アメリカで広がる慰安婦問題:沈黙するより抗議と説明を!

 

きのうの中央日報に、こんな記事(2018年08月01日)があった。

日本の大阪市が米国サンフランシスコの公園に設置された慰安婦像を今後も維持する場合、姉妹都市提携を解消すると迫った。

「慰安婦像を撤去しなければ姉妹提携解消」 大阪市、米サンフランシスコ市をまた圧迫

 

ここには「慰安婦像を今後も維持する場合」と書いてあるけれど、もっと正確に言うと「慰安婦像を市の公共物として維持する場合」だ。
大阪市長は像そのものより、サンフランシスコがこれを市有物にすることを問題視している。

というのはこの像には碑文があって、そこに書かれている内容は歴史をゆがめたもので、日本を侮辱するものだったから。

そのことについて、読売新聞が社説(2017年11月17日)でこう非難している。

「性的に奴隷化された数十万の女性と少女の苦しみを証言するもの」「ほとんどが捕らわれの身のまま亡くなった」。碑にはこうした文言が刻まれている。

史実を歪曲した内容だと言うほかない。旧日本軍が慰安婦を強制連行したかのような誤った印象を与える。

「米国の慰安婦像 姉妹都市解消はやむを得ない」

 

慰安婦像をふくめてこの碑文を公共物にするということは、サンフランシスコ市が歴史のわい曲を認めることになる。

ここまで一方的なことをされたら、信頼関係はなくなってしまう。
姉妹都市関係が解消されても仕方ない。
大阪市が歴史のねつ造を認めるわけにはいかないし、アメリカで広がる慰安婦問題の誤解に対して、沈黙してもいけない。

 

 

大阪市長はもちろん、サンフランシスコ市との友好を望んでいてこう話す。

「像と碑を市有物でなくすことにより、これまでどおり友好的に交流できる」
「新市長のお考えが前市長と変わらないなら、姉妹都市関係を解消せざるをえない」

歴史をゆがめておいて、市民が友好的に交流できるか?
それは無理。

要は像と碑文を公共物に指定しなければいいだけのこと。
今年9月末までにサンフランシスコ市が回答しなかったら、姉妹都市は解消されることになる。

すべてはサンフランシスコしだいだ。

 

 

去年、大阪市長が姉妹都市の解消を発表したときは、それに異議を唱える人がたくさんいた。

例えば、アメリカ在住のジャーナリスト冷泉彰彦氏は、ニューズウィーク誌のコラム(2017年11月16日)でこう書いている。

「姉妹都市関係の解消」というような荒っぽい方法は、逆効果の危険性が大き過ぎると考えられます。(中略)大阪市としてはくれぐれも慎重に対処することを願います。

サンフランシスコ「従軍慰安婦像」への大阪市対応は慎重に

 

姉妹都市解消に反対するのなら、アメリカに広がる誤解はどうするのか?

「性的に奴隷化された数十万の女性と少女の苦しみを証言するもの」
「ほとんどが捕らわれの身のまま亡くなった」

これには見て見ぬふりをして、姉妹都市関係を続けるべきか?

そのことについて冷泉彰彦氏はこう言う。

これは、歴史研究の専門家が粛々と行えば良いことです。今回のサンフランシスコの碑文にも「何十万人」という数の誇張や「多くは拘束されたまま死亡」といった事実関係の問題がありますが、その訂正も「政治化する」ことを避けて静かに行うべきです。

 

「粛々と行えば良い」、「『政治化する』ことを避けて静かに行うべき」という態度をとれば、この問題はなくなるだろうか?

無理!
むしろ逆で、きっと慰安婦問題の誤解がさらに広がってしまう。

結局この人は何もしないし、具体的な方法も示さずただ「話し合い」で解決できるわけがない。
日本がいままで積極的な対応をしてこなかったことが、今回の事態を招いた原因のひとつになっている。

そもそも慰安婦像と碑を公共物に決めたサンフランシスコ前市長は、大阪市長との話し合いに応じていなかった。

 

そして専門家が「粛々と静かに」とか言っている間に、フィリピンにも慰安婦像が建ってしまった。
このとき日本はフィリピン側に猛抗議したことで、像はそのあと撤去されている。

相手がおかしいことをしたら、抗議すればいい。
それで壊れる友情なら、その程度のものだったということ。
言いたいことを言える状態こそが友好関係だ。

 

 

この問題についてはシカゴ大学教授の山口一男氏も、「米国での日本のイメージを悪化させる」と大阪市長を非難していた。

「huffingtonpost」のコラム(2017年11月28日)では、大阪市長がサンフランシスコに謝罪することを求めている。

大阪市は関係解消手続きが今からでもできるなら中止し、さもなくば近い将来サンフランシスコ市に今回の非礼を謝罪した上で、姉妹都市関係を復活させることが望ましい。

大阪市の決定の反国際性―サンフランシスコ市との姉妹都市関係解消の意味すること

大阪市のおかした非礼ってなに?
史実のわい曲は日本への非礼ではないと?

こんな感じに、大阪市長を非難する日本人は多くいる。
「大阪市は強く抗議するな」と。

でもここは、大阪市の決定を支持するべき。

 

ただ、上のような専門家がいる一方で、アメリカのテレビ番組に出演して、日本の立場をアメリカ社会に訴える人もいる。
下の番組で、ジャーナリストの小森義久氏は「軍の方針として彼女らを強制はしなかった」と強制連行説を明確に否定した。

著作権の問題で動画をここに貼れないから、これをクリックして見てほしい。

COMFORT WOMEN ISSUE 慰安婦問題(07年 米TV番組から)

 

慰安婦問題にかかわることで日本が強く抗議すると、それを不快に思う日本人がたくさんいる。
でも大切なことは黙っていることではない。
古森氏のように、現地の人に日本の立場を説明することだ。

 

「comfort women issue」でユーチューブを検索すると、慰安婦問題の動画が山のように出てくる。
「少女が日本軍に強制連行された」「日本軍人の性奴隷にされた」という韓国側の主張を訴えるものが多く、コメント欄もそれを支持している。

「歴史をゆがめたり無視したりしてはいけない」
「日本はなんて恥知らずなのか?」

こうした声に日本人が沈黙していれば、全世界で誤解が広がってしまう。
歴史のわい曲に対しては、姉妹都市の解消など抗議の意思を強く伝えるほうがいい。

 

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2 件のコメント

  • 日頃は日本人の物言わぬ姿勢を批判するような欧米礼賛の方々が、慰安婦問題で発言を慎しむように促すのは面白いですね。
    今話題のLGBTについても古今東西さんにコラムで取り上げて欲しいです。私は日本人の問題解決の方法が欧米とは違っても、一つの解として間違っているとは思っていません。
    LGBT問題を欧米的なやり方で解決しようとすれば、日本でLGBTの方々への強い視線は固定化されてしまいますから。

  • 「強制連行はあった」「性奴隷にされていた」と主張していた人たちは、それを否定されるようなことを言われると困るのだと思います。
    だから、何とかそうさせないために、実質的に「日本は黙っていろ」と言うのでしょうね。
    LGBTは、なにか一部勢力の反政府運動に利用されているような気がします。
    これも興味があるのですけど、他に書きたいテーマがいろいろあるので、記事にするのは先になると思います。

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    今まで、東南アジア、中東、西アフリカなど27の国・地域に旅をしてきました。以前、中学生に歴史を教えていた経験もあります。 また、日本にいる外国人の友人も多いので、彼らの目から見た日本も知っています。 そうした経験をいかして、日本や世界の歴史・文化・宗教などをテーマに、「読んでタメになる」ブログを目指しています。