韓国紙と朝日新聞の報道「日本は世界を敵にした」はホント?

 

韓国紙の中央日報が「世界が日本を批判した」という記事(2018年06月29日)をのせていた。

競技場のあちこちからブーイングが出たほか、世界のサッカーファン、メディアも日本の戦い方を酷評している。しかし日本サッカー協会の会長はそのような日本のサッカーを称賛した。

<W杯>世界が批判も…日本協会会長「成熟した、サッカーはこういうもの」

 

これが何のことか分かりますか?
ロシアW杯で日本がポーランドと試合をおこなったとき、日本は最後10分間、ずっとボールを回していた。
この日本の時間稼ぎを、韓国紙は「世界が日本を批判した」と伝えている。

韓国人の読者はこういう記事を好むのだけど、下のような視点も好きだ。

中央日報の記事(2018年06月29日)

<W杯>英BBC、日本のレベル低い競技を指摘…「世界的な笑い者」

「日本は世界的な笑い者」という記事には、日本人として腹が立つ。
だからこうなる。

でも、韓国人の読者なら、「腹立つ」と「すっきり」が逆転する。
韓国の新聞だから、韓国人の価値観・考え方に合った記事づくりをする。
これはしょうがない。

 

韓国紙が「世界が日本を批判」「世界的な笑い者」と報道すれば、日本では、朝日新聞がこんな記事(2018年6月30日)をのせていた。

「規範」守らぬ西野監督 世界のサッカーを敵に回した

有料記事だから全文を読んでいないのだけど、この記事で言いたいことは「日本は世界のサッカーを敵に回してしまった」ということだろう。
そうでなかったら、「見出し詐欺」になる。
この記事の視点や書き方は、先ほどの韓国紙の報道とよく似ている。

 

 

でも、待ってほしい。

「世界が」と「世界のすべてが」は大きくちがう。

韓国メディアには、読者が「日本は敵ばかり」「日本が世界(アジア)中から批判された」と受け止めてしまうような報道がちょくちょくある。
日本でもそんな記事を書くメディアがある。

でも、くわしく見てみると、実際は違っていたりする。
朝日新聞は「(日本は)世界のサッカーを敵に回した」と書くけれど、探してみると、日本を支持する海外メディアはけっこう多い。
これからそれを紹介しようと思う。

このことはサッカーだけではなくて、他の報道でも当てはまる。
「日本はこのことで、世界中で非難されている」「日本が世界とちがう」という記事があっても、それは日本を支持する海外メディアを一切排除している場合がある。

 

 

韓国紙は「英BBC、日本のレベル低い競技を指摘」「世界的な笑い者」と伝えたけれど、同じイギリスメディア「インディペンデンス紙」の報道(28 June 2018)は全然ちがう。

But in a way, it epitomised the way they have gone about the tournament as a whole. Even in defeat here, they have shown an intelligence and courage that has allowed them to make the most of the undoubted luck they have been handed.

World Cup 2018: Japan strangle match in farcical stand-off with Poland to reach round of 16 by back door

 

「they have shown an intelligence and courage」と、日本代表は「知性と勇気を見せた」と書いている。

「日本は世界のサッカーを敵に回した」という報道しか知らなかった人には、この指摘が意外。
ネットにはこんな反応があった。

・BBCと違って冷静だな
・あれ?海外では批判しか無いって報道見たけど?
・まあいろんな意見あるし正に賛否両論ある内容だよな
・テレビでは海外メディアも大ブーイングばかりと報道してるけどこれはスルーなんだろうな
・色々な意見があっていいんじゃないですか
民主主義の本場ですね
・これ日本のマスコミ報道した?
・痛い痛いアピールして時間稼ぎ、立てないほど痛がってるのにプレーが始まると普通に走り出す
海外サッカーのが日本より酷いけどね

 

ここまで積極的な評価をしなくても、日本のしたことに理解するイタリア人のサッカー関係者もいる。

フットボールチャンネルの記事(2018年06月29日)から。

試合の終わらせ方についてオルシ氏は「正直なところあまり好きではないが、リスクを冒さないためにこの選択をした意味はわかる」と理解を示している。

伊解説者が柴崎を絶賛「日本の頭脳」。日本の”談合試合”は「あまり好きではないが…」

 

たしかに日本人のボクから見ても、時間稼ぎのパス回しはつまらない。
あれがいいとは思わない。
でも、あれはルール内の戦術だ。

この他にも、日本代表を認めた海外メディアはある。
スペインメディアの「Marca」は、あのパス回しを西野監督の戦術と評価している。

 

 

FIFA(国際サッカー連盟)は、日本のパス回しをどう見たか?

デイリースポーツの記事(2018.06.29)で、FIFAの副事務局長は日本のフェアプレーを評価していた。

スポーツ精神に則ったものだ。ファウルを多く犯したというのにも二つの意味があって、プレー中に困難だったためファウルを犯さざるを得なかったもの。そして暴力的、もしくは反スポーツ精神の態度をとったというもの

ボバン副事務局長 フェアプレーPは「スポーツ精神に則ったもの」日本を祝福

こう話したうえで、「日本を祝福する」と述べている。

 

先ほどの韓国紙や朝日新聞の記事では、日本を評価した海外メディアやFIFA副事務局長の声をのせていない。
朝日新聞の記事は全文を読んでいないから、想像だけど。

このことに加えて、日本は今回参加した国のなかで、犯した反則の数はもっとも少なかった。
全体的に見れば、”一番フェアでクリーンな戦い”をしたのは日本だ。
だからFIFAはそのことを「スポーツ精神に則ったもの」と評価して、日本の決勝トーナメント進出を祝福している。

 

 

「世界が日本を批判」
「世界的な笑い者」
「世界のサッカーを敵に回した」

サッカーに限らず、これからもこういう報道はおこなわれる。
「日本は世界から非難されている」という結論が先にあって、それに合った情報のみを取り上げて記事を構成する。
とくに韓国メディアの日本関連の報道で多い。

でも、世界にはいろいろな価値観や考え方がある。
「世界が」と「世界のすべてが」は、まったくちがう。
「日本は世界で~」という報道があっても、よく探してみると、世界にはその反対の意見もある。
だから、「日本は世界を敵にした」なんて記事には注意したほうがいい。

 

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今まで、東南アジア、中東、西アフリカなど27の国・地域に旅をしてきました。以前、中学生に歴史を教えていた経験もあります。 また、日本にいる外国人の友人も多いので、彼らの目から見た日本も知っています。 そうした経験をいかして、日本や世界の歴史・文化・宗教などをテーマに、「読んでタメになる」ブログを目指しています。