【被害者は日本】韓国人も日本人も不快にさせる「倭色論争」

 

赤色、黄色、青色と世界にはいろんな色がある。

では韓国紙の全国紙・朝鮮日報の記事(2020/04/21)にある色はどんな色でしょう?

イ・ミンホ、キム・ゴウン主演のドラマ『ザ・キング-永遠の君主』(以下『ザ・キング』)が、「倭色」論争に巻き込まれた。

日本の寺院が大韓帝国の宮殿に…韓国ドラマ『ザ・キング』制作会社が謝罪

いや巻き込まれたのは日本なんだが。

 

ドラマ制作会社が謝罪したというから、「倭色」というのは韓国人を怒らせるような“色”であることは分かると思う。
倭は古代日本の名称で、それに色が付いたこの言葉は「日本的なもの」を意味するのだけど、韓国社会のフィルターを通すと「悪質、低質、退廃的」といったネガティブな印象が強くなる。
結果、日本の要素をふくんだ、韓国の人たちを不快にさせるものが「倭色」と表現される。

だから「日本」を感じさせるものには、よく論議が起こって非難の対象となるのだ。

主に、芸能人らが「日本」のもしくは「日本風」のファッションをしたり、役を演じたりした時に、韓国のネチズン達が捲き起こす反日バッシング。

倭色論議

 

例えば、元格闘家(いまも?)チェ・ホンマンさんが日本の映画『GOEMON(ゴエモン)』に、豊臣秀吉の家臣役で主演したするときも「倭色論議」が起こって韓国のネットユーザーにぶったたかれた。
ほかにも映画『ラスト・ブラッド』で、セーラー服に日本刀を持つという、360度どこから見ても日本人の役を演じた女優のジヒョンさんは、日本人ではなくて“日本人風のアジア人少女”と苦しい説明をおこなったけど、「倭色認定」されてバッシングを受けた。

これは韓国国内の議論だけど、明らかに日本は事故に巻き込まれている。
日本をこんなふうに取り上げられて、よろこぶ日本人がいるだろうか。
「倭色論争」は直接的には韓国人、遅れて日本人を不快にさせる罪深い議論なのだ。

 

今回の『ザ・キング』の場合は大韓帝国(1897~1910)を時代背景とするドラマなのに、オープニング映像で出てくる大韓帝国の宮殿が東大寺の大仏殿になっていたり、その横にある塔は興福寺の五重塔とそっくりだったことで「倭色論議」を巻き起こした。

そもそもなんでここまでデタラメになるのかが分からない。高校生が文化祭で流す映像じゃないんだから。
でも、朝鮮日報にある画像を見ると東大寺と興福寺の五重の塔があるから、そのまま奈良県の観光パンフレットとして使えそうな予感がする。

とにかく韓国で国民感情を害したらそれは重罪。
ということで、「理由のいかんを問わず明白な制作陣のミス。心からおわびいたします」「あらためて謝罪いたします」と制作会社は平謝りだ。
そしてこれから、指摘を受けた「倭色」をすべて消して映像を作り直すと約束した。

韓国ではこれで一件落着だけど、今回の最大の被害者はどう見ても日本です。ありがとうございました。

 

 

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2 件のコメント

  • > 韓国ではこれで一件落着だけど、今回の最大の被害者はどう見ても日本です。ありがとうございました。

    いや、最後の1行は皮肉にしてもちょっと難しすぎるのでは?
    そこで「ありがとうございました。」と言われても、外国人はもちろんのこと、日本人だってブログ主さんが何を言いたいのか? 理解するの非常にが困難ではないかという気がします。

  • この言い方はインターネットスラングで一般的ではないので、一部の人にしか通じないかなあと思いました。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。