韓国には「嘘をつく泥棒」より、「丁寧な無視」がいい。

 

「キレたっていいじゃないか にんげんだもの」というのは分かるけど、これはどうなのか?

昨年末、韓国軍が自衛隊機にレーダーを照射したことで、「韓国海軍レーダー照射事件」が発生。
さらにこのあと韓国側は事実を認めず、逆に日本に謝罪を求めてくる。
加害者が被害者に謝罪を要求する新しいスタイルに、自民党議員で国防部長でもある山本朋広氏が激怒した。

「韓国政府は本当に、これ以上嘘をついてはならない」

さらに、2012年の「対馬仏像盗難事件」に結びつけて韓国をこう非難する。

「この部会でもその間『嘘つきは泥棒の始まり』という話が出ていた」
「よく考えてみると、罰を受けて当然だが韓国は日本の仏像を盗んでまだ返していない」

そしてこの言葉が韓国側を怒らせた。

「嘘つきが泥棒になるのではなく、泥棒が嘘をついているだけ」

 

まあここまで言われたら、韓国も黙ってませんわ。
中央日報はすぐにこんな記事(2019年01月31日)を書く。

韓国を「泥棒」と指して妄言を吐き、波紋を呼んでいる。

優しかった人が嘘をつきながら泥棒になっていくのではなく、「韓国は本来泥棒」という意味の暴言だ。

自民党4選議員「韓国は嘘つく泥棒」妄言

 

山本議員の怒りは分かるけど、国会議員が公の場でここまで言ってはマズイ。
対馬の仏像を盗んだのは韓国人窃盗団であって、韓国政府ではないのだから。
韓国側はレーダー照射問題で虚偽の説明をしたのだから、「嘘つき」と言われることは仕方なし。
「韓国は嘘つく泥棒」はネットの書き込みだ。

 

では、日本の議員の発言を「妄言」「暴言」と非難する韓国は紳士的だったのか?

去年10月ごろ、海上自衛隊が旭日旗をかかげていることについて、韓国与党が言った言葉を思い出してみよう。

「非常識をもちろん、一抹の良心さえも見られない日本の傍若無人にあきれる」
「日本が旭日旗を誇っているのは、日本が永遠に二等国家にとどまるしかない理由でないかと思う」

さらに、「(日本は)戦犯国として最低限の恥も知らない」とまで言っている。

このときはボクも、いつか日本は韓国に「永遠の二等国」と言い返してもいいと思っていた。
そうなると「目くそ鼻くそ」になるけど、日本もたまには低レベルな泥仕合をしてもいい。

でも、今回の「泥棒が嘘をついているだけ」という言葉の“あと”を見ると、感情的に相手をののしっても日本にメリットがないことがわかる。
ストレス発散で一瞬、胸がスカッとするけど、結局はそれだけ。
当然これは韓国を怒らせることになるのだけど、この怒りは日本にとって不必要だ。

これからの韓国の対応しだいでは、日本は経済制裁をおこなったり国際司法裁判所に訴えたりしないといけなくなる。
大事なのはこっちだ。
政治家は韓国を冷静に追い詰めればいいのであって、感情を爆発させても日本に利益はない。

 

下から3番目と4番目の記事を見てほしい。
日本に「二等国」と言っておいて、同時に「韓国国民の感情を考慮せよ」と要求してくる。
韓国はむかしからこんな感じ。

 

その点、前防衛相の小野寺議員の言葉には目を見張るものがある。

NNN24のニュース(2019/02/06)で、日本は韓国に対して「丁寧な無視」をすればいいと提案している。

レーダー照射 前防衛相「国際社会訴えを」

いまの韓国は絶対に間違いを認めない。
自分たちの非を認めたら、きっと文政権は大変なことになる。
だから韓国側は「これだけ痛々しい言い訳をしている」と小野寺議員は言う。

そのうえで日本は、韓国を無視して世界を相手にするべきだと話している。

ここをいくら泥仕合をやっていても同じことですので、むしろ国際社会に韓国に冷静に抗議をし、あとは韓国がいろんなことを言っても『丁寧な無視』をしながら国際世論の中で『これは勝負あった』ということにすることなんだと思う

 

小野寺議員によると、アメリカのブッシュ政権で大統領特別補佐官を務めたマイケル・グリーン氏が、「オーストラリアからシンガポールまでアジア国家のほとんどの政府は現在の日韓関係悪化の主要な原因は韓国にあるとみている」と指摘したという。

 

「日本は永遠の二等国」と言う韓国に「韓国は嘘つく泥棒」と言い返したとして、それが日本にどんな得があるのか?

韓国には感情的にぶつかるより、丁寧に無視して、国際社会を味方につけて韓国を追い詰めたほうがいい。
韓国としては絶対にこっちのほうを嫌がる。

1936年の「近衛声明(このえせいめい)」みたいに、「今度韓国政府を相手とせず、国際社会の理解を期待する」という態度でいけばいいのだ。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。