韓国で「医療崩壊・命の選別」が進み、国民が文政権に激怒

 

ここ最近、韓国で広がるコロナ禍は最悪レベル。
1日の新規感染者・重症者・死亡者は過去最多を何度も更新していて、病院はパンク状態になり、必要な治療を受けることができずに亡くなる患者が続出している。
妊婦を受け入れる病院が見つからず、救急車の中で出産するなどいろんな人に影響が出ているものの、政府の動きは鈍い。

下の朝鮮日報の記事によると、ここ最近の韓国での死亡者は人口100万人当たり7.8人。(2021/12/24)
日本の0.1人と比べると、この数字の重さがわかると思う。

韓国重症者医学会「予測生存率80%以上なら病床を優先的に割り振る」

治療を行う側の人数・時間・物資が限られているなかで、できるだけ多くの命を救うためには、はじめにその可能性の高さを判断して、助かりそうな人を優先して治療を行うしかなくなる。
本来なら「どの患者さんも平等に」というところだけど、いまのコロナ禍はそれを許してくれない。
それでついに、こんな「命の選別」といえるような発表があった。

予測生存率が80%以上の患者を最優先にして病床を割り振り、回復の見込みがない患者は順位を下げるべきだという「重症者用病床の入退院基準」を発表した。

 

「〇〇%未満」と判断され、順位を下げられた人やその家族には怒りや絶望しかないだろうけど、その決定を伝える病院側にもこれは重いしつらい。
大学病院に勤務するオム・ジュンシク教授は病床を効率的に使うため、「回復の可能性が高い患者を選別し、重症者用病床を優先配分しなければならない」と強調する。

「政府の病床確保指針で現在の新型コロナ重症者増加傾向に対応するには不十分」と専門家が指摘している状況下で、多くの人を助けるためには、あきらめてもらわないといけない人も出てくる。
それでも光はあって、60歳以上の人たちにはワクチンの追加接種の効果が出ていて、感染者の割合が減っているという。

 

さて、11月はじめごろ、

「政府は少しずつ日常生活を回復していく『ウィズコロナ』を始めるというけど、感染者が増えているのに本当に大丈夫なのか?不安しかない」

と言っていたソウルに住む韓国人とこのまえ話をしたら、

「こうなると思った!また規制が増えてきて、友だちとご飯を食べることもむずかしくなっている。経済も外交もダメだった文政権でK防疫だけは評価できたのに、今回の失敗でそれも消えた。」

「ウイズコロナ」政策が始まった11月はじめ、1日1000人台だった感染者数は12月に入ってから8000人近くにまで急増したのだから、この怒りはしごく当然。

 

感染者の広がりやを致死率を抑えていて、コロナ対応では世界的にも一目置かれていた韓国で、「医療崩壊」と「命の選別」が始まったことは日本にも衝撃を与えた。

週刊文春(2021/12/24)

「回復の見込みのない患者は後回しに…」“優等生”だった韓国で、なぜ医療崩壊が起きたのか《韓国では日本に注目も》

回復の見込みのある人が優先された結果、そのゾーンに入ることができなかった母親が、設備のある病院に転院することができずにそのまま亡くなった。
「母の遺体は隅に放置されたままでした」 と話す子どもは文政権に激怒する。

「『K防疫』と浮かれて、病床も確保せず、政府は何をやっていたのか。ふざけるなと言いたい」

ここまでの感染爆発の原因はなにか?
上の記事では専門家も知人と同じように、「状況が悪い方向に向かっていたにもかかわらず、政府は、『ウィズコロナ』を行ってしまった」と政府の判断ミスを指摘する。

こうなると、死亡者数で「78:1」という圧倒的な差のついた日本に注目が集まるのは必然だ。
文政権や与党は防疫と経済の二兎を追って、両方ともゲットして来年3月の大統領選での勝利を狙っていたのが、欲張りすぎて急ぎすぎて、まさかの大失敗をしてしまった。
加えて韓国政府にとっては、かつての「K防疫」自慢がそのままブーメランになって大ダメージを負っている。
この先どうなるかは未知だけど、状況を見極めて「ウィズコロナ」を慎重に進めていった日本はいまのところ成功している。

 

 

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5 件のコメント

  • 「命の選別」って、センセーショナルな見出しをつけて報道していますが。そんなのはTVドラマでも見ていりゃ分かる通り、日本だって、大事故の救命救急現場では普通に実施されていることです。発生する患者・傷病者に対して、医療の人的物的資源【リソース】(=医者・看護師など人的資源、および医療器具・入院施設など物的資源)が不足した場合には、まずやるべきはトリアージュ(=仏語:選別の意味)しかない。
    トリアージュしたくなければ、対応できるリソースを確保するしかない。

  • >日本だって、大事故の救命救急現場では普通に実施されていることです。
    この具体的な根拠はありますか?

  • >>日本だって、大事故の救命救急現場では普通に実施されていることです。
    > この具体的な根拠はありますか?

    えー!、驚いたな。トリアージ・タグって知りませんか?

    あれは別にドラマの中だけの絵空事じゃありませんよ。現実世界で使われているものです。

  • >普通に実施されていることです。
    具体的に年間で何回実施されているのでしょう?頻度がわかれば普通に行われているかどうかがわかります。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。