仏教・キリスト教・イスラム教の比較① 共通点と違い 宗教と金もうけ

 

始めの一言

「田舎の旅には楽しみが多いが、その一つには道路に添う美しい生垣、戸口の前に綺麗に掃かれた歩道、家内にある物がすべてこざっぱりとしていい趣味をあらわしていること、可愛らしい茶呑茶碗や土瓶急須、炭火を入れる青銅の器、木目の美しい鏡板(モース 明治時代)」
「日本賛辞の至言33撰 ごま書房」

 

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今回の内容

・「世界3大うざい国」について
・イスラーム教・仏教・キリスト教の共通点。
・イスラーム教と仏教・キリスト教の違い。
・イスラーム教と「金もうけ」

 

・「世界3大うざい国」について

日本人旅行者の間で、「世界三大うざい国」と言われている国がある。

インド・モロッコ・エジプトの3つの国で、「商売が強引で、さらにしつこい!」ということからその称号をあたえられたらしい。
この3つの「うざい国」を見て、あることに気づいた。

この3つは、イスラーム圏の国だ。

ひょっとしたら「うざい!」とイスラーム教の考え方には、何か関係があるのではないか?
ということで、今回はイスラーム教と「金もうけ」の関係を考えてみた。

 

 

・イスラーム教・仏教・キリスト教の共通点

今の日本の常識では、お金をもうけることは決して悪いことではない。
当たり前のことだし、生活のために必要なこと。

不法な手段でもうけることは論外として、「もうけ過ぎだ」というイメージは周囲の人たちに良い印象を与えないけど。

「金もうけは悪くはない」という考え方は、今では当たり前になっているけど、ずっと前はそうではなかった。

 

世界宗教と呼ばれる「仏教・キリスト教・イスラム教」と呼ばれる3つの宗教には、こんな共通点がある。

開祖があり、人間性の深い理解に基づく個人の救済を教説の中心としているのが共通点。

(大辞泉)

仏教では一般的に、死ねば極楽に行くという救済の考え方があるけど、民族宗教の神道では「個人(魂)の救済」という考えがないという。
その証拠に、「神道での魂の救済」について具体的にイメージできる日本人は、まずいないだろう。

誰でも、死後の不安はある。
民族を越えて広がるような世界宗教には、人びとを死の不安から救うような教えが必要だったはず。

 

イスラーム教の国「イエメン」

 

・イスラーム教と仏教・キリスト教の違い。

この3つの世界宗教で、イスラーム教には仏教やキリスト教とは違う特徴がある。
現代では、世界中の常識となっている「お金を稼いでいいですよ」という「金もうけ(利潤の追求)」を、昔から認めていたこと。

イスラムにはそもそも商業活動や利潤の追求そのものを全否定する思想がない。‘イスラム法の枠内において’という限定はあるものの、最初から利潤を追求することが許されている

(イスラム原論 小室直樹)

イスラーム教・仏教・キリスト教の3つの宗教を「開祖(始めた人)」の職業からも、それが分かる。

キリスト教を始めたイエスの職業は、ラビ(教師)。ちなみに、父親は大工さん。
「教師」といっても、もちろん、今の日本でいう「学校の先生」ではない。「宗教指導者」の意味になる。
仏教のシャカの職業(?)は、インドの王子様。 カースト制でいえば「クシャトリア・カースト」になる。

これらに対して、イスラーム教のムハンマドは商人だった。

 

ムハンマド本人が商人で、イスラーム教が広まったときのアラビア半島には多くの商人が住んでいた。
そんな時代背景があって、イスラーム教の教え(クルアーン)には、商売に関するものが多い。

クルアーンで商売に関係する句が多いのは、メッカが商業が盛んであり、かつムハンマドがその経験を積んでいたことによる。例えば次のような句がある。

計算する時は量目を十分にしなさい。また正しい秤で計りなさい。それがより立派であり、良い結果となる。(17章35節)

(聖典「クルアーン」の発想 大川玲子)

評論家の小室直樹氏は、仏教やキリスト教では「絶対にない」というイスラーム教の特徴を次のように書いている。

アッラーの美質の中には、何と「勘定高い」(表中では「計算」と示されている)という項目が掲げられている。
つまり、アッラーの神は商売上手の神様でもあるのだ。
その証拠に、コーランの中には次のような言葉さえ出てくる。

「アッラーに素晴らしい貸付けをする者はいないか。何倍にして
もそれを返却して戴けるぞ」(二―二四六)

 

言葉を換えれば、これは‘天に投資を貯金せよ’ということである。
神様に投資をする、あるいは貸し付けるというという表現は、仏教はもとよりキリスト教やユダヤ教の中にも絶対、出てこない。
しかしイスラムは、神のことを商売の論理で語る。

(イスラム原論 小室直樹)」

このようなことで、イスラーム教は他の世界宗教と比べると、とても「商売っ気」が強い宗教で、金もうけをまったく悪いことだと思っていないことが分かる。

ここが、キリスト教や仏教とは大きく違う。

次回、キリスト教と仏教では「金もうけをどう見ていたか?」について書きます。

 

 

おまけ

2016年10月31日(ハロウィーン!)の産経新聞の記事で、このようなものがあった。
女性は厳しいイスラーム教の国のイランで、政府から「女性は自転車に乗ってはいけない」という意見が出されたことで、国内で議論が起きているという。

こういう議論は、仏教やキリスト教では考えられない。

「堕落を招く恐れ」 イランで女性の自転車「禁止」に賛否

厳格なイスラム体制下のイランでこのほど、最高指導者ハメネイ師が、公共の場所で女性が自転車に乗るのは「公序良俗に反する」として、やめるべきだとのファトワ(宗教見解)を出したことに、保守層から歓迎の声が上がる一方、愛好家らの間で動揺が広がっている。

「男性の関心を引き、社会の堕落を招く恐れがある」。ハメネイ師は、女性が自転車に乗るのを許されるのは、知らない男性の目に触れない場所に限られるとの見解を9月に示した。

 

今回の復習

・キリスト教を始めた「イエス・キリスト」の職業はなに?
・仏教を始めたシャカの職業はなに?
・イスラーム教を始めた人とその職業はなに?

 

答え

・ラビ(教師、宗教指導者)。ちなみに、父親は大工。
・インドの王子様。
・「ムハンマド」で、商人だった。

 

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2 件のコメント

  • アルクーランの事をもっとよく勉強してからイスラムのことを話した方がいい。
    勝手な解釈で神が利益を得ようとしている、と言うのは勉強不足、知識不足を自慢しているみたいだ。

  • 「アルクーラン」ではなくて、「クルアーン」か「コーラン」でいいですよ。
    「勝手な解釈で神が利益を得ようとしている」というのは具体的にどの部分ですか?
    「勉強不足、知識不足」であれば、「自慢」にはなりません。

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    今まで、東南アジア、中東、西アフリカに旅をしてきました。外国に行って初めて気がつく日本の良さや特長があります。以前、歴史を教えていたので、その経験もいかして、日本や世界の歴史や文化などをテーマに、「読んでタメになる」ようなブログを目指します。