日本統治下のアンダマン・ニコバル諸島で起きたこと

 

「アンダマン・ニコバル諸島」はインド洋にある。
日本ではニコール・キッドマンのほうが有名だけど、日本との関係でいえばアンダマン・ニコバル諸島のほうが深い。

なぜならここは以前、「日本領」だったから。
ということで今回は、ハワイ出身のオーストラリア人女優ニコール・キッドマンについてはもう書きませんすみません。

これから、日本統治時代のアンダマン・ニコバル諸島について書いていこうと思う。
はじめに断っておくけど、ここで起きたことはハッピーなものではない。

 

まずは位地を確認しておこう。
右下の赤いところがアンダマン・ニコバル諸島だ。

 

アンダマン・ニコバル諸島については、名前を聞いた記憶があるぐらいだったのだけど、下の記事を書いていて、あるていど見えてきた。

異世界の島・北センチネル島で米国人が殺害。島民vsインド警察

現代文明を拒否した人たちが北センチネル島に住んでいる。
彼らは未開ではあるけれど、野蛮ではなかった。
粗にして野だが卑ではない。
そんなことはいいとして、この北センチネル島はアンダマン・ニコバル諸島の中にある。

上の地図を見て、「どう見てもタイやミャンマーのほうが近いのに、なんでここがインド領なんかなあ?」と不思議に思った。
これは日本と関係があるかもしれない。

太平洋戦争中、日本は約3年間ここを支配していた。

1942年(昭和17年)3月下旬の日本軍によるアンダマン諸島の占領に始まり、1945年8月に大日本帝国が連合軍に無条件降伏し、同年9月にイギリスが両諸島を再占領するまで続いた。

日本軍によるアンダマン・ニコバル諸島の占領

 

ここはもともとイギリス(イギリス領インド)が支配していた。

日本軍はビルマ(現ミャンマー)や北スマトラ島(インドネシア)を攻略するなどの理由で、この地域に拠点を築こうと考える。
それでイギリス軍を蹴散らして、アンダマン・ニコバル諸島を占領。

 

アンダマン諸島に上陸する日本軍(1942年3月)

 

日本はここにヤツを送りこむ。

ガンディーと並ぶインドの英雄チャンドラ・ボースを。

コルカタ(旧カルカッタ)の空港は「ネータージー・スバース・チャンドラ・ボース国際空港」という。

 

チャンドラ・ボースはインドの独立運動家で、高校世界史では「武力による独立を目指し日本の支援でインド国民軍を組織した(世界史用語集 山川出版)」とならう。
ボースは日本軍のパートナーだったのだ。

当時の首相東条英機は、日本軍が占領するアンダマン・ニコバル諸島を自由インド仮政府に渡そうと考えていた。
自由インド仮政府の主席こそチャンドラ・ボース。
こんなワケで、ボースは1943年にアンダマン島に降り立った。

ボースがアンダマン・ニコバル諸島の自由インド仮政府への帰属を求めたのは、統治機構と統治対象となる領土、領民を得ることで、自由インド仮政府に国家としての合法性を持たせるためだったと考えられている。

スバス・チャンドラ・ボースの来訪と自由インド仮政府

日本軍が撤退したあと、ここがインド領になった理由のひとつにこれがあると思う。

 

アンダマン諸島での降伏文書の調印式に臨む日本軍の代表団

 

日本が降伏する1年ほど前から、アンダマン・ニコバル諸島には食料不足が起きていた。
島民たちへの食糧配給も減ってきて、餓死者や栄養失調者が出てくる。

食糧庫や農場から食べ物を盗もうとする人間に対して、日本軍は射殺許可を出していた。
それでも食料を奪い取ろうとする人は後を絶たない。

餓死するか?射殺されるか?
現地住民はそんな究極の選択肢を迫られる。
長時間苦しんで死ぬぐらいなら、一瞬で殺されたほうが“楽”かもしれない。

こうした行為をふくめて、責任者は後に逮捕されて裁判にかけられている。
くわしいことは分からないのだけど、絞首刑になった人も多いと思う。

 

これは全て過去の話。
いまのアンダマン・ニコバル諸島の人たちは、日本政府に謝罪や賠償を要求していない。
インドと日本の仲もすごくいい。

当時の責任者は処罰されたのだから、現在の日本人が罪悪感を感じる必要はない。
いまのイギリス人はインドに対してそんなことを思っていない。
でも、日本とアンダマン・ニコバル諸島との間で、こんな歴史があったことは知っておいてもいい。

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。