日本の「kawaii(かわいい)文化」とは?枕草子の「うつくし」の情緒

 

はじめの一言

「これから何度となくあの美しい長崎市の付近の光景を思い泛べることであろう。あの千姿万容の景色を現す山や谷、そうして自然美というものを初めて知ったあの美しい山や谷は、私の永遠に忘れることのできないものである。
(カッテンディーケ 江戸時代)」

「日本絶賛語録 小学館」

 

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今回の内容

・そもそも「かわいい」ってなに?
・「なにもなにも、小さきものは、皆うつくし」
・日本人の発想「大きいものを小さく」

 

・そもそも「かわいい」ってなに?

着物や鯉のぼりなど、日本の文化は中国に起源をもつものがたくさんある。
知り合いの中国人に「中国とは関係ない日本文化には何がある?」と聞いてみた。
これがその返事。

「中国起源ではない日本文化は、寿司、相撲、カワイイ文化、化粧などは浮かびますね」

今回のテーマは、ここにある日本の「kawaii(かわいい)文化」。
いまカワイイ文化は世界に広がっている。

海外旅行に行けば、タイや台湾などいろいろな国や地域で、ハローキティやドラえもんといった日本のアニメキャラを見かけるし、ポケモンGOは今、世界的なヒットになっている。

これから、「かわいい」の意味や歴史ついて書いていこうと思う。

 

・「なにもなにも、小さきものは、皆うつくし」

「かわいい」の意味を「デジタル大辞泉の解説」で見ると、次の4つがある

1 小さいもの、弱いものなどに心引かれる気持ちをいだくさま。

2 物が小さくできていて、愛らしく見えるさま。

3 無邪気で、憎めない。すれてなく、子供っぽい。

4 かわいそうだ。ふびんである。

 

4は別として、1~3には「小さい」「子ども」という言葉がある。
いまの日本人の「かわいい」のイメージもこれだろう。

これは清少納言がいう「うつくし(かわいいい)」と同じでもある。
覚えてまっか?
平安時代に枕草子を書いた女性ですよ。

 

 

・「なにもなにも、小さきものは、皆うつくし」

日本の「かわいい」を語るうえで、枕草子をかいた清少納言は欠かせない。
「うつくし(かわいい)」は、清少納言の価値観を知る重要なキーワードだ。

それが何であれ、小さなものはすべてかわいい」というのが清少納言の美学であり、それを証明するかのように「枕草子」は、不要に冗長な独白を重ねることなく、短く簡略化されたエッセイの連続から構成されている

(「かわいい論」 四方田 犬彦)

 

ここで、ちょっと古文を復習してみましょう。

中学校の古文で枕草子を習ったと思う。
枕草子の第百五十一段、「うつくしきもの」はとても有名で読む価値がある。
ここでいう「うつくし」は、いまの「かわいい」の意味。

原文

うつくしきもの。瓜にかぎたるちごの顔。すずめの子の、ねず鳴きするに踊り来る。二つ三つばかりなるちごの、急ぎてはひくる道に、いと小さきちりのありけるを目ざとに見つけて、いとをかしげなる指にとらへて、大人などに見せたる。いとうつくし。頭は尼そぎなるちごの、目に髪のおほえるをかきはやらで、うちかたぶきてものなど見たるも、うつくし。

現代語訳

かわいらしいもの。瓜に書いた幼い子供の顔。すずめの子が、人がねずみの鳴きまねをすると跳ねてやってくること。2、3歳ぐらいの子供が、急いではいはいしながらよってくる途中で、とても小さなほこりがあったのを目ざとく見つけて、とてもかわいらしい指でつかまえて、大人などに見せた様子。髪型をおかっぱにしている子供が、目に髪がかぶさっているのにそれを払いもせず、首を少しかしげて物など見ているのも、かわいらしい。

マナペディア

 

平安時代のこの「うつくし(かわいい)」の感覚は、現代の日本人も同じだろう。
日本人だけじゃなくて、世界の人たちが共感するから「kawaii文化」が海外の多くの国で受け入れられている。

改めて書くけど、「kawaii文化」を生み出したのは日本。
ニューズウィークの記事(2,016・8・2号)にそのことが書いてある。

かわいいものに夢中になるのは人類共通の本能だとしても、それを文化にしたのは日本だけだ。

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明治日本が世界に誇った「あじあ号」
これもなんとなく「かわいい」

 

・日本人の発想「大きいものを小さく」

なんで日本だけが「カワイイ」を文化にすることができたのか?
それには、日本人が得意とする「小さくする」ということが関係しているらしい。

この小ささの美学は日本文化に特有なものなのだろうか。
日本人は短歌という世界でも稀なる短詩型を考案しただけでは満足せず、それをさらに小さくして俳句を発明してしまった。
またトランジスタラジオと電卓、ウォークマンといった携帯電気商品を次々と開発し

(「かわいい論」 四方田 犬彦)

 

この本は「ポケットに入るモンスター」の「ポケモン」を日本人が考案したこともふれている。
他にも、「大きい物をコンパクトにする」という日本文化なら「盆栽」がある。

「うつくし」という日本人らしい情緒と「大きいものを小さくする」という発想が「kawaii文化」を生んだのだと思う。

 

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修学院離宮の石
富士山に見立てている

 

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    今まで、東南アジア、中東、西アフリカに旅をしてきました。外国に行って初めて気がつく日本の良さや特長があります。以前、歴史を教えていたので、その経験もいかして、日本や世界の歴史や文化などをテーマに、「読んでタメになる」ようなブログを目指します。