウェーデン人にとっては信じられないことだったらしく、大騒ぎになった。

アメリカCNNは「衝撃が走った」と記事(2018.05.04)に書く。

この発表に対しファンの間には衝撃が走った。「私の人生全てがうそだった」と落胆した様子のユーザーに対し、スウェーデンの公式アカウントは「あまり自分を責めないで。時は今から始まる!」と慰めの言葉をかけている。事実に落胆したり面白がったりする内容のコメントも殺到している。

スウェーデン名物のミートボール、実はトルコ料理だった

 

先ほどのツイッターにはこう書いてあった。

Swedish meatballs are actually based on a recipe King Charles XII brought home from Turkey in the early 18th century.

スウェーデンのミートボールは、国王カール12世が18世紀始めにトルコから持ち帰ったレシピをベースにしている。

このスウェーデン国王カール12世(1682~1718)は、高校の世界史で習うわりと重要な人物。

カール12世

北方戦争を当初は優勢に進めたが、ロシアに大敗して一時オスマン帝国に逃れ、最終的に戦死した。

「世界史用語集 (山川出版)」

カール12世は北方戦争で戦った相手が悪かった。
あのピョートル大帝だったから。

 

スウェーデンでは「ミートボール王」と呼ばれている。
という話は聞いたことがない。

 

このオスマン帝国が今のトルコになる。
オスマン帝国からスウェーデンに戻るとき、カール12世はミートボールのレシピを持って行った。
王はトルコでミートボールに覚醒したらしい。

スウェーデンのミートボールは、ロシアとの北方戦争の偶然の産物だった。

石井のミートボールもいいけど、たまには、イケアで本格的なミートボールをどうぞ。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。