米朝首脳会談決裂で韓国パニック!→「日本が悪い」の謎展開

 

韓国にとってこれはきっと、現実が間違っている。

2月28日にベトナムで開かれたアメリカと北朝鮮による2回目のトップ会談について、韓国政府は直前まで浮かれ気分だった。

与党「共に民主党」はその日の午前中、「数時間後には歴史的な『ハノイ宣言』が発表されるだろう」と会談の期待に胸をふくらませていた。
同じ与党の洪(ホン)院内代表は会議で、「北朝鮮による実質的な非核化とこれに相応する制裁の緩和、さらには終戦の合意まで期待したい」と発言する。

北朝鮮への制裁が緩和されたら、韓国政府が心の底から望んでいる南北協力が加速する。
これで韓国政府に、「興奮するな」と言うほうが無理でしょ。

でも、結果は無慈悲。

「完全な非核化」を求めるアメリカと「完全な制裁緩和」を求める北朝鮮との間に妥協の余地はなかった。
米国は制裁の緩和や解除を拒否、北朝鮮は非核化への措置を拒否。
米朝会談は完全に決裂した。

お祝い用のシャンパンを用意していた(たぶん)韓国政府はこれにパニック状態だ。

中央日報の記事(2019年03月01日)

一瞬にして「最大リスク」に変わった。終戦宣言、金委員長のソウル答礼訪問、金剛山(クムガンサン)観光などを期待していた韓国政府にも非常事態に陥った。

「ノーディール」で終わったハノイ核談判…韓国政府は非常事態に

 

与党の関係者は「決裂するなどとは想像もできなかった」と絶句したという。

期待値が高いほど、その後の絶望は深くなる。
韓国にはそれを表す「希望拷問」なんて言葉がある。
韓国政府が味わったのはまさにソレ。

 

米朝会談の合意を確信していた文政権は、金剛山観光や開城工業団地の再開などを考えていた。
北朝鮮との友好に夢中の文大統領は、本格的な南北経済協力を念頭において今まで活動してきたのだけど、今回の交渉決裂ですべての前提が崩れて白紙になってしまった。

でも今から考えたら、金剛山観光や開城工業団地を再開するという見通しはあまりに甘かった。
「あんなこといいな、できたらいいな」という空想と変わらない。

 

でも与党は強気だ。
米朝首脳会談が決裂した日に、韓国大統領府はこうコメントした。

「過去のどの時点よりも意味のある進展を成し遂げたのは確実なようだ」
「トランプ大統領が表明した対話の意志と楽観的な見解は、次の会談への展望を明るくしている」

根拠はないけど明るく楽観的な政府とは違って、国民の気持ちは沈んでいる。

朝鮮日報の社説(2019/03/01)

完全に現実離れした大統領府によるこのような現状認識は、米朝首脳会談の決裂に劣らず国民を一層不安にしている。

韓国政府は対北政策から「理念」「幻想」「実験」を排除せよ

 

どこの国でも、与党のピンチは野党のチャンス。
自由韓国党は「政府は未来の幻想しか口にしない」と文政権を厳しく批判する。

ちなみに、首脳会談の合意見送りを受けて韓国株も急落した。
韓国政府にとっては踏んだり蹴ったり、泣きっ面に蜂、弱り目に祟り目という状態。
不幸と災難が手をつないでやって来た。

 

米朝会談が決裂すれば韓国政府が大ダメージを受けて、野党やマスコミに批判される。
これは当たり前のことで簡単に予想できる。
問題はこの後だ。

日本のネットには「さて、ここからどうやって日本のせいにするか?」という冗談めいた書き込みがあった。
韓国がオソロシイのは、そんなジョークが現実になること。

3月3日のひな祭りの日、中央日報にこんな記事(2019年03月03日)がのっていた。

「日本が気がかり」…鄭東泳代表、米朝会談決裂の裏として安倍首相名指し

韓国野党「民主平和党」の代表が会談決裂の背後には、日本の存在があると指摘する。
要するに、日本のせいで会談が台無しになったということだ。
でも、日本の“暗躍”を見逃していた韓国政府も非難している。

米朝会談前に日本の妨害工作があったという疑いが提起されていたが韓国政府が対応しなかったという主張だ。

 

日本政府はアメリカに対して、北朝鮮に安易に妥協することを不安視していた。
でもそれは、日本にとっては当然のこと。
日本政府の仕事は日本国民の安全と財産を守ることであって、「とにかく北朝鮮と仲良くなりたい」という韓国政府とは違う。
日本が国益のために行動すると、韓国では「妨害工作」と非難する政治家が出てくるから困ったもんだ。

北朝鮮の非核化は日本の願いでもある。
核兵器の射程距離内に住んでいて、うれしく思う日本国民はいない。
北朝鮮が完全に非核化するかどうか分からないのにトランプ大統領が妥協して、経済制裁を解いてしまったら日本としてはたまらない。

そんな背景があったから、アメリカがあいまいな合意をしなかったことに日本は安どしたのだ。
アメリカにも今回の交渉決裂を歓迎する声は多くある。

 

でも、韓国には“敵”が必要らしい。

朝鮮日報の記事(2019/03/03)によると、いま「韓国与党内外で」安倍たたきがはじまっている。

米朝首脳会談:韓国政界に金正恩氏同情論と安倍首相批判

この記事では、「日本が妨害工作をした」という見当違いな(でもとても韓国的な)見方をした野党議員のほかに、盧武鉉(ノ・ムヒョン)財団理事長の柳時敏(ユ・シミン)氏の言葉を紹介している。

「全世界の中で(会談決裂を)最も喜んだ人物は日本の安倍晋三首相だったのではないか」

んなことはない。
アメリカが北朝鮮の完全非核化に妥協しなかったことで、安倍首相が安心したという報道は見たけど、「最も喜んだ」というのは聞いたことがない。
この根拠はきっと、「私がそう感じたから」というフィーリング。

理事長はさらにこう言う。

「(安倍内閣の)閣僚たちも満面の笑みで(決裂して)良かったと言っている。三・一節(独立運動記念日)にそのような姿を目にしてかなり怒りがこみ上げた」

「満面の笑みで良かったと言っている」というのも“感覚”でこの人にとっては事実だけど、他の人には関係ない。
でも韓国では「そう感じたから」が根拠になって、事実になることがある。
レーダー照射問題では、韓国側が「脅威を感じたから」ということで、自衛隊機の“危険な低空飛行”が事実になってしまった。

そしてそんな正体不明の事実にもとづいて、なぜか日本が非難されてしまう。
日本人にとっては謎な展開だけど、これは反日感情にそったものだから、韓国では簡単に受け入れられてしまう。

日本列島が引っ越しできない以上、韓国との隣国関係は変わらない。
だからこんな意味不明な展開が起こることも、「そういう国だから」と思ってあきらめるしかない。

とはいえ、非難のほこ先が日本に向くという理不尽には、圧倒的多数の日本人は反発する。

日韓関係はこうやって着実に悪化していく。

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。