現在のインドでカースト制度とは?憲法とガンディー(ガンジー)


 

はじめの一言

「日本人は厳格ですが、寛大でもあります。最近、外国人はクリスマスの直前に限り玩具は関税を払わずに持ち込んでよいと決めたのは、実に日本人らしいと思います。話が子どものこととなるとどんなに厳しい日本人の心もなごむのです。
(キャサリン 昭和)」
「東京に暮らす (岩波文庫)」

 

 

今回の内容

・カースト制とインド憲法
・カースト制とガンディー
・ガンディーを「聖人化」しすぎじゃない?

 

・カースト制とインド憲法

今のインドにカースト制度はあるのか?

結論からいうと、現在のインドにカースト制度はある。
これをなくすことムリだろう。

インド本にはときどき「インドのカースト制度は憲法で禁止された」と書いてあるものがあるけど、実際にはちがう。

インド憲法で禁止されているのはあくまでも「カースト制度による差別」。
カースト制度そのものは認めている。

インドに関する解説書の中には、1950年の憲法によりインドではカーストが禁止されたと記述しているものがあるが、これは嘘である。

インド憲法15条には、カーストによる差別をしてはならないと記述されているが、カーストの否定や抹消は規定されていない。その後に作られた法律でも、堂々とカーストという単語が使われていることも、インド政府がカーストを認めている証しである

(インド人とのつきあい方 清好延)

 

ボクが読んだ本で、「インドのカースト制度は憲法で禁止された」と書いてあったものは古い本だったから、今のインド本ではこんな記述はないと思う。

 

タージマハル
「どど~ん!」という存在感がある。

 

・カースト制とガンディー

「インド独立の父」とよばれるガンディーも、カーストの存在は認めている。
前に読んだインドの本でこんなことが書いてあった。

「インド独立当時、ガンディーはダリッド(不可触民)を『ハリジャン(神の子)』と名づけてカースト制度を否定する。ガンディーはカースト制度をなくそうとしたのだ」

本のタイトルは思い出せないけど、何かのインド本にこのように書いてあった記憶がある。

でも本当は違う。

マハトマ・ガンジーはカーストによる差別は否定していたが、カースト制度はインドの文化であると容認していた

(インド人とのつきあい方 清好延)

 

インド憲法とおなじ。
ガンディーは「カースト制度による差別」は否定したけど、カースト制度の存在は認めている。

また作家の五木寛之氏は、著書「21世紀 仏教への旅 講談社」の中でこう書いている。

佐々井師はガンジーについて、「あの人は、非常に博愛的なことをいいましたが、ヒンドゥー教に関しては、最高の宗教であるというようにいって、カーストを認めていました」と指摘する。

(21世紀 仏教への旅 講談社)

ガンディーはカースト制度を認めていた。
これは間違いない。
インドでカースト制度を否定することは不可能だろう。

ちなみに、この「佐々井師」という日本人はとてもすごい。
現在のインドでもっとも尊敬を集めている日本人だろう。

どんな人なのかは、「佐々井 秀嶺」をクリックして見てほしい。

 

アジャンターの仏像

 

さらにウィキペディアにはこんな記述がある。

ガンディーはカースト制度を「ヒンドゥー教の根本的な制度」として擁護し、称賛した。

(ウィキペディア)

 

ガンディーは「カースト制度を否定し、なくそうとした」どころではない。

先ほどの五木寛之氏の本には、ガンディーが不可触民に蔑視や差別意識をもっていたことをうかがわせるような記述がある。

ガンジーはアンベードカル博士とはじめて会見したとき、博士が不可触眠であることを知って驚愕したという。それは、インドでこれほど崇拝されている自分に楯つく男が、たかが不可触民だったのが信じられなかったから、と山際氏は述べている

(21世紀 仏教への旅 講談社)

 

「不可触民」というのは、「触れたら穢(けが)れてしまう」と考えられていた人たちのこと。
不可触民たちは上位カーストの人間からいろいろな差別を受けていた。

ちなみにこの内容は「五木寛之 21世紀・仏教への旅」としてNHKで放送されている。
ネットで探したら見ることができると思う。

 

 

・ガンディーを「聖人化」しすぎじゃない?

少しガンディーという人物について書きたい。

日本でガンディーはとても人気がある。
実際、ガンディーがおこなった「非暴力・不服従運動(サティアーグラハ)」という平和的な解決方法は本当にすばらしい。

だけどそのことだけに注目が集まってしまって、ガンディーを実物以上に「聖人化」してしまっているような気もする。

日本の学校では、ガンディーをこんな人だと教えられている。

ガンディー

1869~1948
「インド独立の父」と呼ばれる社会運動家。ロンドンに留学して弁護士資格を取得、南アフリカでインド人労働者のためにたたかうなかで、非暴力・不服従運動の理念を作りあげた。

1915年に帰国、19年頃から独自の非暴力・不服従運動を展開し、あらゆる階級の人々を独立運動に結集、ヒンドゥーとムスリムの対立、不可触民差別の問題などにも取り組んだ。
インド独立後の48年1月、ヒンドゥー教徒急進派によって暗殺された。

(世界史用語集 山川出版)

 

ボクはガンディーを尊敬しているけど、崇拝しているわけではない。
ガンディーは神ではない。
だからガンディーが人格者や聖人でなくても困ることはない。

ガンディーは平和主義者である前に、インドを愛する愛国者だった。
それとガンディーの「非暴力・不服従」というのは、決して「無抵抗主義」を意味するのではない。
ガンディーは無抵抗でいるよりは暴力をすすめている。

 

お札にはガンディー

 

ガンディーがすごい人だといっても、完璧な人格の持ち主でなくて欠点のある一人の人間だったはず。

もしガンディーが、「インドでこれほど崇拝されている自分に楯(たて)つく男が、たかが不可触民だったのが信じられなかったから」と思ったとしても、それはそれでいい。
そうであったとしても、ガンディーは尊敬に値する人物だと思う。

 

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