日本とインド、社会と人の違い:国旗・愛国心と宗教間の争い


 

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「右翼だ!」という言葉の意味は、それを使う人によって違う。
だから、いろいろな意味があって難しい。

でも、日の丸を見たり君が代を耳にしたりしただけで、「右翼だ!」という人は今の日本でどれぐらいるのだろう?

産経新聞の記事(2017.2.6)から。

「日の丸は右翼的なのか。そんな国は日本だけ」「日本は戦争に負けた資源小国のままか」青山繁晴参院議員が群馬・高崎で講演 

演題の「祖国」について「右翼的だという人が今も多い。日の丸や君が代に対してもそうだ。そんな国は世界中捜しても日本だけ」とした

 

学校の卒業式に日の丸があることを嫌う教師がいて、日の丸をあげさせなかったり、日の丸を引きずりおろしたりするような事件がおきていた。
ちょっと前の日本ではよくあった。

 

そのことを韓国人やタイ人、インドネシア人などの友人に話すと「なんでそんなことをするんですか?」と驚く。

「太平洋戦争があったことで、日の丸に反対する人たちがいるんだよ」と言っても、理解できずに不思議そうな顔をする。

そんなことをする国は、世界中さがしても日本だけだろう。

 

日の丸を引きずりおろす行為は、韓国人や東南アジアの人びとには関係がない。
あんな行為と自分たちとを結びつけられたら、アジアの人にとってはいい迷惑だ。

 

それに日の丸を見ただけで「右翼だ!」と思う人がいたら、今回書くインドのことを知ったらきっと恐怖で言葉を失う。

 

 

前に国旗の話を書いた。
今回もその流れで国旗がテーマ。
世界の国旗・インド編。

 

 

「インドってやっぱ、日本とは違うなあ」

と感じるのは、インド人の愛国心の強さを知ったとき。

去年、インドの映画館で映画が上映される前には、必ずインドの国歌を流すことが法律で決められた。

産経新聞の記事(2016.12.6)の記事から。

全映画館で国歌義務化 インド最高裁命令に波紋

世界屈指の映画産業「ボリウッド」を抱えるインドで、最高裁が6日までに全ての映画館で上映前に国歌の演奏を義務付ける命令を出した。愛国心の向上が目的としているが、表現の自由などを巡り波紋が広がっている。

11月30日に発表された決定によると、全ての映画館で上映前に国歌を演奏する。演奏中は出入り口を閉鎖し、スクリーンには国旗を映し観客は起立しなければならない。

 

「日本人とインド人お違いは、愛国心だ」と、インドのムンバイ(旧ボンベイ)で働いていた日本人がブログに書いている。

その日本人から見ると、インド人の愛国心の強さは「怒りすら覚えるレベル」らしい。

インド人考察1(愛国心編)

あるインド関係の本で読んだと思うが、インド人はインドが大好きだという。インドに関わり始くめてはや2年が過ぎましたが、この意見は確かに正しいと感じています。
(中略)ことインド人の自国に対する感情はかなり熱いものがあります。不思議なくらい無邪気に自国ののことを礼賛する傾向が強い。

(中略)実際にこちらで生活してみると、かなり鼻につきます。というか、時々怒りすら覚えますね。日本人は、必要以上に自国を卑下する傾向が強いと思いますが、インド人は、全く逆。これこそ足して二で割ったらちょうど良い感じになるでしょうけどね。。。。

 

先ほどの国旗法案のことを友人のインド人に聞いてみた。

「インド人はもともと愛国心が強いと思う。なのにさらに愛国心を強くする必要ってあるの?」

彼はこんなことを言う。

「あの法案には賛成だよ。今のインド人はもっと愛国心を高める必要がある。インドではヒンドゥー教徒とイスラーム教徒の対立があるからね。宗教の争いを防ぐためには、『自分はインド人だ!』という気持ちをすべてのインド人に持たせることが良い方法だよ」

 

つまり、自分のアイデンティティーを宗教より国籍に求めるようにさせること大事らしい。

「オレはヒンドゥー教徒だ!」「ムスリム(イスラーム教徒)だ!」というのではなくて、「オレはインド人だ!」という気持ちをみんなが持つようにさせる。

宗教間の争いを防ぐには、そのことが効果的なんだとか。

 

アジャンター石窟院の仏像

 

日本とインドの社会の違いといえば、「多様性」がある。
インドには、いろいろ民族、宗教、言葉の人たちが住んでいる。
本当にバラエティー豊かな国。

 

インド国内の言葉の複雑さは、インドのお札を見ればわかる。
このブログで何回か紹介しているけど。

下の写真の100ルピー札の左側には、15種類の文字がある。
すべて「100(ルピー)」と書いているらしい。

インドにはいろいろな文字があるから、お札には最低限これだけの文字が必要となるらしい。

友人のインド人はこんなことを言っていた。

「別の州に行ったら文字が変わってしまう。だから、新聞が読めなくなるんだよ」

もちろん英字新聞やヒンディー語の新聞なら読むことはできる。

同じ国でも、別の地方に行くと新聞が読めなくなる!
日本とはまったく違う社会だ。

 

 

インド社会の宗教はこんな感じ。

外務省のインド基礎データから。

ヒンドゥー教徒79.8%、イスラム教徒14.2%、キリスト教徒2.3%、シク教徒1.7%、 仏教徒0.7%、ジャイナ教徒0.4%

(2011年国勢調査)

 

インドでは、昔から宗教対立が社会問題になっている。
特にイスラーム教とヒンドゥー教の争いは本当に深刻で、今までに多くの死者を出してきた。

イギリスからのインド独立を指導したガンディーもそのために暗殺されている。
ガンディーは、「ヒンドゥー教徒もイスラーム教徒と仲良くしましょう」と言ったため、それに怒ったヒンドゥー教徒によって殺害されてしまった。

 

また1992年には、インド北部にあるアヨーディヤーという都市で、モスク(イスラーム教の礼拝所)がヒンドゥー教徒によって破壊されるという出来事があった。

このときはインド全土でイスラーム教徒とヒンドゥー教徒の争いが起きて、1000人以上の死者を出す大惨事になった(バーブリー・マスジド破壊事件)。

これ以上のことを知りたかったら、インドの宗教間対立を見てください。

 

 

経済成長も人びとの安全な生活も、治安が安定していることが前提となっている。

インドで治安の安定を考えるなら、「宗教間の対立をどうやって防ぐか?」ということがとても大事。

友人のインド人が国旗法案に賛成した理由も、人びとがインドで安心して生活できるようになるためだった。

彼の観点に立てば、この法案は愛国心を高めることそのものを目的としているのではない。
愛国心を高めることは手段。
それによって、インドの治安を安定させることを目的にしている。

これは彼の個人的な考えだけど、確かにそのねらいはあると思う。

 

日本人とインド人は愛国心の強さが違うけど、アイデンティティーのおきどころも違う。
日本人で自分のアイデンティティーを宗教(~信者)においている人はほとんどいない。

「え?自分の宗教ですか?無宗教です」

と答える日本人が圧倒的に多いから。

 

国旗法案が決まる前からも、上映前にインドの国旗を映して国歌を流す映画館はあった。

 

ちなみに、さっきの日本人のブログにはこんなことも書いてあった。

マスコミの論調も、基本的に”大国インド”を前面に出したものが中心で、自国の主張が国際社会に受け入れられない時も、”すべて国際社会の不理解が原因”ということになります。

インド人考察1(愛国心編)

 

「インドと世界が違ったときは、インドが正しい」
「世界の理解不足にその責任がある」

この自己中心っぷり。
どこかに似た国もあるような・・・。

 

う~ん、それはどこだろう?
教えてよ、ヘチ

 

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