外国人に「日本」の国名の由来を説明する。倭を嫌った理由は?


 

外国人の反応をまとめたサイトで、こんな記事があった。

海外「日本という国の名前の由来はこうだったの?外国人だけど悲しい…」海外の反応

 

2017年4月21日の記事だから、つい最近のもの。
それによると、「日本」という国名の由来は下の絵のようなものらしい。

 

 

なんで引き出しと電信柱から「日本」となるのか?
さっぱり分からん。

でもそれはいいとする。

この「日本の由来」に対する外国人の反応が問題だ。

電柱と引き出しとか
どっちも歴史は浅そう

中国が名付けたんでしょ。。文句は中国へ

「日本」は中国から来たんですよ

 

「日本」は歴史が浅い?
「日本」は中国がつけた?

ボクが会った外国人の中でも、日本という国名を中国がつけたと思っていた人がいた。
こう考えている外国人は多いかもしれない。

日本に住んでいる外国人には、日本という国名の由来に興味がある人がたくさんいると思う。
今までに何回か、外国人に日本の由来を説明したことがある。

ということで、今回は「日本」という国名について簡単に書いていきたいと思う。
日本に興味がある外国人に話すときに役立つし、なにより日本人として日本の由来は知っていてもいい。

「日本」という国名は中国人がつけたのではない。
それどころか、中国人がつけた国名を日本人は嫌がっていた。
それで日本人が「日本」という国名を考え出している。

 

 

「日本」という国名ができたのは7世紀の後半とされている。

「何年何月何日に『日本』という国名ができた」という記録は残っていないから、正確には分からないけど、「日本」が国際社会で認められた年は分かっている。

それは701年。

670年の遣唐使のときには国号(国名)を「倭国」としていたけど、701年の遣唐使から「日本」に変わっている。

「日本」という国号が国際的に認知されるのは七〇一年任命の大宝度(たいほうど)の遣唐使の時であり、六七〇年の遣唐使の際には「倭国」を称していたようであるから、倭国から日本へ国号が変更されたのも、この天武・持統朝頃であったと考えられる

「『日本』国はいつできたか (大和岩雄)」

 

「天武・持統朝頃であった」と書いてあるから、「日本」という国名がつくられたのは飛鳥時代(7世紀の後半)だったということは分かる。

 

ということで、「日本」という国名をつけたのは中国人ではなくて日本人。
さらに日本の「歴史」は浅くはない。
今の世界にある国名の中でも、かなり古いものになる。

日本より古い国はあるのだろうか?

 

 

でも、日本人が「これからは国名を倭から日本にする!」といっても、国際社会がそれを認めなかったら意味がない。

この当時の日本にとって、国際社会とは事実上、中国と朝鮮半島のこと。
中国の皇帝が「日本」という国名を認めたら、国際社会で認められたことになる。

でもそれは、とくに問題なかったらしい。
下の文は、先ほどの701年に任命された遣唐使のこと。

中国側は倭国が国号を変更して日本国と称していたことを知らなかったのだ。 この倭国から日本国への国号の変更を認知してもらい、日本国の名称が国際的承認を得た

「遣唐使の光芒 (森公章)」

 

こうして日本は、「倭」から「日本」になった。
世界の中の日本が生まれた瞬間でもある。

 

 

「日本」とは、中国から見て太陽が昇るところ、「日の本(ひのもと)」だといわれている。

日本にいるイギリス人が、外国にいる友人にスターバックスのフラペチーノをSNSで紹介したとき、日本のことを「the land of the rising sun」と書いていた。
まさに日の本の国。

ちなみにこれがその全文。

For those not in the land of the rising sun, it’s an American cherry pie frappucino with a pie crust!

 

 

ちなみに、「日本」という国名を認めたのは中国の則天武后そくてんぶこうという皇帝。
中国の歴史で、女帝になったのは則天武后しかいない。

武 則天(ぶ そくてん)は、中国史上唯一の女帝。唐の高宗の皇后となり、後に唐に代わり武周朝を建てた。

(ウィキペディア)

 

日本では「則天武后」として有名だけど、中国では「武則天」とよばれている。
もちろんまったく同じ人物。
「皇后」という面を重視するか、「皇帝」という面を重視するかの違いで呼びかたがちがっているだけ。

 

A_Tang_Dynasty_Empress_Wu_Zetian

則天武后(ウィキペディア)

 

 

ところで、なんで日本人は「倭」から「日本」へ国名を変えたのか?

じつは、「倭」という漢字にはとても悪い意味があった。
「倭」は中国人が日本につけた国名で、これには日本に対する蔑視べっしがある。

これが「倭」という漢字の意味になる。

しなやかだが、たけが低く、背の曲がった小人をあらわし、『矮(わい:背が低い)』と同系のことばである

「『日本』国はいつできたか (大和岩雄)」

 

香港人に「倭」という漢字のことを聞くと、こう言っていた。

「とても悪い意味ですね。差別語ですよ。中国人が日本人をバカにするときに使いますけど」

 

当時の日本人としては、日本をバカにする「倭」という字を使いたくなかったのだろう。
それに「倭」は、中国人が考案した国名でもある。

それで、倭人がこの国にふさわしい名称を考えてつくり出したのが「日本」だった。
そういうことだと思う。

 

中国の歴史書「旧唐書東夷伝(くとうじょとういでん)」には、日本人が「日本」という国名にした理由をこう書いてある。

倭国がみずからその名が雅(みやび)やかでないことをにくみ、改めて日本とした

 

 

ということで、ボクが外国人に「日本」という国名の由来を説明するときには、下の3点を話している。

・「倭」という国名は中国人がつけたもので悪い意味がある。だから日本人はそれを嫌っていた。
・それで、日本人が「日本」という新しい国名を考え出した。
・それが6世紀(飛鳥時代)のことで、国際社会で「日本」が認められたのは701年のころ。

 

このことは日本人としておぼえておいてもいいと思う。
少なくても「引き出し+電信柱=日本」ではない。

 

 

おまけ

「倭」という言葉はとても悪い意味がある。
でも困ったことに、韓国では学校で先生もこの言葉を使っているという。

ハンギョレ新聞の記事から。

サッカーなどスポーツ競技で韓日戦が繰り広げられる日には、授業中に教師をはじめ友達の間でも「倭のやつら、チョッパリ」などのヘイト表現が自然に行き交った。

「“多文化”は放課後残れ」差別は依然として…多様性尊重する教育が必要

 

本当にこういうことはやめてほしい。
少なくても、学校の先生が「倭」なんていう差別語を使うべきではない。

 

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