米、エルサレムを首都認定←世界の反応とインティファーダとは?

 

「インティファーダ」って言葉を聞いたことありますか?

涼宮ハルヒが参加しているこのデモも、インティファーダに関係してますよ。

20061220_21132

イスラエルのパレスチナ自治区ガザで、「子どもを殺さないで」と書かれたプラカードを手にデモに参加する少女。
画像は「(c)AFP/MAHMUD HAMS」から。

 

「インティファーダ」という言葉は高校の世界史で習う。
それに、たぶんこれからイスラエルのニュースで聞くことになる。

ということで、今回はこのインティファーダってのを説明しようと思う。

 

イエメンのおっさん。
もちろんイスラーム教徒の人たち。

 

つい最近、アメリカのトランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認めた。
これで世界中が大騒ぎになっている。

トランプ大統領の決定に対する世界の反応を、このAFPの記事からひろっていきたい。

米のエルサレム首都認定、世界各国が非難 「2国家共存を破壊」

 

〇パレスチナ

パレスチナ解放機構(PLO)の事務局長は、トランプ大統領は「2国家共存の解決案を破壊した」と非難した。
パレスチナ自治政府のアッバス議長も、「嘆かわしく容認不可能なこれらの措置は、あらゆる和平努力を意図的に掘り崩すものだ」と批判。
パレスチナ自治区のガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスは、「同地域における米国の国益に対する地獄の門」を開くものだと表明した。

 

〇イラン&トルコ

イランは、アメリカの決定は「新たなインティファーダ(反イスラエル闘争)」を引き起こす恐れがあると警告。
トルコも、「国際法と、関連の国連(UN)決議に違反している」と非難した。

 

〇ヨーロッパ&国連

フランスのマクロン大統領は「遺憾」とし、トランプ大統領に「何としても暴力を避ける」努力を尽くすよう呼びかけた。
イギリスのメイ首相も、この決定は和平努力にとって「役に立たない」とし、英政府は同意できないと言明。
ドイツのメルケル首相もアメリカの方針を「支持しない」との見解を表明した。
欧州連合(EU)はトランプ氏の決定に「深刻な懸念」を表明。

国連事務総長は、エルサレムの地位はイスラエル・パレスチナ間の直接交渉を通じて解決されなければならないと述べ、トランプ氏の決定を批判する。

 

アメリカ&トランプ大統領は世界中からたたかれている。
唯一の味方はイスラエルだけ。

イスラエルのネタニヤフ首相は、トランプ大統領の決定について「歴史的」で「勇気ある」と称賛している。

 

また、日本のネットにはこんな反応もあった。

「なにが問題なの?ゆとりでも分かるようにおしえて」

 

エルサレム(ウィキペディアから)

エルサレムとは「平和の都(町)」という意味なんだが?

エルサレム(Jerusalem)

《平和の町の意》パレスチナ地方の古都。

デジタル大辞泉の解説

 

イランは「新たなインティファーダを引き起こす恐れがある」と警告していたけれど、これより先に、イスラム原理主義組織ハマスがそのことを言っている。

AFPの記事(2017年12月3日)から。

米国がエルサレムをイスラエルの首都と認めたり大使館をエルサレムに移転させたりすれば、「インティファーダ(反イスラエル闘争)」の再開をパレスチナの人たちに呼びかけると警告した。

米が「首都エルサレム」承認なら「インティファーダ」再開、ハマスが警告

「インティファーダ」とは、パレスチナ人によるイスラエルに対する抵抗運動のこと。
日本のテレビで、パレスチナの人たちが反イスラエルデモをおこなったり石を投げたりする様子を見たことがある人は多いと思う。

 

この「インティファーダ」は、高校生が学ぶ世界史用語集で「頻度7」になっている重要な用語だ。

インティファーダ

パレスチナ人の、イスラエルに対する抵抗運動。正規軍に対して、デモや投石で対抗する民衆蜂起で、1987年にガザ地区やヨルダン川西岸地区に広がった。

「世界史用語集 (山川出版)」

この時代の「頻度7」の用語には、ほかに「湾岸戦争」やアメリカの「同時多発テロ事件」なんかがある。

 

 

インティファーダとは、「(恐怖を)振り払う」というアラビア語でから転じて、「蜂起」や「反乱」の意味で使われるようになった。

1回目のインティファーダ(第1次インティファーダ)は1987年に起きた。
パレスチナ側は、おもに投石といった原始的な攻撃でイスラエル軍に対抗したため、たくさんの犠牲者を出すことになる。

「イスラエル側は「鉄拳政策」と称して武力的な鎮圧を強行したため,死者は 1500人,逮捕者は延べ 5万人をこえ,国際的にも大きな反響を呼んだ。

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

この後のオスロ合意(1993年)によって、パレスチナ自治区ができる。

 

第二次インティファーダは2000年に起きた。

イスラム過激派の自爆テロ作戦などによって激しい暴力の応酬へと展開し,前回に層倍する犠牲者を出して和平交渉そのものを形骸化させた。

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

この自爆テロを防ぐことをおもな目的として、イスラエルは悪名高い「分離壁」の建設を始める。

 

イスラエルにある壁に描かれているインティファーダの絵
通常インティファーダでは、パレスチナ人は石や火炎瓶をイスラエル軍に投げるのだけど、ここでは花束を投げつけている。

画像は、旅行ブログ「旅するハサミ」から。
パレスチナ自治区と分離壁

 

ハマスは、米国がエルサレムをイスラエルの首都と認めれば「インティファーダの再開をパレスチナの人たちに呼びかける」と警告していた。

今回アメリカがそれを認めたことで、ハマスは第三次インティファーダの開始を宣言する。

くわしいことはsputnikの記事をご覧ください。

イスラム原理主義組織「ハマス」が第3次インティファーダの開始を宣言

 

これからイスラエルでどんな動きがあるのかは分からないけれど、インティファーダという言葉はきっと耳にする。

 

20061220_21132

これもパレスチナ人によるイスラエルに対する抵抗運動。
だから、広い意味でのインティファーダと言っていい。

 

おまけ

イエメンのシバームという都市。

 

こちらの記事もいかがですか?

アメリカ、エルサレムを首都認定。パレスチナ人の思いは?

イスラム教を知ろう! 「中東・イスラム」カテゴリーの目次① 

イスラム教を知ろう! 「中東・イスラム」カテゴリーの目次②

日本のカワイイ文化とイスラム教・涼宮ハルヒとパレスチナ人

 

コメントを残す

ABOUTこの記事をかいた人

今まで、東南アジア、中東、西アフリカに旅をしてきました。外国に行って初めて気がつく日本の良さや特長があります。以前、歴史を教えていたので、その経験もいかして、日本や世界の歴史や文化などをテーマに、「読んでタメになる」ようなブログを目指します。