バックパッカーの沈没:インドで出会った迷惑な旅人・後編

 

始めの一言

「日本の大衆は世界で最も清潔である。日本人が風呂に入る習慣の魅力は、この国に居住する外国人のほとんどすべてがそれを採用しているという事実によって証明される(ホール・チェンバレン 明治時代)」「日本絶賛語録 小学館」

 

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最近、「沈没」というテーマで記事を書いている。

バックパッカーがよく使う言葉で、こんな意味。

沈没

長期間の海外個人旅行をしているバックパッカーなどが、旅行の本来の目的である観光を中断し、一つの街への滞在を目的としてしまうことを「沈没」と呼ぶ。 (ウィキペディア)

 

旅行者が旅の途中で、気に入った街に数週間、数か月と滞在することを「沈没する」という。

今までの旅で、そうした沈没者に何人も会ったことがある。
多くは、ごくふつうの旅行者か良い人。

 

でも、すっごく迷惑な沈没者もいた。
今回は、そんな長期滞在者について書いていきたい。

 

その前に、「旅」という漢字の雑学を一つ。
「旅」という漢字は、もともとは「戦いに行くこと」をあらわしていた。

戦車を連ねて軍団が進み、他の国へ遠征をする。
このことを「旅」といいました。 旅という字の古い形は(4)のように字の中に「車」が入っています。
旗と人と軍がひとつになっている形です。 旗をひるがえし、物を車に積んで人々は進む、これが「旅」なのです。
「図説 漢字の成り立ち事典 教育出版」

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インドを旅していたとき、ヒンドゥー教の聖地「バラナシ」という街でその迷惑な沈没者に出会った。
迷惑というか、善意はあったからすごくありがた迷惑だった人。

 

バラナシでの観光を終えて、次の街へ行くときのこと。
そのこときは列車で行く予定だったから、まずは鉄道の駅まで行かないといけない。
駅に行くには、オート・リキシャーをつかまえないといけない。

 

宿でボクが荷物をバッグに入れていて出発の準備をしていると、ヒマそうな沈没者が声をかけてくる。

「あれ?もう出るの?」

「はい。次はコルカタです。だからオート・リキシャーをつかまえて駅まで行かなきゃいけないんですよ」

「時間があるから、オレもつきあってやるよ」

はあ。
まあ、別にいいけど。

 

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オート・リキシャー

 

ということで、その沈没者と一緒に宿を出る。
ただ、このときは列車の出発時刻まであまり時間がなくて、早く駅に着かないといけなかった。
「まあ大丈夫だろう」とは思っていたけど、そんなに余裕はないという状況。

 

沈没者はそんなボクの事情を知っていた。
にもかかわらず、こんなことを言う。

「この近くで待っているリキシャーはボってくるから、離れたところで捕まえた方がいい」

えっ?時間がないんですけど・・。
沈没者は、ずんずん先を歩いていく。

 

そして、現地のインド人が利用するという「リキシャー乗り場」まで行く。
でも、オート・リキシャーに乗せてくれない。
乗車拒否だ。
でも、拒否したのはリキシャーの運転手ではない。
一緒にいたこの沈没者。

 

リキシャーの運転手と値段交渉をしてくれるんだけど、彼が思っていた金額と違うようで交渉が成立しない。

「ひでえ料金だ。ボッてやがる。こんなのに乗っちゃダメだ」

と、ボクをリキシャーに乗せてくれない。

このときはボクにも海外旅行の経験が少なくて、強く彼に言えなかった。
それでズルズルと彼のペースでことが進んでしまう。

「こいつもダメだ。だからインド人はよ~」

と、別のリキシャーの運転手をさがす。
そんなことをしている間に、時間がどんどんなくなってしまう。
「ボラれてる」といっても100円の違いもないだろう。
早くしないと列車に間に合わないのに。

この人は、本当に分かっているのだろうか?

 

もう、この人にまかせちゃダメだ。
「次のリキシャーに乗ります。このさい、料金はいいですから」
とボクが言う。

「え?それが日本人価格になると、これから来る日本人が迷惑するだろう?」

そう言って不満そうな顔をする。

いやいや、迷惑をかけてるのは今のアンタだから。

さらには、こんな無責任なことも口にする。

「大丈夫だって。インドの列車が時間どおり来るわけないんだから。絶対に遅れるって」

ふ・ざ・け・る・な。

 

とにかく、この沈没者は他人を「オレのルール」に従わせようとする。
沈没者に限らず、あるていど経験のあるバックパッカーにときどきいる。
他人が自分の考えるように行動しないと、気にくわないという人。
他人と自分との違いは、「間違い」と思ってしまう人。

たまらなくウザくて、この上なく迷惑。

 

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デリーの日本人宿

 

料金交渉をしている時間も、もったいない。

「あのリキシャーで行きます」

と言って交渉したリキシャーの料金が、沈没者の許容範囲内の金額だった。

「この料金なら、いいかな」

いいかな、じゃねえよ。

内心イラッとしつつも、「ありがとうございました。お世話になりました」と言った自分は大人だったと思う。

 

沈没者は、リキシャーの運転手に何かを言っている。

「『駅まで行けよ。料金はさっき言ったとおりだからな!』とヒンドィー語で言っておいたから、大丈夫だよ」

悪い人じゃないんだよなあ。
ありがた迷惑なだけで。

 

そして、沈没者から太鼓判を押してもらって走り出したリキシャーは、まっすぐお土産屋に行ってしまう。

「なんでこんなところに来るんだ!」

ボクが怒鳴ると、向こうも怒鳴り返す。

「あんな安い料金で駅まで行けるわけないだろう?このお土産屋に入れ。そうしたら、あの料金で駅まで行ってやる」

このリキシャーのおやじは、ボクをこのお土産屋につれて行くことで、お土産屋からいくらかの「紹介料」をもらうつもりらしい。
頭がクラクラしてくる。
時間がないのに。

 

ここでまた、リキシャーのオヤジともめることになる。
結局そこで値段交渉をして、先ほどの料金にちょっとプラスしたお金を払うことで合意。
駅まで連れて行ってもらった。

 

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バラナシの駅に着くと、沈没者が言っていたとおり列車は遅れていた。
安定の遅刻だ。

なんだかんだで、無事に列車に乗って安心すると疲れがどっと出てきた。
そして、つくづく思った。

「安いものほど、高くつく」

それと、もう一つ。

「あの人、いつまでバラナシで沈没してるんだろう?」

 

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    今まで、東南アジア、中東、西アフリカに旅をしてきました。外国に行って初めて気がつく日本の良さや特長があります。以前、歴史を教えていたので、その経験もいかして、日本や世界の歴史や文化などをテーマに、「読んでタメになる」ようなブログを目指します。