日本の新聞が「慰安婦像」より韓国政府の「少女像」を使う理由


 

まあ、まずは朝日新聞の社説(2017年2月10日)を読んでください。

ボクはこれを読んで、いくつか「おっ」と思ったことがあった。

「日韓外交 双方の利益を考えよ」

一時帰国は韓国の市民団体が昨年末、釜山の日本総領事館付近に慰安婦問題を象徴する像を設置したことへの対抗措置だ。

韓国ではその後、大統領に疑惑が浮上し、国政が混乱に陥った。だが、その事情があったにせよ、敏感な国際問題を自治体の判断にゆだねるような韓国政府の無責任な振るまいが、今日の対立を招いたのは確かだ。

 

今の状況だと「日韓外交 双方の利益を『韓国が』考えよ」というほうが正しいでしょ。

悪化した日韓関係を動かすには、慰安婦像を撤去するしかない。
でも日本が韓国国内の慰安婦像を動かすことなんてできるわけがない。

慰安婦像を撤去することは韓国の国内問題なんだから、韓国政府がするしかない。

日本が双方の利益をどれだけ考えたとしても、現状からしたら日本は韓国を信じて待つしかない。

でも朝日新聞にしては、こんな言葉は珍しいと思う。

「韓国政府の無責任な振るまいが、今日の対立を招いたのは確かだ」

韓国政府の無責任ぶりを批判している。

「屋上には旭日旗、心には太極旗」といわれるほど韓国よりの朝日新聞でも、さすがに今の韓国はかばいきれないか。

 

 

それより、「あれ?」と思ったのがこの言葉。

「慰安婦問題を象徴する像」

おっ、朝日新聞がついに「少女像」ではなくて「慰安婦問題を象徴する像」と書いているゾ。

ボクが知っている限りでは、これまで朝日新聞はずっと「少女像」と書いていた。
朝日新聞が少女像ではなくて、「慰安婦問題を象徴する像」と書いているのを初めて見た。

 

最近、菅官房長官が会見で「日本政府では、あの像を慰安婦像と呼ぶことで統一した」と言っていた。

それまで日本政府が「少女像」と「慰安婦像」と2種類の呼び方をつかっていたことに批判が集まって、「慰安婦像」に決めている。

そんな日本政府の動きを受けて、朝日新聞も「少女像」から「慰安婦問題を象徴する像」へと変えたのだろうか?

 

その一方で、朝日新聞の「天敵」である安倍首相は「私は朝日に勝った」と勝利宣言をしていたんだけどね。

産経新聞の記事(2017.2.11)から。

安倍晋三首相「私は朝日新聞に勝った」 トランプ大統領「俺も勝った!」 ゴルフ会談で日米同盟はより強固になるか?

昨年11月の米ニューヨークのトランプタワーでの初会談で、軽くゴルフ談議をした後、安倍はこう切り出した。

「実はあなたと私には共通点がある」

怪訝な顔をするトランプを横目に安倍は続けた。

「あなたはニューヨーク・タイムズ(NYT)に徹底的にたたかれた。私もNYTと提携している朝日新聞に徹底的にたたかれた。だが、私は勝った…」

これを聞いたトランプは右手の親指を突き立ててこう言った。

「俺も勝った!」

一国の総理が子どもっぽいことを・・・。
なんて思ったけど、トランプ大統領には効果があったという。

トランプの警戒心はここで吹っ飛んだと思われる。

 

これが、この前の訪米での破格の好待遇につながっているという。
相手にふさわしい言い方や話題をチョイスすることが大事なんだと知った。

 

冷麺。
麺をはさみで切るのが韓流。

 

前回、韓国人のこんな言葉を書いた。

「日本を許そう」
「大韓民国は日本を許す」

「約束を守っていない韓国が、約束を守った日本によくそんな言い方ができるもんだな?」と思ってしまうけど、この言葉も韓国人の感覚からしたら「ふつう」。

韓国人が日本に何かを言うときは、「日本は加害者で、韓国はその被害者」という無意識の前提があるから、これぐらいの言葉は自然に出てくるんだろう。

 

だからこの前提を壊されると韓国人は怒る。
「今度は韓国が誠意を見せていただきたい」と安倍首相が言った言葉は、日本人の感覚からしたらあたり前でも、韓国人には通じない。

「韓国は加害者で、日本はその被害者」という立場は認められないから。
「韓国政府の無責任な振るまいが、今日の対立を招いたのは確かだ」という立場であっても、「日本を許そう」と言うのが韓国人という人たち。

 

でも個人的には、韓国が「日本を許そう」と言うことはまだわかる。

10年以上、韓国の新聞を読んできているから、韓国人の価値観や考え方は少しはわかる。

雨の日も風の日も常に被害者意識を忘れず、道徳的に優位な立場から言葉を発するとしたら、「日本を許そう」という言葉が自然と出てくることは理解できる。

 

でもよくわからないのは、日本のマスコミで今でも「少女像」という言葉をつかっているところがあること。

 

 

先ほどのように、朝日新聞は「少女像」から「慰安婦問題を象徴する像」へと言葉を変えた。

でも「少女像」という表現をまだつかっている新聞もある。

たとえば、デーリー東北はこう書いている。

日韓関係 大使帰任へ共に努力を

釜山の少女像の設置は、慰安婦問題の最終的な解決をうたった2015年末の日韓合意の精神に反している。日本政府が少女像の設置に対して取った、駐韓大使の一時帰国という対抗措置はやむを得ない面がある。

 

日本政府は「慰安婦像」という呼び方で統一したのに、なんでデーリー東北は、韓国政府や韓国のマスコミが使っている「少女像」という呼称を使っているんだろう?

 

東京新聞の社説(2017年2月14日)でも、「少女像」をつかっている。

北ミサイル発射 監視と包囲さらに強く

日本政府は慰安婦問題を象徴する少女像について韓国政府の対応に抗議し、駐韓大使を一時帰国させ、既に一カ月が過ぎた。北朝鮮のミサイル発射をどれだけ正確に探知するか。日韓の防衛協力を深めるためにも、大使の復帰を考える時期に来ている。

 

日本から見たら「少女像よりも慰安婦像のほうが適切だ」と日本政府が判断したから、「慰安婦像」の呼称で統一することになった。

それに実際の慰安婦には、少女像像のような「少女」なんていなかった。
歴史的な事実に反するという点でも、「少女像」という呼称にはムリがある。

 

さらには「少女像」だと、「慰安婦のなかには、本当に中学生ぐらいの少女がいたんだ」という誤解を招きかねない。

実際、慰安婦像を見て「そうだ、慰安婦は少女だったんだ」と勘違いして、「私は涙を流した」という人の声が朝日新聞にのったこともある。
だから、「慰安婦像」という呼称が正しいと思う。

 

でも、韓国政府には韓国の立場や見方がある。
韓国の価値観や考え方からしたら、「少女像」という呼称が適切だと考えていることは理解できる。

 

 

毎日新聞も「少女像」をつかっている。

「大使帰国1カ月 正常化へ日韓で努力を(2017年2月10日)」という社説で、「慰安婦を象徴する少女像」と書いて、その後はすべて「少女像」としている。

 

新聞社が日本政府とは違う考え方をしていて、別の表現をつかうことはいい。
でもこの「少女像」については、どう考えても「慰安婦像」のほうが適切だと思う。
なんで少女像のほうが適切だと考えているのか?
その理由を知りたい。

 

韓国人が「日本を許そう」とか「大韓民国は日本を許す」と言うことは、受け入れらないけどその発想は理解できる。

それよりも、日本のマスコミが今でも「慰安婦像」ではなくて「少女像」といっていることが気になるし、その理由がよくわからない。

でも、「少女像」という言葉をつかっている日本の新聞の記事を読むと、日本政府よりも韓国政府に近い考え方をしていることはわかる。

「とにかく早く駐韓大使を韓国に戻せ」
「いいから、日本が韓国に一歩ゆずれ」
そんなことを書いている。

 

そうなると、ボクの発想が間違っていたのかもしれない。

日本政府が「慰安婦像」と呼んでいるけど、韓国政府は「少女像」という呼称をつかっている。
だから、日本の新聞も「少女像」という呼称をつかっているのかもしれない。

 

 

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