日本・アメリカ・韓国、同性愛に厳しい国やその理由は?

 

タイ人、スリランカ人、ミャンマー人、香港人、ベトナム人に教えたら、誰もがもれなくビックリしたお坊さんがいる。

それがこの仏教僧・西村 宏堂(こどう)さん。

「ハッピーハロウィン!」とあいさつする自由なお坊さん

 

先ほどのアジア人にこのインスタグラムを見せると、ビックリを超えて驚がくしていた。
「へ~。…えええっ!仏教のお坊さん?」ともれなく二度聞きする。

仏教僧でメイクアップアーティストでゲイでもあるという西村僧侶の存在は、東南アジアではあり得ないし、あってはいけないという。
とくに「ゲイ」に対する拒否感が強く、「同性愛者のお坊さん」というのは東南アジアの社会では許されない。
でも、日本ではOK。
でもたぶん、これが「ギリOK」というレベルで、反発するお坊さんはたくさんいるような気はする。

ちなみにスリランカでは、仏教僧の同性愛を思わせる表現をしたという理由で作家が逮捕されている。
日本はマジ自由。

 

 

ところで日本人は同性愛についてどう思っているのか?
日本の社会はどれだけ寛容なのか?

中央日報の記事(2019年04月01日)を見ると、それが少し見えてきますよ。

「同性愛を正当化できるか」 OECD5.1点・日本4.8点・韓国2点

経済協力開発機構(OECD)の発表によると(Society at a Glance 2019)、2001~2014年の日本の同性愛受容度は10点満点中4.8点で、アメリカ(5.0点)とほぼ同じであることが分かった。
同性愛に対して最も受容度が高い国はアイスランド(8.3点)。

韓国は2.8点で、OECD加盟国36カ国中4番目に低い。
エストニア(2.8点)も韓国と同じ4位で、以下、ラトビア(2.4点)、リトアニア(2.0点)、トルコ(1.6点)と続く。
同性愛者に対する受容度が低いということは、「性少数者(LGBT)を差別の危険に追い込みかねないという意味(上の記事)」とOECDが指摘しているから、国際社会での評価は確実にマイナスになる。

 

 

10年ぐらい前、友人の韓国人が日本に来たときのこと。
大阪の繁華街を歩いていたら、前方から2人のゲイの人たちが仲良く歩いているのを見て、心の底から驚いたと話していた。
韓国にもゲイはいるけど、社会的にはとても肩身がせまいらしい。
だから日本で、ゲイの人たちが白昼堂々と街を歩いていて、通行人がだれも気にしていない様子を見て信じられない思いだったという。

では、韓国社会が同性愛者に厳しい理由はなにか?

キリスト教の影響のほかに、その韓国人は「軍隊」を理由あげていた。
韓国には徴兵制があるから、成人男性は約2年間、軍隊で生活しないといけない。
韓国軍では同性愛者を「精神的に異常がある人」のように見るという。
ただこれは10年も前に聞いた話だから、いまもそんな偏見があるのかは分からない。

でも2年前、ハフポストにこんなニュース(2017年04月21日)があったから、いまでも同性愛者の立場はかなり辛そうだ。

陸軍中央団は軍隊内の同性愛者を探し出すかのように、手当たり次第に捜査を行った。特に物証ないまま同性愛者という理由だけで、彼らを「識別」して捜査対象にしたとのこと。

「同性愛者の軍人を探し出すため、韓国陸軍が特別捜査 NGOが暴露」

韓国社会だったら、「ハッピーハロウィン!」とあいさつするゲイのお坊さんは許されないだろう。

 

さて、この結果を見ると、ワースト5のうちエストニア、ラトビア、リトアニアの「バルト三国」が占めている。
なんでこの三国は同性愛に厳しい目を向けているのか?
その理由をリトアニア人に聞いてみた。
次回、そのことを書いていきまっせ。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。