自由の国・タイで、一線を超えて叩かれたセクハラ日本人

 

南国のタイという国名は「自由」に由来する。
14世紀にアユタヤ朝をつくったシャム人は自由を愛し、「ムアング・タイ(自由の国)」を自称して複数の民族の統一を目的に、タイ「自由」という統一民族名を使うようになった。
そんなことが東京都立図書館の「タイ王国」に書いてある。
ちなみに、国名がシャムからタイへ改称されたのは第二次世界大戦中の1939年のとき。

そんな自由の国では、歌の得意な女性警察官がYouTubeに動画をアップすることもある。

 

 

この女性警察官は「バイキング」(ニックネーム)といい、首都バンコクのどっかの警察署に勤務しているらしい。
まあこれぐらいなら、女性警察官が自分の歌声をネットに投稿するぐらいなら、日本でも許されそうな気がする。よくワカランけど。
でも自分の水着と制服姿をネットにアップしたら、処分対象になるのでは?

 

 

さすがにタイでも、この自由は一線を超えた。
バイキングさんが上の写真をSNSにアップしたところ、「不適切だ!」といった批判がかなりあったことからこれを削除した。

タイは開放的な国だから、日本人が作ったYouTube動画には「セクシーすぎる店員」、「過激サービス」「ヤバすぎる」といったワードをタイトル散りばめたり、それを連想させるサムネイルを使って、「エロ要素」で再生数かせぎをねらったものがいくつもある。
たとえばこんなもの。

 

 

もちろんこんな店や店員は例外中の例外で、タイ社会の常識やスタンダードからかなり離れたところにあるから、たまたま入った店でこんなミラクルがあるなんてことは期待しないように。
この手の店はセクシーを売りにしているから、YouTubeにあげられたら宣伝になるし、この動画制作者にもメリットがあるからこの動画はウィンウィンでいいとして、タブーに触れてぶったたかれた日本人もいる。

タイランドハイパーリンクス(2022年2月27日)

日本人男性がタイ人女性へ限度を超えたセクハラ発言連発、YouTube動画が炎上

具体的な言動は不明だが、ある日本人の男が最近投稿した動画でタイ人女性へのセクハラ、侮辱発言があまりにムゴイと、タイにいる日本人やタイ人の間で炎上しているという。
この手の日本人は本当に後を絶たない。
2020年にも日本人男性が、タイ人女性を軽視・蔑視するようなセクハラ動画を公開してタイ社会を怒らせた。
タイの女性を、“エロ目線”で見る日本人の男はかなりいるらしい。
このときはタイ女性を尊重するよう求める「#Respect ThaiWomen」のハッシュタグが作られて拡散され、日本人によるタイ人女性へのセクハラ防止を求める署名活動には2万5千人の賛同し、それが日本大使館へ提出された。
それでも日本の恥はなくならず、同じ失敗を同じようにくり返すアホがまた現れた。

 

タイは自由な国だけど基本的に仏教への信心はあついし、保守的な考え方の人も多くいて、女性が肌を露出することに批判的な人も少なくないのだ。
タイ人の警察官でもその限界点が分からずに失敗した。
再生数をねらう日本人ユーチューバーには、タイ社会のタブーや超えてはいけない一線がもっと分からないだろうから、これが「最後のアホ日本人」になるとは思えない。
「Respect ThaiWomen」のハッシュタグが作られたり、数万もの反セクハラの署名が大使館へ届けられる恥ずかしい事態はこれからも起こる予感しかない。

 

ちなみにこの記事を書いてるとき、「一線をこえる」は「越える」か「超える」で迷ってしまった。
答えはどっちも正解で、場所、時間、点などをこえるときは「越える」で、一定の数量、基準、限度などをこえるときは「超える」になるらしい。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。