中国旅行で洛陽という古都を観光していたときのこと。
「羊肉」という看板をかかげた串焼きの屋台を見つけた。
おっ、値段がずい分安い。
ラッキーと思って食べた次の日、中国人のガイドからこう言われた。
「それはきっと羊肉ではなくて、別の動物の肉でしょう。今は多いんですよ。そういう悪いことをする中国人が」
結局、ボクのお腹に入ったのは、何の肉か分からない。
殺鼠剤で殺したネズミの肉、検疫を受けていない肉、病死した動物・・・。
考えたくもない。
中国旅行の食で困ることは、ニセモノは肉だけはないこと。
調理で欠かせないに油にも、「ニセモノ」がある。
それが「地溝油(ちこうゆ)」という下水からつくる油。
中国人はときどき、とんでもないことを考える。
中国旅行では、屋台や安そうな食堂で食べる時は要注意ですぞ。
・中国で安く食事をすませるなら、気をつけること
中国では、この「ニセ肉」と「地溝油(ちこうゆ)」を使ってレストランや屋台で料理をつくっていた。
それが発覚して、大問題になっている。
中国人ですら、ここまでひどい物を使っていたことに驚愕(きょうがく)したらしい。
この「ニセモノ事件」は、中国社会を震撼させた。
でも、それは過去のこと。
今では、いくらか状況が改善されているとは思う。
でも、きっとなくなってはいないだろうけど。
なんせこの油は儲かるらしい。
そして、屋台や安い食堂で客の健康を心配するところは皆無だろう。
まあ、今の中国社会をどれだけ信用するかは、あなた次第ですよ。
と、そんなことを書いていたら、サーチナのこんな記事(2016年11月4日)を見つけてしまった。
思わず鳥肌!有名火鍋店が食べ残しの油を使い回し、毎日50キロを客に提供―中国
中国の浙江省、温州市で警察が「市内の火鍋店関係者4人を有毒、有害食品を生産、販売した容疑で」逮捕したという。
この温州市の火鍋店は、「『伝統的な重慶の味』を売り文句にしており、市民の間でよく知られる存在だった」というから、屋台や安食堂のようなものではなくてそれなりのお金をとる店だったのだろう。
事情を知る人は「開店当初から店は食べ残しの火鍋の中から油を回収し、新しい油と混ぜて客に提供していた」と説明、その量は1日50キロ前後に上ったという。
中国さん、本当にかんべんしてください。
これじゃ、何を食べていいか分からないじゃないですか。
・やっぱり、日本と中国は違う
あたり前のことだけど改めて言いたい。
中国は日本とは違う。
その違いは、スケールにある。
日本でもコスパ重視で安い物を求める人は多いし、安い物に安いなりのワケやデメリットがあることは承知しているはず。
でも日本と中国とでは、安さと交換に失うものとかかえ込むリスクの大きさがまるで違う。
ボクの今までの中国旅行の経験と中国人から聞いた話やネットで得た情報を総合すると、中国で安く食事をすませようとするのなら、次のことは頭に入れた方がいい。
・羊肉と称して、病気で死んだ動物の肉や殺虫剤で死んだネズミの肉を食材にしている危険性がある。
・下水の気持ち悪い物質からつくった油を使っている可能性がある。
つけ加えれば、先ほどの記事にはこんな続きがある。
温州市の火鍋店が違法な油を使っていて逮捕されたのだけれど、この店(万徳府)のあきれた実態が明かされている。
万徳府は「地溝油(下水に捨てられた油を精製して再生した食用油)、口水油(食べ残しの料理から回収した油)を根絶」と書いた墨汁のケースを店内の各テーブルに設置、「食後は墨汁を鍋の中へ」と呼び掛ける取り組みをしていた。
店がすすんで「悪い油を追放しよう」とアピールしていて、同時に自分たちは違法な油を客に提供していた。
使っていた油がニセモノだっただけではなく、言葉までニセモノだったとは。
日本でも、悪いことをする人はいるし、そういう企業もある。
でも、質と規模が違いすぎる。
中国で起こることは、日本人の想像を越えている。
スケールが違う。
日本と中国は、まったく別の価値観や考え方が存在している。
だから、そんな国を旅するなら、日本とは別の認識を持つ必要がある。
「信じる者はだまされる」
「安全はタダではないし、安くもない」
そういえば、洛陽で会った中国人のガイドはこうも言っていた。
「中国人は何でもつくることができるんです。羊肉を使わなくても、羊の肉をつくることができるんです」
冗談かもしれないけど、この意見は全力で支持する。
下水から油をつくることができる民族なら、何でもつくれそうだ。
でもなんで中国人は、その特殊な能力を人類の進歩のために活かさないんだろう?
「日本人は、なんであんなにたくさんのノーベル賞を取ることができるのか?」
なんて考えているあんたらの方が、日本人では発想もできないような物をつくって流通させているじゃないか。
日本でも、体に悪い物質を知らないうちに食べていることはあるのだろうけれど、中国はその毒性や危険性のスケールが違う。
さらに店や人をどこまで信用していいか分からない。
「中国では、こんな問題がある」というと、「でも、日本だって同じようなことがあるじゃん」と持ち出して、議論を相殺しようとする人がいる。
でも、日本と中国はまったく別の社会。
特に「食の安全」にかんしては、別次元の違いがある。
この場合、日本と中国も似たようなものという「どっちもどっち論」は通用しない。
「いや、そんなことは知っている。中国の屋台や安い食堂なら、そのぐらいのリスクはあたり前。中国で安さを求めるなら、それぐらいの当たりはずれは覚悟しなきゃ」
中国の安さのデメリットを承知していて、そのリスクを取る強者はいいけどね。
北京の天壇
こんなにすごいものをつくる力があるのに・・・。
いや、「あった」のかな?
こちらの記事もいかがですか?
コメントを残す