レーダー照射:韓国風問題解決①被害者になって困惑してみる。

 

問題を解決する方法は2つある。

問題そのものを解消するか、問題視する人がいなくなるか。

後者のやり方は旧ソ連で行われていた。
「人間が存在しなければ、問題も存在しない」という考え方を持っていたスターリンは、反対する人間を次つぎと収容所にぶち込む。
「それはおかしい!」と抗議する人間がいなくなれば、自然と問題もなくなる。
おそろしいやり方だけど、歴史を見ればそういう解決法をとった人物はいくらでもいる。

そういえば最近、どこかの大使館でもそんなことがあったような?

 

さて、いま日韓の間で大騒ぎになっているレーダー照射問題。
これはもちろん、自衛隊機に射撃用レーダーをあてた韓国軍が悪い。
「韓国は“放置”だ」と日本政府は言っているけど、それは徴用工や慰安婦問題でのこと。
今回のような自衛隊員の生命が危険にさらされる事案では、そうも言っていられない。
日本は韓国に抗議して、状況説明と再発防止を求める。

韓国側も説明をしたのだけど、これがあまりに不自然で、ことごとく日本側に反論されていまにいたる。

 

いま事態の解決を強く願っているのは韓国だ。
説明をすればするほど、日本に突っ込まれて苦しい立場においやられる。
そんな韓国を国民が、世界が見ているのだ。
これではメンツが立たない。

でも、日本を説得するのはムリ。
かといって日本に謝罪なんてしたくない。
説明と謝罪なしで問題を解決するとしたら、日本を黙らせればいい。
日本が納得するかどうかはどうでもいい。
とにかく日本が抗議をしなくなれば、韓国にとっては解決したことになる。
ゼロにならなくても、抗議の声が小さくなれば韓国の負担も減る。

 

ではどうやって相手の口を封じるか?
たとえば、立場を逆転させる方法がある。
「加害者が被害者になる」という発想の転換だ。

それが朝鮮日報の記事(2018/12/22)にある。

日本の防衛相が自ら出てきてまで今回の事態に対して抗議したことに、韓国軍は困惑している様子だ。韓国軍関係者は「日本の反応はやや過剰な面がある」と述べた。

韓国駆逐艦が日本の哨戒機にレーダー照射、日本の抗議に韓国軍困惑

 

韓国が最初に非を認めてしっかり説明していれば、こんな大事にはならなかった。
でも「困惑している」となると、まるで日本がひどいことをしているようだ。
「やや過剰な面がある」というのは、自衛隊員の生命をどう考えているのか?

2日後の中央日報でも、日本が韓国に迷惑をかけているかのような記事(2018年12月24日)があった。
ここでは韓国国防部の言葉を載せている。

経緯を問い合わせてきたので十分に説明した」とし「それでもこの日夕方、岩屋毅防衛相が記者会見を開いて韓国を非難して非常に困惑している」と述べた。

日本「味方に銃撃つか」vs韓国「射撃用レーダー撃たなかった」

 

ちなみに、この2つの記事には大きな変化がある。

22日の記事では、韓国海軍が「一般的なレーダーよりも精密な火器管制用レーダーを使用した」と自衛隊機へのレーダー照射を認めていた。
でもその直後、日本からいろいろな反論を受ける。
すると24日の記事では「日本哨戒機に向かってレーダー電波を撃っていない」と、これまでの説明をひっくり返している。

都合が悪くなるとすぐに自分の言葉を否定していたら、誰からも信用されない。
「(日本に)十分に説明した」といってもこのレベルだから、日本は公式に抗議せざるをえなかったのだろう。
「非常に困惑している」というのは被害者のセリフだ。

 

韓国は日本にたいして、よくこんなことをする。
自分が責められる立場になると、被害者になろうとする。
被害者になれば、相手からの追及が弱くなる。
少なくともその可能性が大きくなる。

自分を被害者にするには、相手を加害者にすればいい。

先月11月にBTS(防弾少年団)の「原爆Tシャツ騒動」があった。
騒ぎの原因はBTSのメンバーが原爆Tシャツを着ていたこと。
原爆投下は、軽々しくTシャツのデザインにしていいものではない。
日本で反感が広がって、BTSはミュージックステーションへの出演が取り消された。

このときネットで韓国側の反応を見ていて驚いたのは、「韓国こそ被害者で、日本は加害者なんだ」とアピールする人が多かったこと。

たとえばこんなコメントだ。

「I hope that young people in Japan will go to a bright future. But to do that, Japan should not pretend to be a victim.」

日本の若者が素晴らしい未来に進んでいくことを願っている。でもそのためには、日本は被害者のふりをするのをやめるべきだ。

この騒動でBTS側は自分たちの非を認めて謝罪している。
といっても、それをしたのは事務所だけど。

それでも一般の国民レベルでは日本を加害者にして、相対的に韓国を被害者にしていた。

 

「自分たちは被害者だ」と叫ぶことで、責任追及される立場から逃れたかったのだろう。
単純に考えて、被害者を問い詰めるというのは気が引ける。

自分は責任を認めたくないし謝罪もしたくない。
それでいて事態を鎮静化させたかったら、抗議する人にそれをしにくくさせればいい。
「問題化する人がいなくなる」というのも1つの解決だ。
問題がなくなるのではなくて、自分が責められなくなるという意味での解決だけど。

そのためには「おまえは騒ぎすぎだ」と相手を悪者にしたり、「わたしは困っているんだ」と自分を被害者にする方法がある。
「論より情」の韓国社会では、これはけっこう有効な問題解決法と思う。

これから日韓で問題が起きたときは、ことの推移をよく見ていてほしい。
加害者と被害者が入れ替わってしまうことがきっとある。
そしていつの間にか、日本が加害者になっているという逆転現象が起きている。

 

おまけ

BTS騒動でネットを見ていたら、ある韓国人がこんな書き込みをしていた。

「There is Japanse old saying ” if you lie 100 times it becomes thruth’. That is exactlly what they are doing.」

「100回ウソをつけば、それは真実になる」

日本にそんなことわざがあったっけ?
これは韓国の言葉だろう。
今回のレーダー照射問題で韓国側の説明を聞いているとその思いが強くなる。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。