【好きだけど大嫌い】韓国社会の「倭色(日本文化)」とは?

 

いまや世界中に和食はあるけれど、「倭色」なんてものがあるのはお隣さんだけ。

韓国で「倭色(ウェセク)」といえば、「和風」や「日本的なもの」という意味。
でも実際に使われるときは、「悪質」や「下品なもの」といった悪い意味になる。

韓国は日本に統治されていたから、日本の「色(影響)」が残っている。
だから独立を回復したとき韓国では、社会に残存していた倭色を排除・追放しようとする運動が盛り上がった。

あらゆる種類の日本文化が『倭色文化』として排斥の対象とされ、あらゆる種類の日本文化の輸入が禁止の措置を受けることになる。1960年代には国内の人気歌手の歌が『倭色』とのことで発売中止になったこともあった。

倭色

 

中国人に「倭色」という言葉を見せたところ、「韓国人は本当にこんな言葉を使っているのですか?」と驚いていた。
「倭」だけでも、日本に対する差別や蔑視のニュアンスがある。
中国では反日感情が高まったときに、倭を使うという。
それに「色」には「色魔」のように、情欲という悪い意味がある。

日本人のボクにはイマイチ実感がないけれど、「倭色」は中国人でも引いてしまうらしい。

 

でもいまの韓国では、わりとカジュアルにこの言葉が使われている。
例えば去年、全国紙の中央日報にはこんな記事(2017年07月29日)があった。

倭色禁止時代、アトムはどのようにして韓国に飛んできたか

 

韓国が解放された直後は、「植民地時代の清算のために日本語や日本風など“倭色”を駆逐することに集中した」とある。
先ほどの「排斥の対象とされ」と同じ。

1965年に日韓が国交を正常化すると、この流れが変わる。
日本のものが少しずつ韓国へ入って来るようになった。
でもそれは部分的で、「日本製品はいいけど倭色(日本文化)はダメ」という感じ。
具体的に言うと、日本製のラジオを韓国で販売してもいいけど、日本の歌は流してはいけないということ。
日本製品を家に置くことはできるけど、日本語のドラマや歌を観たり聴いたりすることはできない。

 

日本を受け入れると同時に排除する。
こんな態度は中国人にもある。
中国旅行でお世話になった日本語ガイドは、中国の反日デモをバカにしていた。

「『小日本を打倒しろ!』と叫んでいる様子を東芝のテレビで見ているんですよ。みんな中国製より日本製を信頼してます。マスコミが日本製品の不買を呼びかけることもありますけど、中国のマスコミがよく使う『権利』『文化』『共和国』などは日本人がつくった言葉です。日本製を愛用していながら、日本を排除しようとする。おかしいですよ」

こうは言うけれど、この中国人は日本が過去にやったことを許していない。
でも反日デモを見ると、底の浅さを感じてバカバカしくなるという。

 

おっとソーリー。話がそれた。
韓国の「倭色」に戻す。

倭色が一切排除されていた時代でも、日本のアニメは韓国へやって来ていた。
例えば鉄腕アトムだ。
でも韓国では「宇宙少年アトム」になって、「アトムは韓国人に“国籍ロンダリング”」されたと上の記事に書いてある。
だからアトムを韓国のアニメとかん違いする人は多かった。

そういえば、ユンソナさんもこんなことを言っていたゾ。

韓国人タレントのユンソナはインタビューで「ドラえもんは韓国のものだと思ってました!」と韓国内の状況を語っている。

トンチャモン

 

タイガーマスクやマジンガーZも日本色を消して、韓国化させたものを放送していた。
だから倭色は禁止されていても、ステレス的に韓国社会へ流入していたのだ。

 

こんな状況が決定的に変わったのは1998年のこと。
この年に「日韓共同宣言(21世紀に向けた新たな日韓パートナーシップ)」が出された。

日韓両国の過去を総括して、友好・協力関係を再確認するという素晴らしいものだけど、20年後の未来はこうだ。

 

でもこのときに、文化やスポーツの日韓交流を積極的に進めていくことが確認されて、来日した金大中大統領は国会の演説で「日本の大衆文化解禁の方針」を表明する。
国籍ロンダリングも韓国化もない、そのままの日本文化が韓国へ入って来た。

以降、日本の大衆文化を順次受け入れ始めた。日本映画の韓国での一般映画館公開第1号は、映画監督北野武の『HANA-BI』であった。

韓国での日本大衆文化の流入制限

でも、すべての日本映画が無条件で公開されることはなかった。

 

この1998年の日本文化開放が「第1次開放」と呼ばれるもので、第4次開放(2004年)へと続く。
でも、そこで止まっている。
第5次開放がないのだ。

だから今でも韓国の地上波テレビでは、日本語の歌やドラマを流すことができない。
2014年には、韓国のアイドルグループ・クレヨンポップの曲の歌詞の中にあった「ピカポンチョク」という言葉が問題視される。
これが「日本語のような表現」と判定されて、韓国の放送局KBSから放送不適格の判定を受けてしまった。

2018年になっても日本色の扱いは変わらない。
平昌五輪では、地上波テレビが日本人選手の金メダル授賞式で君が代を流したら、苦情が殺到した。韓国は五輪ホスト国なのに。

「それでも、それでも日韓共同宣言20周年の今年なら…きっと日本文化の第5次開放をしてくれる。全面開放もあるかもしれない!」と期待していたけど、気づけば明後日は12月ですよ。

つい先日も、韓国の政治家が「分配」を「ブンパイ」と日本語の発音をしたために、国民の非難を浴びている。
*分配は韓国語では「ブンベ」になる。

くわしいことはレコードチャイナの記事(2018年11月28日)を見てたもれ。

韓国の「日本語好き」国会議員がまたも会議中に日本語を使用し批判浴びる

やっぱり今でも、日本文化の扱いはあんまり変わっていない。
まだまだ「倭色」のイメージが強いようだ。

それでも「和食」なら韓国で大人気だ。
韓国社会では日本文化に対して、好きと嫌いが極端に同居している。

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。