韓国の「ホルホル」記事①「偉大な韓国」「優秀な韓民族」の発想

 

はじめに前の確認をさせてほしい。

人類で初めて製紙法(紙の作り方)を発明したのは、中国人。
そして、その製紙法はタラス河畔の(かはん)戦いによって、8世紀(751年)にイスラーム圏の国に伝わる。
その後、12世紀ごろにはヨーロッパにも伝わった。

それがいわゆる「製紙法の西伝(せいでん)」というもの。

 

このタラス河畔の戦いでは、「中国(唐)」と「イスラーム教の国(アッバース朝)」が戦っている。
この戦いでの唐軍の将軍は、「高仙芝(こうせんし)」という人。
この人は、高句麗系の人。
ここがポイント。

高句麗(こうくり)」とは、韓国の昔の国。
日本だと、弥生時代や飛鳥時代だったときに朝鮮半島にあった国。

 

この戦いがきっかけで、製紙法がイスラーム圏やヨーロッパに伝わった。
この戦いのときに、高句麗系の人が将軍がいた。
このことをもって、韓国の週刊誌が「製紙法を伝えたのは、我らが先祖だった!」という、韓民族の偉大さを伝えるコラムをのせている。

「韓国人らしさ」にあふれた微笑(ほほえ)ましいコラム。

 

このコラムは一読する価値がある。

韓国人は韓国をどう思っているのか?

韓国人が読みたいと思うのは、どんな文なのか?

そんなことが分かる一品。

 

ところで、近ごろ日本でこんな声を聞く。

「最近、『日本人はすごい』『日本を誇りに思う』っていうテレビ番組や雑誌が多くない?日本をやたらとほめまくるような。『日本すげえ』みたいな風潮あるよね。あれってどうよ?」

 

そう思う人は、ぜひ見てほしい。

韓国の「韓国人すげえ(ホルホル)」は、「日本すげえ」なんて足元にも及ばない。本場韓国の「ホルホル記事」は、やっぱりすごい。

ホルホル

〔韓国語:헐헐〕咳払いの音。
日本語の「エヘンエヘン」にやや近い。転じて、日本のネット上では韓国人が有頂天になるさま、誇らしげなさまを表すのにしばしば用いられる。「ホルホルする」とも。

 

このホルホルについては、前回くわしく書いた。
「韓国人ってどんな人たち?」を理解するキーワードだから、興味がある人は読んで。

最近、ネットで見る日本と韓国の「ホルホル」とは。意味や具体

 

ソウルにある「李舜臣(りしゅんしん)」の像

豊臣秀吉の朝鮮出兵のときに、韓国を守った救国の英雄。
背後の王宮「景福宮」を守るように、南(日本)を向いて立っている。

ただ、この英雄が持っている刀は朝鮮の刀じゃなくて日本刀という説もがある。
これが前に韓国で問題になった。
こういう「オチ」を忘れないサービス精神も韓国の魅力。

 

さて、今回紹介するのも、そんな韓国の「ホルホル記事(コラム)」。

「韓民族はすばらしい」
「史実?細かいことはケンチャナヨ(気にするな)」

といった韓国人らしさにあふれている。

そのコラムは、「週刊東亜(韓国語)」にあるもの。
コラムのタイトルから飛ばしている。

【韓国歴史】 高句麗人の末裔、高仙芝はヨーロッパ文明の父~これは中国史?韓国史?

 

要するに、「われわれと同じ韓民族には、ヨーロッパ文明の父と呼ぶべき人がいた」ということ。
この誇らしそうな様子を、「ホルホルしてますね」という。

「ヨーロッパ文明の父」。
ためらいもなく、このタイトルをつけるところがすごい。

外国人に「日本は、すごいですねえ」と言わせるぐらいでしか、ホルホルできない日本がちっぽけに見える。

 

さて、この興味深いコラムを、ところどころツッコミを入れながら見ていこう。

タラス戦の時、西側に製紙技術が伝わる

これはそのとおり。
「タラス戦」というのは、日本語訳にそう書いてあったからそのまま書いた。

日本では、「タラス河畔の戦い」と呼ばれている戦いのこと。

1456年最初の印刷物である聖書が出版された
これは聖書の民間普及を意味し、西洋文明の核心であるキリスト教の早い伝播の助けになった。その影響はルネサンスと宗教改革、産業革命につながった。

へえ、そうなんだ。

結果的に高仙芝のタラス戦は人類文明の発展にこの上なく大きな貢献をした歴史的事件だったわけだ

これをもうチョイ詳しくみておこう。

タラス河畔の戦いでは、アッバース朝(イスラーム教の国)が唐(中国)に勝つ。
そして、アッバース側がたくさんの中国人を捕まえた。
そしたらその捕虜のなかに、製紙法を知っている人がいた。

 

そしてアッバース朝が製紙法を知り、イスラーム圏に製紙法が広まることになる。
さらにその後、ヨーロッパに製紙法が伝わることになった(製紙法の西伝)。

だから、タラス河畔の戦いが「人類発展にこの上なく大きな貢献をした歴史的事件だった」ことは間違いない。

 

朝鮮時代の王宮「景福宮」

 

でも、「高仙芝のタラス戦」という表現はどうなのか?

高仙芝は、イスラーム教徒に製紙法を伝えたようとしたわけではない。
戦いに負けて退却した唐の将軍。
高仙芝が戦いに負けたから、「結果的に」製紙法がイスラーム圏に伝わった。

 

つまり、「結果的にタラス戦は」という文でいいんじゃないの?
「高仙芝の」という言葉は特にいらない。
ここらへんから、「うん?」という違和感と「そろそろ、ホルホルが来るかな?」というワクワク感を覚える。

羅針盤もタラス戦以後伝わった文物の一つだ。イスラム人たちはメッカの方向を調べて礼拝し航海に羅針盤を使った。ヨーロッパに伝わった羅針盤のおかげでコロンブスはアメリカ大陸を発見、マゼランは希望峰を見られた。

 

「イスラム人」ってイスラーム教徒のこと。
韓国語では、「イスラム人」という言い方はふつうなのか?
まあ、いいや。
タラス河畔の戦いで、製紙法がイスラーム圏に伝わったことは知っていた。

 

でも、羅針盤も伝わっていたのは知らなかった。
勉強なります。
ありがとうございます。
でも、製紙法も羅針盤も「中国4大発明」のものだよね?
韓国は関係ないよね?

 

それに、さっき「1456年最初の印刷物である聖書が出版された」ってあったけど、印刷術も中国の発明だったよね?

【四大発明】
中国における、紙・印刷術・火薬・羅針盤の発明。いずれもルネサンス期ごろまでに、西洋にも伝えられた。

(デジタル大辞泉の解説)

IMGP1700

唐の時代の塔(大雁塔)

 

このあたりから、「おまえのものはオレのもの、おまえの手柄はオレの手柄」という「ジャイアンの理論」の到来を予感させる。

実際、次にこのコラムの大きなツッコミどころがくる。

それは、次回に。

 

今回の復習

・製紙法がイスラーム圏に伝わったのはタラス河畔の戦い、このときの中国の王朝はなに?
・豊臣秀吉の朝鮮出兵のとき、国を救った韓国の英雄はだれ?
・中国の4大発明はなに?

 

答え

・唐
・李舜臣(りしゅんしん)
・紙・印刷術・火薬・羅針盤の発明

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。