イスラム教とは④ここに注目!お寺は仏像、モスクはミフラ―ブ

 

はじめの一言

「農民とその家族は快適な外見の、よい家に住んでいるし、いい着物を着、十分な食事をとり、幸せで満ち足りた顔つきをしている
(フォーチュン 江戸時代)」

「逝きし日の面影 平凡社」

 

 

今回の内容

・お寺で、とってもとっても大事なところ:金堂
・モスクで、とってもとっても大切なもの:ミフラーブ

 

・お寺でとってもとっても大事なところ:金堂

お寺でもっとも大事な建物は?

ふつうは、「金堂(こんどう)」じゃないかな?

【金堂】

日本の寺院の伽藍(がらん)配置の中心をなす建物で、本尊を安置する堂。本堂。

(デジタル大辞泉の解説)

 

仏さまがいるところだから。
まあ、必ずしも仏というわけではないけどね。
ところで、仏さまがいるところは何で金堂と呼ばれるのか?
それには、こんな理由がある。

金堂(こんどう)

飛鳥や奈良など、古い時代に建てられたお寺では、中心的なお堂のことを「金堂」と呼んでいます。
これは経典の中の‘お釈迦さまの姿は本来金色に輝いている’という記述をうけて、本尊(仏さま)を祀ったお堂を金堂と呼ぶようになったのです。

(お寺の基本 枻出版社)

ということで、「仏さまの身体が金色だから」ということになる。
これが本来の仏さまの身体の色。

 

タイやミャンマーに行くと、仏像が金色にキラキラしている。
最初は、「何でこんなに派手なんだろう?」と思ったけど、本当はそれが正しい。

日本の仏像には金箔がなくて、そのままの木造になっている。
でも、これは本来の仏さまの姿からは離れた「日本人好み」の仏像なんだろうね。

 

タイの仏像
こんな感じで座っているのは、たぶん弥勒仏(みろくぶつ)。

 

ちなみに、本堂(ほんどう)は金堂と呼び方がちがうけど、同じくお寺の中心的なお堂。

寺院の中心的な堂を指して「本堂」あるいは「金堂」ということが多い。
「金堂」が飛鳥時代から平安時代前半にかけての古代創建の寺院で多く使われているのに対し、「本堂」は宗派にかかわらず、古代以降も含め広く使用される。

(ウィキペディア)

ふつうお寺に行ったら、この金堂に行って仏像に手を合わせる。

ここがイスラーム教とは大きくちがう。
モスク(イスラーム教の礼拝所)では、この仏像にあたるものがない。

 

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広隆寺の弥勒菩薩像

 

・モスクで、とってもとっても大切なもの:ミフラーブ

イスラーム教では、仏教でいう仏像やキリスト教でいう神像がない。

偶像崇拝が禁止されているから。

偶像崇拝の禁止

イスラームにおいては偶像崇拝の禁止が徹底されている。イスラームは神の唯一性を重視するため、預言者の姿を描く絵画的表現は許されない。

(ウィキペディア)

前にも書いたけど、この理由は、偶像を崇拝するという行為は神(アッラー)の神聖をけがすことになるかららしい。

 

神は万物をつくった存在であるのに、神の被造物の1つにすぎない像を拝むなど、途方もない瀆神行為である

(イスラム原論 小室直樹)

 

「イスラーム教では偶像崇拝が禁止されている」と、高校生のころ世界史で習った。
そのときに、こんな疑問がわいてきた。

モスク(イスラーム礼拝所)で、イスラーム教徒は土下座のようにして頭を下げている。
像がないとしたら、あれは何に対してお祈りをしているのか?

もし、お寺の金堂に仏像がなかったら、何に対して手を合わせていいのか分からない。

 

この答えは、「メッカに対して」。
モスクには仏像も神像もないけれど、必ずミフラーブという「窪(くぼ)み」がある。
これは、イスラーム教の第一の聖地「メッカ」の方向を示している。

ミフラーブ

モスクのキブラ壁(カアバの方向を示す礼拝堂内部正面の壁)に設置された窪み状の設備。 モスクにはマスジド・ハラームを例外として必ずある。
モスクはキブラに礼拝するためのものなので、あえていうならばミフラーブがあればそれでモスクなのである。

(ウィキペディア)

このくぼみがモスクにとって、とっても大事なものになる。
これがないとメッカの方向が分からないから。

 

ということで、モスクに行ったら必ずこのミフラ―ブを見よう。
ここは大事で神聖なところだから、一番美しく飾られていることが多い。
お寺にとっての仏像ぐらい、大事なもの。

キブラ (メッカの方向) を示すもので,アーチによって縁どられ,大理石,スタッコ (化粧漆喰) ,タイル・モザイクなどによって,美しい装飾が施されるものが多い。

(ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典)

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パキスタンのモスク(記事の上の写真)のミフラ―ブ

 

さて、「アジアミュージックフェスティバル」にあった簡易モスクについて。

 

さすがにここには「くぼみ」はなかった。
けど、それに代わる矢印があった。

くぼみは、あくまで「メッカの方向を示すためのもの」。
だからくぼみがなくても、メッカの方向が分かるものがあればいい。
矢印だけでも、ミフラ―ブの代わりになる。

この簡易モスクにあった矢印はこんなもの。

「キブラ」と書いてある。
先ほどのウィキペディアの記述にあったもの。

 

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オマーンの航空機の機内映像。
飛行中にもメッカの方向が分かるように、矢印がある。

また、バングラデシュのホテルの部屋には、メッカを示す矢印があった。
ホテルの部屋からお祈りができるように。

 

ということで、イスラーム教徒にとってメッカの方向が分かるこのミフラ―ブ(矢印)は、とってもとっても大事なもの。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。