コモドオオトカゲの謎。生息地が広がらない“ほのぼの”理由

 

上の生き物はみんな大好き「コモドオオトカゲ」。
世界最大のトカゲで、成長すると体長3メートル、体重140キロにもなる。
まさにトカゲ界の王。

見てのとおり体は固いし重い。
でも速いのだ。
100メートルを20秒以下で移動することができるというから、追いかけられたらけっこうヤバい。

おまけに毒を持ってるし肉食だから、偶然街で出会ったらすぐ逃げた方がいい。
本当にレアなケースだけど、襲われて人が死ぬことがある。
2009年にはインドネシアで、ジャングルに入った男性が足にかみつかれた。
病院に運ばれる途中でその男性は亡くなってしまう。

くわしいことはAFPの記事(2009年3月25日)をどうぞ。

コモドオオトカゲにかまれ男性死亡、インドネシア

 

あんまり関係ないのだけど、昭和17年にコモドオオトカゲは日本に運ばれて天皇皇后両陛下がご覧になっている。

御内庭にて両陛下御覧遊ばさる。聖上の仰せには「コモドエシス」と云ふとかげの一種なりと。御覧後、動物園に御下げ渡しとなる。

『城英一郎日記』城英一郎著/野村実編

「聖上」とは天皇陛下のこと。

 

このコモドオオトカゲには「謎」があった。
生息地がとても狭いのだ。
この地図にあるように、インドネシアのごく一部にしか生息していない。

 

コモドオオトカゲは1日に10㎞以上も移動することができる。
意外と頑張り屋さんで、長距離移動が可能だ。
それにあの強さだから、天敵もほとんどいない。
なのになんで、生息範囲は広がらないのか?

一部のコモドオオトカゲ・マニアの間ではこれが謎だったらしい。
でもついに研究の結果、その理由が明らかになった。

ナショナルジオグラフィックの記事(2018.11.21)によると、コモドオオトカゲは生まれ育った土地から離れない「地元志向」の生き物だったのだ。

最新の研究によれば、このトカゲたちは、地元での生活に大変満足しており、生まれ故郷からはほとんど出て行かないことがわかった。

コモドドラゴンの生息地が広がらない意外な理由

人間をも殺すトカゲ王のわりには、小さなことでよろこびを感じている。

 

コモドオオトカゲを別のところに連れて行くと、数カ月かけて元の場所へと戻って行ったという。
どうやら、新しい土地に行くのはコワいらしい。
もし、たどり着いた先に十分な食べ物がなかったら、彼らは死んでしまうかもしれない。
そんな危険を冒すより、知ってる土地にいたほうがメリットが多い可能性があるという。

未知の可能性に挑むより、いつもの確実さを優先する。
そのビビり具合は気に入った。

そんなコモドオオトカゲにネットでも共感を感じる人がいる。

・引き篭もりとかお前らの仲間だな
・引きこもりドラゴン
・マイルドヤンキー的な
・その地域で最強であるなら、他所へ逃げる必要がない
そして人間の中で一番遠い場所まで来たのが日本人なのだ・・・
・こんなんが各地で繁殖したら熊より怖いわ
・イギリスの写真家がコモドの群れに食われて、カメラだけが残ってた
という話を聞いて、コモドには近づかないようにしてる

どうだろう?
少しはコモドさんとの距離が縮まった気はしないだろうか?

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。