日本人は変わった②弱まるマスコミの影響力。”神の国解散”から。

 

今の日本人は、これまでとどこか違う。

モリカケや財務省のセクハラ・文書改ざん問題、麻生大臣の失言など、いろいろな問題が山ほど出てきて、政権支持率は一時、20%台にまで落ち込んだ。

でも不思議なことに、ここにきて、安倍政権の支持率が上がってきている。

この状況に、ジャーナリストの田原総一朗氏は「与党も野党もメディアも、この初めての状況に、とまどっている」と書く。

「blogos」の記事(2018年05月25日)から。

なぜ国民は、安倍内閣を支持するのか。僕の長いジャーナリスト人生でも、 これだけ問題山積みの内閣が、支持率を下げるどころか、上げるなんてことは初めてだ。

ついに支持率が上がりはじめた安倍内閣、何が起きているのか?

 

なぜ国民は、安倍内閣を支持するのか?

それはきっと、いまの日本で、マスコミの影響力がなくなっているから。
特に18年前の「神の国解散」のときと比べると、本当にそう思う。
2018年のいまは、マスコミの笛で踊り出す市民が本当に減った。

 

 

2000年に「神の国解散」があった。

「神の国」とは、もちろん、カーネル大佐が作ろうとしていた「神の国(ゴッドランド)」のこと。
カーネル大佐は、ケンシロウに「かつて知らぬ間に、これほど近くまで獲物に接近を許したことはない」と言わせたほどのすごいヤツ。

という北斗の拳話はいいとして、2000年におこなわれた衆議院の解散が「神の国解散」と呼ばれている。

このときの総理大臣は森喜朗氏。
この人は失言を連発していた。

なかでも一番有名なのはこれ。
2000年5月15日に森総理大臣はこう言った。

「日本の国、まさに天皇を中心としている神の国であるぞということを国民の皆さんにしっかりと承知していだたく」

 

日本は天皇を中心とする神の国!

この「神の国発言」にマスコミの非難が集中する。
新聞・雑誌・テレビは「けしからん!」「森首相は何を考えているのか?」と、連日連夜”森たたき”をくり返す。
ボクも、このときの日本の空気を覚えている。
マスコミ報道を見ていれば、だれでも「この人が総理じゃダメだ」と思うようになってしまう。

でも、マスコミも、後になってから「あれはやり過ぎた」と思ったらしい。
有名なテレビキャスターだった筑紫哲也さん(故人)が、そのときをふり返ってこう話している。

「今日は、森前総理も見えていますが、森政権時代、我々も『森を潰せ』という戦略で少しやりすぎだったと思っています。一国の総理とメディアの間には、ある程度の緊張感が必要で、ある程度の批判はする。しかし、森さんについてはやりすぎたという反省がある」

Who are you ?捏造報道

 

マスコミから総攻撃を受けた森政権は、支持率を大きく落としてしまう。

これが6月2日の衆議院解散につながったため、「神の国解散」と言われるようになった。

 

 

18年前の「神の国解散」があった時代から考えたら、いまの日本は本当に変わった。

政権支持率が20%台にまで低下した4月ごろには、「安倍政権はつぶれてしまうかもしれない」と感じた。
少なくとも、麻生大臣が辞任することは避けられないと考えていた。
財務省の不祥事と自身の失言で、マスコミから猛攻撃を受けていたから。

田原総一朗氏も「麻生太郎さんは責任を取って金融担当大臣を辞めるものと誰もが思っていた」と書いている。
森元首相のときと同じく、「『安倍を潰せ』という戦略で」報道をしているマスコミはあるだろう。

でも麻生氏は、いまでも大臣を続けている。
なんで麻生大臣は辞めずにすんだのか?

それは、いまの安倍政権を支持している人たちがいるから。
では、どういう層(人たち)が現政権を支えているのか?

いくかの層があるけれど、いまの安倍政権は若い人からの支持が高い。

そのことはこの記事をどうぞ。

韓国紙「支持率は地獄の入口」。安倍首相を支えているのは誰?

*韓国はハッキリ言って、安倍政権がなくなってほしいと考えていた。
だから、「地獄の入口(20%台)」になっても粘る安倍内閣を不思議に思っていた。

 

 

いまの若い日本人はどんな人たちか?
それは、テレビを見ない人たち。

「itmedia」の記事(2018年05月16日)から。

「テレビを持っていないか、1カ月以内にテレビを見ていない」人の割合は、10代後半で14.5%、20代では15.0%だった。一方で、60代は「平日3時間以上、かつ休日3時間以上」テレビを見る人の割合が29.4%、「平日5時間以上、かつ休日5時間以上」というテレビ愛好者も16.3%と全世代で最多だった。

10代後半~20代の6人に1人が「テレビ見ない」 サイバーエージェント調べ

 

いまの10代20代は、スマホやパソコンから情報を手に入れている。
特にスマホの影響力は圧倒的。

2000年に「神の国解散」があったときの日本とはまったく違う。
このときの日本だったら、安倍内閣はの支持率はガタ落ちで、麻生大臣はきっと辞任に追い込まれていた。

この18年の間で、テレビや新聞といったマスコミの影響力は明らかに薄れている。

 

「なぜ国民は、安倍内閣を支持するのか」
「僕の長いジャーナリスト人生でも、 これだけ問題山積みの内閣が、支持率を下げるどころか、上げるなんてことは初めてだ」
「何が起きているのか?」

この答えの一つに、「日本のマスコミが力を失ったから」ということがあるのは間違いない。
ネットでも(だからこそ)その原因を、マスコミ不信や影響力の消失に求める人が多い。

・これだけ煽っても支持率が上がるなんて、マジでマスコミの影響力が落ちてきているんだな。
・内閣の支持上昇に反比例して、マスコミの信用は落ちていると言える。(=゚ω゚)ノ
・それは野党とマスコミの責任だろ
・マスコミが野党を批判しまくれば野党の支持率上がるよ
・簡単なことだよ
政権以上に、野党、マスコミが信用ならないからだろ
・マスコミは、アベ降しをやるのであれば、アベ以上の政治家を連れてこないと。

「神の国解散」を知っている人間から言わせてもらうと、いまの日本や日本人は本当に変わった。

 

スマホゲームの影響で、若い人がお寺に足を運んでいる。
スマホを制す者は、日本を征す。

 

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2 件のコメント

  • メディアリテラシーを主張するマスメディアがネットの影響で信頼度が下がる光景は溜飲が下がる話。ただそれで日本が良くなったわけではなく、過渡期なのだと思っています。
    そしてこちらのブログもその一端を担っているのではと。

  • ネットのおかげで、過去にマスコミがどんな報道をしてきたか分かってしまいます。
    ネットにはいい加減な情報がおおいので、マスコミの役割は大事です。
    マスコミ情報の信頼性や精度が高いことは確かで、このブログでも新聞やテレビからの情報を基にしています。
    ネットで多くの人間にチェックを受けることで、マスコミの情報がより質の高いものになると思いますよ。
    このブログも微力ながら、有益な情報を提供したいと思ってます。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。