「韓国の国民感情を考慮せよ」→思いやりの国・日本の対応は?

 

はい、英語の勉強です。
次の英文を日本語にしやがれ。

Japanese peope are very considerate.

答えは「日本の人たちは、とても重い槍がある」でした。
たしかに、たいていの日本人はロンギヌスの槍を持っている。
・・ということはなく、この英文は「日本の人たちはとても思いやりがある」。

 

considerateは「思いやり(気配り・配慮)のある」という意味。
外国人に、「日本人をどう思うか?」と聞くと、よく「Japanese peope are very considerate」という答えが返ってくる。

じゃあ、どんなときにそう感じるのか?

友人の韓国人は日本に来て、トイレットペーパーの三角折りに感動した。
彼いわく、

「韓国人なら、トイレで次に来る人のことなんて考えません。日本人はこういう気配りがすごいです」

 

 

インド人はマクドナルドで、こういうストローのさし方に感心した。
客が吸うところには、従業員が触れないようにさす。

 

日本人は相手のことをよく考える。
そのうえで行動するから、「Japanese peope are very considerate(日本の人たちはとても思いやりがある)」という印象を受ける外国人は多い。

日本人のconsiderateは、一般人から国家のレベルで見ることができる。
最近もそんなことがありやした。

 

今月10日から、韓国の済州(チェジュ)で韓国海軍による国際観艦式が開かれる。

日本の海上自衛隊も韓国に招待されたから、その式に参加する予定だった。
でも、海上自衛隊の艦船がかかげる旭日旗に、韓国国民が「戦犯旗だ!」と大反発。

旭日旗なだけに、フラグが立ってしまった。

でも法律によって、海上自衛隊は旭日旗をかかげることになっている。
海上自衛隊にとってこれは義務。
だから、旗をかかげないといけない。
海上自衛隊の幹部も「国籍を示す自衛艦旗は国の主権の象徴でもある」とし、旭日旗を降ろせという韓国の要求は「非常識かつ礼儀を欠く行為で受け入れられない」と言う。

 

でも「近くて遠い国」では、常識が非常識に変わる。
韓国の常識では、日本の主張は認められない。
「韓国で旭日旗をかかげることは、絶対に許さない!日本は旭日旗を降ろせ」と反日感情が高まる。

韓国で国民感情は無敵だ。
ロンギヌスの槍は通じないし、政治家もマスコミも逆らえない。
ということで韓国政府は国民を説得するのではなく、日本に「配慮」を求めてきた。

中央日報の記事(2018年10月01日)から。

外交部当局者は30日、「韓国政府は外交ルートを通じて日本側に旭日旗に対する韓国国民の感情を積極的に考慮に入れる必要があることを伝え

観艦式の旭日旗 韓国外交部、日本に「韓国国民の感情を考慮せよ」

「考慮せよ」という言い方を考慮せよ。

 

首相も日本に、韓国国民へ配慮するよう訴えた。

中央日報の記事(2018年10月02日)で、李洛淵(イ・ナギョン)首相はこう言っている。

植民支配の痛みを記憶している韓国人の心に旭日旗がどんな影響を与えるか、日本も繊細に考慮する必要がある

韓国首相「日本は韓国人の心に旭日旗がどんな影響を与えるか繊細に考慮を」

 

この記事では、他にこうも書いてある。

「外交部も駐韓日本大使館など外交ルートを通じて韓国の国民感情を勘案するよう求める旨を伝達している」

さあ、日本はどうすればいいのか?

韓国の国民感情に配慮して、旭日旗を降ろすか。
それとも、法にしたがって旭日旗をかかげるか。

 

 

結局日本は、韓国で行われる式典には参加しないことを決めた。
だから、旭日旗を降ろすこともかかげることもない。

日本政府には、韓国人が怒っても旭日旗をかかげて参加するべき、という意見もあったけど、最後は韓国のメンツを立てることにした。

産経新聞の記事(2018.10.5)から。

政府内には、自衛艦旗を掲げ観艦式に参加する強硬論もあったが、見送った。外務省幹部は「主催国である韓国の顔をつぶさないための、せめてもの措置だ」と語る。

無理筋の自粛要求 自衛艦 韓国派遣中止

 

最後の最後、日本は韓国のプライドを考えて自分から退いた。
やっぱり日本人は「very considerate」だったのだ。

今回はそれで正解だったと思う。
旭日旗を降ろすことは絶対にダメだけど、「強硬論」を通した後の混乱を考えれば不参加でいい。

こういうことはよくある。
日韓が対立すると、日本は思いやりを発揮して一歩ゆずる。
具体的な内容は、この産経新聞の記事(2015.1.15)を読んでほしい。

日本は過去の経験から、韓国にいくら譲っても結局、ゴールポストを動かされるだけだと見切った。

「動くゴール」韓国に日本は冷めた視線… 歴史問題で欧米からも疑いの目

相手に配慮することもいいけど、それが有効かどうか考慮することも大事だ。

 

国民感情なら日本にもある。
日本は旭日旗を堂々と掲揚することもできたけど、韓国の顔をつぶさないためにそれはやめた。
そういう日本の思いやりを、韓国側も知ってほしい。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。