韓国の言う歴史と過去に、「日本の支援と指導」はいつもなし。

 

「秋深き となりは何を する人ぞ」

これは俳句神・松尾芭蕉が詠んだ句。
秋が深まっていくなか、隣りの人は何をしているのだろう?ってことだろう。

さて、冬が深まるなか、隣国は日本との関係をどう思っているのか?

中央日報の記事(2018年12月05日)を読むとそれが見えてくる。

韓国外交部当局者「日本が韓日関係を重視するなら誠意をもつよう期待」

いまの日韓関係は冷え込んで氷河期に入って、凍結してしまった。
その最大の原因は韓国にある。
慰安婦財団の解散を発表し、最高裁は日本企業に有罪判決を言いわたす。

日韓合意とか日韓請求権協定とはなんだったのか?
約束をしたけど守らない。
日本政府はそんな隣人に「何をする人ぞ」と関心を寄せる気力もなく、いまは「戦略的放置」の真っ最中だ。

この放置っぷりについては、産経新聞の記事(2018.10.30)をどうぞ。

日本政府、対韓国「戦略的放置」強める 徴用工判決、国際司法裁判所への提訴も視野

韓国には、あきれて疲れ果てた末に言葉もなくなった。

 

そんななか、韓国の外交関係者は日韓関係をどう思っているのか?
上の記事から外交部(外務省)当局者の声を抜き出してみよう。
これはそのまま韓国政府の見方とみていい。

外交部の当局者いわく、

「日本が韓日関係を重視するなら、責任ある姿勢で歴史問題に対して誠意をもって取り組むよう期待する」

そんなことばっか言ってるから“放置”されるのだ。
さらにこうも言っている。

「法的問題を別にして、根本的に韓日関係は法だけでは解決できない道徳的、歴史的背景がある」

お互いに感情や正義をぶつけあえば、対立を深めるだけで問題は解決しない。
だから日本は、国際司法裁判所への提訴を考えているのだ。
とりあえず、お互い別のルールで考えていることはわかった。

この2つの言葉から見えるように、韓国は歴史(過去)を重視して、日本に責任や誠意ある態度を期待している。
でもそれは、こっちのセリフじゃ。

 

話題転換。
「漢江の奇跡」を知ってるかい?

韓国人目線だけど、これはベトナム人から見れば「うらやましい!」とか「学びたい!」とか思うものだ。

朝鮮日報にそう書いてある。(2016/09/19)

ベトナムにとって韓国の「漢江の奇跡(1970年代の高度経済成長)」は羨望の対象であり、学ぶべき対象でもあった

プライドを失った民族と国に未来はない

 

たしかにこの経済成長の前後で、韓国は生まれ変わった。
漢江の奇跡の前、1960年代の前半、韓国は世界の最貧困国だった。
国内総生産 (GDP) では北朝鮮よりも下。
それがこの経済発展の後には、世界で上から10位ほどの経済大国になった。

「漢江の奇跡」と韓国人が誇るのも分かる。

でも、奇跡は奇跡的には起こらない。
タネもあればシカケもある。
その結果にふさわしい準備や理由があって、奇跡は実現するのだ。
むしろ下準備や条件がそろっていたのに、それに応じた結果が起こらないほうが不思議。

漢江の奇跡の場合、奇跡の条件のひとつにジャパンマネーがある。
1965年、韓国は日本との国交を正常化させた。
もちろんタダではない。
日本は過去におこなった韓国統治を直視して、5億ドルという巨額の経済支援をおこなった。
現在の価値にすると数兆円。

日本からの経済支援や指導を受けて、韓国は浦項総合製鉄や京釜高速道路などを建設し、奇跡のような経済発展を実現させる。

もちろん主役は韓国人。
でも、舞台を整えた裏方にも気づかいがほしかったのだけど、歴代の韓国政府がしてきたことは排除だった。
日本からの支援を国民に隠していたのだ。

韓国では、日本による多額の経済・技術援助が韓国の発展に寄与したことを一般には知らされていないため、多くの韓国人は自国が独力で経済成長を達成したと考えていると指摘されている。

漢江の奇跡

 

その例に、日本人旅行者も利用するソウルの地下鉄がある。
地下鉄1号線を建設したとき、日本は資本援助や技術支援をしていた。
運行に関する訓練をしたのも日本人。
それは、地下鉄の運転士がおこなう指差し確認を見ればわかる。
あのやり方は日本式だ。
でもひょっとしたら、もうやっていないかもしれない。

地下鉄が完成したとき、韓国側はなにをしたか?
ジャーナリストの黒田勝弘氏が苦々しくこう書いている。

地下鉄一号線の建設には日本の経済協力資金が投入され日本の技術者が多数加わったが、完成式に日本人は招かれなかった。(中略)“日本隠し”によってこうした事実は韓国ではほとんど知られていない。残念なことだ。

「‘日本離れ’できない韓国 (文春新書) 黒田勝弘」

 

ボクの経験だけど、どの韓国人に聞いてもソウル地下鉄の歴史を知らない。
地下鉄の建設や運行は、すべて韓国人の手でなしえたものと思っていた。
残念なことだ。

 

日本に「歴史的背景」の重視を求めるなら、漢江の奇跡にもそれを当てはめてほしい。
どこからどんな支援や指導があったかを把握して、国民へ正確に伝えてほしい。

「日本が韓日関係を重視するなら、責任ある姿勢で歴史問題に対して誠意をもって取り組むよう期待する」

韓国はいつもこう言う。
でも韓国の主張する歴史には、いつも「日本からの支援と指導」が抜けている。
地下鉄建設の一例をとっても、日本は責任と誠意をもって協力したのだ。

 

バンコクの地下鉄構内には、日本の支援に感謝するプレートがある。

 

ラオスにも

 

カンボジアにもあった。

韓国もこうやって国民に事実を伝えていたら、関係が悪化しても「となりは何を する人ぞ」ぐらいの関心は寄せている。

日韓国会議員の総会で首相が祝辞を送らないし、文大統領に親書もわたさないという”絶対無視”の状態にはなっていない。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。