2018年の今、日本人と韓国人は互いの国をどう思ってる?

 

3か月前、朝鮮日報にこんな記事(2018年06月18日)があった。

韓日の相互好感度逆転、「韓国の印象良い」と答える日本人減少

韓国としては、「マジか!」とショックだったはず。

このところ、韓国では日本の印象は良くなりつつある。
「日本の印象は良い」と答える韓国人は3年連続で増加中だ。
それに対して、「韓国の印象は良い」と答える日本人は減少傾向にある。

そして今年はとうとう日韓で「逆転現象」が起きた。
「韓国の印象は良い」という日本人より、「日本の印象は良い」という韓国人のほうが多くなってしまう。
韓国では日本に対する好感度は上がっているけど、日本では韓国に対する好感度は下がるばかり。

いくら韓国人が楽天的でも、これを見て「今が最低なら、これ以上下がることはない。来年が楽しみだ」と言うお花畑(能天気)な人はいないと思う。

 

では、内容を具体的に見てみよう。

日本の印象を「良い」と答えた韓国人は、2016年は21.3%、17年は26.8%で、今年は28.3%だ。
それに対して韓国の印象を「良い」と答えた日本人は、16年は29.1%、17年は26.9%となって、今年は22.9%だ。
2.2%減から4%減と、日本では韓国の印象が確実に下がっている。
「お花畑な人はいない」と書いた理由がこれ。

この調査の期間や人数など、くわしいことは上の記事を検索して見てほしいっす。

 

 

では次に、その理由を見ていこう。
相手の国の印象が良くない理由の1位は「歴史問題」だ。
まあ、そうだろうね。

歴史問題によって「あの国、印象悪いよねー」と思う韓国人は70.0%で、日本人は69.3%。
日韓でほぼ同じ。
いまの日本人と韓国人にとって、相手の国の印象に、一番大きな影響をあたえるのは「歴史認識の違い」とみていい。

では、好感を持つ理由はなにか?
韓国人は「日本人の親切で真面目な国民性」(73.5%)が1位で、日本人は「韓国文化に関心があるため」(50.7%)が1位という結果だった。

韓国人の場合、歴史認識と人間性を切り離して考えている。
韓国人は日本人に対して、「人として接したり知ったりすると好感を持てるけど、政治的なことでは嫌い」というイメージがある。

 

設問が分からないけど、日本人の1位は、ほとんどが韓流好きの人だと思う。
ふつうの日本人で、「韓国文化に関心がある」という人がどれだけいるか?

試しに、ボクのまわりの日本人に聞いてみた。
「韓国にどんな印象があるか?」という質問に対して、一番多い答えは「特にない」。
良いも悪いもない。あまり印象がないのだ。

韓国文化もほとんど知らなかった。
「キムチ」「焼肉」「化粧品」「サウナ」ぐらいなもので、韓国の伝統文化については「さて?何だろう?」という状態。

韓流好きの人ならいくらでも話せるだろうけど、一般の日本人の理解はこのぐらいだと思う。

丹青(タンチョン)や高麗青磁といった韓国の伝統文化を知ってる日本人は少ない。
同じ古都でも、京都を知ってる韓国人は多いけど、慶州(キョンジュ)を知る日本人は少ない。

 

 

いま日本人と韓国人では、互いの国への関心や理解のちがいがすごくある。

韓国人にとっては、日本人の「親切で真面目な国民性」が好感度1位の理由だった。
でも、日本人に韓国人の国民性を聞いたらどうか?
「さて?」と首をかしげる人が一番多いと思う。

友人に聞いたら、「分からない。歴史や領土問題で、よく文句を言う人たち?」という答えが返って来た。
その質問にしっかり答えられるほど、韓国人のことを知らなかった。

 

今の日本人は韓国に対して、一部の好きと嫌いが極端に分かれていて、圧倒的多数はその間にいる「ほぼ関心ない」という人たちだ。

この前のアジア大会のサッカー日韓戦でも、そんなことを思った。
韓国人はこの試合に大注目したけど、日本人はほぼ無関心。
それは、両国のテレビ放送のあつかいを見ればわかる。
韓国では地上波放送局の3局がこの試合を中継して、合計視聴率は57.3%だった。

それに対して、日本では地上波以前に中継もない。
BSで録画放送を流すのみ。
韓国人は大興奮だったけど、日本人はこの試合に興味がなかったのだ。
もちろんゼロではなくて、BS録画放送ぐらいの関心はあった。

 

 

国民性・文化・スポーツ・政治問題(領土や歴史問題)など、全体的に韓国人は日本に強い関心がある。「夢中かよ」と思ってしまうほど。

でも日本人はちがう。
日本国民全体でみれば、韓国への関心は低い。
韓国人の日本への関心の強さとは、比べものにならない。
韓国に関心がないというより、中国やアメリカなど他の国にも注目するから、韓国は「多くの国の中の1つ」という認識なんだろう。

「韓日の相互好感度逆転、「韓国の印象良い」と答える日本人減少」の理由は、韓国嫌いの日本人が増えたというより、韓国に関心がなくなった人が増えたのだと思う。

 

日本人と韓国人の関心の深さのちがいは、新聞にも表れている。
韓国紙では、国際ニュースに「日本」が独立してある。
日本についてのニュースはそれほどたくさんあるし、読者に読まれるから。

 

中央日報も「韓日」を特別あつかいしている。

 

でも日本の新聞には「韓国」も「日韓」もない。
韓国のことも国際ニュースにふくまれるから、あえてそんな項目をつくる必要がない。
読者もそこまで韓国には注目していない、ということになる。

読売新聞の紙面
「韓国のニュースは国際ニュースのなかの1つ」というあつかいだ。

 

こちの記事もどうですか?

興奮の韓国と冷静の日本。サッカー日韓戦で反応が違いすぎ。

国 「目次」 ①

韓国 「目次」 ②

韓国 「目次」 ③

 

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ①

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ②

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ③

 

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ABOUTこの記事をかいた人

今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。