韓国軍によるレーダー照射、原因は日本が“信頼”されてるから?

 

ボクは一度もないけど、「ホールドアップ」を体験したという人には何回か会ったことがある。
「ホールドアップ」とは両手を上げること。
それで「ピストル強盗」という意味もある。

南米のボリビアでこれを経験した人は、銃口を突きつけられたときの恐怖は言葉にはできないと話していた。
両手をさっと上げて「今オレが持っているものは、すべておまえの物だ。持って行け」と言う。
自分でサイフを取り出すのは厳禁。
「敵対行動」と見なされて撃たれてしまうから。
海外でホールドアップにあったら、無抵抗・絶対服従しかない。
抵抗して殺害された日本人もいるから、もし自分がそうなったら、命以外のものはその場でするあきらめたほうがいい。

くわしいことはこの記事をどうぞ。

海外旅行の注意点・覚えてほしい言葉。日本人旅行者殺害から。

 

最近、海上自衛隊の哨戒(しょうかい)機P1がそんな目にあった。
相手は強盗ではなく、友好国の韓国から。
韓国海軍の駆逐艦が、敵を撃墜するときに使う火器管制レーダーをP1に向けて照射していたことがわかって、いま大騒ぎになっている。
「友好国」というのは片思いだったかも。
射撃用レーダーを当てるというのは、敵に対してすることだから。

どんなに仲が良くても、ホールドアップをされたらもう友人でも何でもない。

韓国軍がおこなったレーダー照射は本当に危険だ。
これはミサイル攻撃をするときに標的へ照準を合わせる行為で、「あとはボタンを押すだけ」という状態。
韓国軍による「ロックオン」は、日本に銃口を向けたと同じ。
だから毎日新聞がこんな記事(2018年12月21日)を書いている。

レーダー照射「あとは引き金引くだけ」 政府に強い衝撃、日韓悪化避けられず

岩屋防衛相は「危険な行為」と怒って韓国側に抗議した。…のだけど、これはいつもの対応だから、韓国さんに効くかどうか。
それ以前に、日本の抗議なんて聞かないかもしれない。

 

同じようなことは2013年にもあった。
中国海軍(中国人民解放軍海軍)が東シナ海で、海上自衛隊の護衛艦「ゆうだち」に今回と同じ火器管制レーダーを照射した。
射撃用レーダーを当てるという行為の重大性は、中国側もよく分かっている。
だから、まずは日本の主張を否定した。

中国側はこれに対してレーダーの使用は認めたが、射撃管制用レーダーではなく監視(捜索)用レーダーであったと主張している。

中国海軍レーダー照射事件

 

韓国軍とちがって、自衛隊と中国軍は合同訓練をするような良好な関係ではない。
だから「敵」と見なされるのは理解できなくはない。
これを考えると、韓国軍の行為は本当に謎だ。
外務省幹部は「今の日韓関係を考えると、かなりインパクトの大きな話だ」と衝撃を受けている。
韓国は何を考えているのだろう。

 

アメリカ軍だったら、撃たれる前に撃っている。
今回の件について産経新聞がこう怒っていた(12/21)。

「米軍なら即座に撃沈」レーダー照射、日韓関係さらに冷え込み

レーダーをあてられた側が自衛権を理由に反撃しても問題ない、と国際社会ではいわれている。
韓国軍がしたことは、それほど危険で考えられないことなのだ。

アニならきっと「日本があんたのいい人でよかったね」とか言っている。

 

射撃用レーダーを照射したら、自衛隊機に攻撃されても仕方ない。
でも、日本はそんなことはしなかった。
これはきっと韓国側の読み通り。

中国軍によるレーダー照射では、軍事アナリストの小川和久氏が「海上自衛隊は安易に火力で反撃してこないと”信頼”して実施された」と指摘している。

5年前と同じく、日本はまたもや”信頼”されてしまったのではないか。
ボクから見ても、韓国と「戦争」になるくらいなら、海上自衛隊機は撃墜されることを選びそう。

なんで日本はこんなにも、隣国からの信頼が厚いのか?

その大きな理由は、日本が韓国の立場を尊重して日韓関係を重視していることが、韓国側にバレバレだからだろう。
岩屋防衛相は「危険な行為」と怒ると同時に、韓国の誠意や善意に期待している。
共同通信の記事(2018/12/21)

韓国側を「信じたい」と岩屋防衛相

また、防衛相は「まずは説明を聞きたい。大事な日韓関係に影響が出ないようにしたい」と関係重視をアピールしていた。

大臣として韓国や日韓関係を大事にするのは分かるけど、この言葉を言うのにはまだ早過ぎなかったか?
現場の人間は「ホールドアップ」されて命の危険にさらされているし、即座に撃沈されても文句の言えないことを韓国軍はしている。
隣国への配慮を口にするのは、もう少しあとでもいい。
それか防衛相は一方的に韓国を批判して、首相がフォローを入れるという形の方がよかったと思うのだけど。

なんで日本はアルミンよりやさしいのか。

 

「私は怒っている!」と言ったあとすぐに相手の立場を配慮する。
日本がそんな国と韓国は知っている。
いま韓国側は「今回の件は日本の誤解」と、自分たちの責任は認めていない。
射撃用レーダーをあてるのも、「日本なら大丈夫」と”信頼”していたのだと思う。
米軍や中国軍が相手だったら、韓国がこんなことをするとはない。
「それはそちらの誤解だ」なんて対応もしない。

危険な行為をした韓国よりも、された日本こそ反省しないといけないのでは?

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。