アフリカ(エチオピア)の民族文化「唇に皿」・日本との関係

 

はじめの一言

*日露戦争について

「アジアにおいて日本だけが、ある日突然、ヨーロッパが世界を制覇したその同じ力をもって、ヨーロッパに逆襲できると考えたのです(タゴール 明治時代)」

「日本賛辞の至言33撰 ごま書房」

 

真ん中にいるのが乃木希典(のぎまれすけ:1849年- 1912年)
軍人で教育者。
日露戦争で旅順攻囲戦の指揮をしたことで有名。
乃木神社や乃木坂もこの人に由来する。
「乃木坂46」ももとをたどれば乃木希典にいきつく。

 

今回の内容

・日本とエチオピアの関係
・唇にお皿を入れるムルシ族の文化

 

前に、ミャンマーの少数民族「チン族」の文化を紹介した。
女性の顔に入れ墨をいれるというもの。

 

 

これは、美しく見せるためではなくて、その逆。
「わざと顔を醜くするため」という目的でおこなわれていた。
まあ、くわしくは記事をみてちょうだい。

民族文化とは:日本のお歯黒とミャンマー、チン族の顔入れ墨

 

これと同じような理由で、独特の文化をもっている民族がアフリカのエチオピアにいる。

エチオピアはアフリカ最古の独立国で、サハラ以南のアフリカの国では、ナイジェリアに次いで二番目に人口が多い。
日本と関係でいうと、17世紀の江戸時代にアルメニア人の商人が「エチオピア諸王の大使」としてインドネシアから天皇にシマウマを二頭贈った。この返礼として日本は銀と衣類を贈ったという。

日本では明治時代、1931年に制定されたエチオピア初の成文憲法「エチオピア1931年憲法」を大日本帝国憲法を参考につくられている。
明治時代の日本憲法がアフリカにまで影響を与えていたとは!

あと意外なところでは、エチオピア皇族と日本人女性との結婚話もあったのだ。

黒田雅子とアヤラの結婚話(1931)

昭和6年(1931)1月19日、千葉県の久留里城主の家柄である黒田子爵の次女雅子さん(1912-1989)と、エチオピア皇帝の甥であるアラヤ・アベベ(Araya Abebe)殿下との結婚が決まりました。

でも、いろいろあってこの話は破談になったけどね。

 

このエチオピアを旅行した人から話をこんな話を聞いたことがある。
エチオピアで、バスに乗って移動していたときのこと。

めちゃくちゃ暑かったからバスの窓を開けたところ、まわりのエチオピア人から叱られたという。

「窓を開けるな!窓から悪霊が入って来るだろ!」

彼は、「目が点」になったらしい。

このことは、下のブログ(上の人とは別の人)にもある。

窓を開けると悪霊がはいってくる国エチオピア。

 

この「悪霊文化」はエチオピアに独特のものだけど、他にも独自の文化をもっている少数民族がいる。
それが、「ムルシ族」と呼ばれる民族。

 

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ひと目見たら、もう忘れられない強力なインパクト!
唇に入れるこの皿は、「デヴィニヤ」と呼ばれている。
ではなんで、ムルシ族は唇を広げてこのデヴィニヤを入れているのか?

次のような理由によるらしい。

数百年前に未だ奴隷貿易が盛んだった時期に遡る
奴隷として、綺麗な女性からどんどん連れていかれることから、ムルシ族の女性は唇にこのデヴィニヤを入れることで、醜くなろうとした
奴隷として連れていかれないため

だからこそ、ムルシ族はお皿が大きいほど美人とされる
それが今も文化として残っている

なりたくて醜くなる人々

 

このことは、別のサイトにも書いてある。

ムルシ族の女性は、思春期から結婚へ向かう(15歳から16歳くらい)時に、唇に「デヴィニヤ」と呼ばれる土器で作った皿をはめ込む。
これらの皿は成長するにしたがってだんだん大きなものに換えていく。
ムルシ族の価値観では大きな皿をつけているほど美しい女性とされ、結婚する時の結納に交わされる牛の数も多くなる。
この皿は男性の前ではとってはいけないものとなっているが、最近ではエチオピア政府からの指導もあり普段はずしている人も多い。

ムルシ族(エチオピア)

 

唇にいれてあるお皿が大きいほど、美しい。
それによって、結婚の条件も良くなる。

 

これは、ミャンマーのパダワン族「首長族」と同じだ。
長い首ほど「美しい女性」とされている。
首輪をつけて首を長く見せることで、良い条件で結婚できるというところも似ている。

 

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ミャンマーの首長族

 

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では、ムルシ族はなんで唇にお皿を入れるようになったのか?

デヴィニャのもともとの起こりは数百年前奴隷貿易が盛んな時代、自分を醜く見せることにより商品価値を無くし、さらわれることがないようにしたことが始まりだと言われている。

ムルシ族(エチオピア)

 

「自分を醜く見せることにより商品価値を無くし、さらわれることがないようにした」ということであれば、これは先ほどのチン族と同じだ。

顔に入れ墨をいれてわざと醜く見せて、さらわれないようにしていたというもの。

 

世界にはいろいろな文化をもった人たちがいる。
世界はひろい!
だから、面白いんだよね。

ムルシ族の画像は、「MaSaTo 世界一周学校」から。
Special Thanks!
知らない人は、このブログをのぞいてほしい。
とにかく、行動力がすごい。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。