歴史豆知識:ムカつくから改名!自由のフライと英ウィンザー朝

 

前回、アメリカで「トランプ」という名前の子供がいじめにあっているという話を書いた。
今回の記事はその延長というかオマケ。
歴史の豆知識です。

トランプ氏が大統領になるまでは、全米にいるトランプ君は平穏無事に生活していたはず。
あることがきっかけになって、急にまわりの見方が変わることもある。
「負のイメージ」がついても人名はそう簡単には変えられないけど、それ以外のものなら何とかなることもある。

 

2003年ごろ、アメリカで「フレンチフライ(フライドポテト)」を「自由のフライ(freedom fries)」に言い換えることがちょっとした流行りになった。
このときアメリカはイラクとの戦争に突入する寸前。
そのためできるだけ多くの参加国を集めるために、世界中に協力を呼び掛けていた。
まさに「東奔西走」といった状態だ。

でもフランスはアメリカに「ノン」と言う。
フランスはアメリカの戦争には参加したくなかった。

この態度にアメリカが怒る。
そして怒りのほこ先は議会(アメリカ下院)食堂の「French fries」に向かう。
この「French(フランス)」が気に食わないという国会議員が出てきた。
食堂側もその意見を受け入れて、メニュー名をフレンチフライから「自由のフライ」に変更する。
ちなみに、フレンチトーストも「自由のトースト(freedom toast)」 に変えた。

坊主憎けりゃ袈裟までムカつく。

こんな反フランスの空気に、駐米フランス大使館は「フライドポテトはベルギー発祥の料理である」とか反論しているけど、大して気にしていなかっただろう。

 

当時の下院食堂のメニュー表

 

これから2年後、2005年にアメリカで行われた世論調査では、66%がのこの言い換えについて「馬鹿げていた」と答えている。
これを「愛国的だった」という人は33%。
2003年に調査を行っていたら、過半数の人が「自由のフライ」を愛国的と支持していたと思う。

 

さて、今度はイギリスの話。

現在のイギリス王室はいつから始まるかご存知ですか?

正解は1714年から。

ハノーヴァ―朝 1714~1917

イギリスの王朝。スチュアート朝の断絶後、姻戚であるハノーヴァー家のゲオルグがイギリス国王ジョージ1世として即位し、開かれた。

「世界史用語集 (山川出版)」

 

このゲオルグ(ジョージ1世)は生まれも育ちもドイツだから、英語が話せなかった。
外国生まれで日本語の話せない天皇は考えられないけど、イギリス国王はそれで問題ない。

ところで、いまのイギリス王室は「ウィンザー朝」と呼ばれている。
その理由は、血統は変わっていないけど、1917年にハノーヴァーからウィンザーに王朝名を変更したから。
だからハノーヴァ―朝は「1714~1917」ということになっている。

改称のきっかけは第1次世界大戦(1914 年~1918年)にある。

1917年は第1次世界大戦の真っ最中で、イギリスはドイツと戦っていた。
王室の名前が敵国の「ハノーヴァー」というのはマズイ。
それで王宮のあるウィンザー城にちなんで、王朝名を「ウィンザー」に変えたというわけだ。

 

フランスがムカつくから、フレンチをフリーダムに変える。
ドイツが憎いから、ハノーヴァーをウィンザーに変える。
でも、中身は何も変わっていない。
ジャガイモも王家の血も、それまでとまったく同じ。

でも呼び方を変えれば、本質も変わったような気がする。
歴史にはこういう改名がよくある。
いつの時代でも、人間の心理にとってネーミングは重要ということですね。

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。