歴史が違う!日本にあって韓国や中国にないもの。幕府と天皇


 

始めの一言

「人力車夫が私に対してもおたがいに対しても、親切で礼儀正しいのは、私にとって不断のよろこびの泉だった(イザベラ・バード 明治時代)」
「逝き日の面影 平凡社」

 

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マラッカ(マレーシア)の人力車

 

今回の内容

・易姓革命とは
・日本で、易姓革命は起きなかった
・韓国の易姓革命
・日本は「天が替わらない」

 

・易姓革命とは
「中国の歴史」
ときいたら、何をイメージしますか?

大ざっぱだけど、中国の歴史って「隋唐宋元明清」というように、王朝が次から次へと替わっている。

秦の始皇帝からは、皇帝と王朝がコロコロ替わっていた。
王朝が替わるたびに、まったく別の人間が新しい皇帝になる。 こうした王朝交代のことを、「易姓革命(えきせいかくめい)」という。

 

易姓革命

孟子がとなえた王朝交代の理論。 天命を受けた天子が悪政をおこなえば、天は天命を革(あらた)め(革命)、別の有徳者を天子とし、姓(王朝の名)を易(かえ)るとする。
(世界史用語集 山川出版)

 

そう考えたら、中国の歴史ってこの易姓革命のくり返しだ。
紫禁城1

皇帝がいたところ(紫禁城)

 

・日本で、易姓革命は起きなかった。

でも、日本はちがう。
日本の歴史では、「幕府」はあったけど、この易姓革命は一度も起こらなかった。 これは、日中韓の歴史の中で日本だけ。

 

ここで、日本の歴史をみてみよう。
日本では、奈良・平安時代は天皇が治めていたから、これは中国の政治体制(皇帝が治める)と変わらない。
でも、この政治体制が変わったのは、源頼朝が鎌倉幕府をつくってから。
このときから、政治の権利は天皇から幕府の将軍に移っている。

 

幕府

中国で、出征中の将軍が幕を張って軍務を決裁する陣営を指した。日本では、近衛府の唐名から転じて近衛大将や征夷大将軍とその本営の中国風の呼称となり、やがて武家政権を指す語となった。       (日本史用語集 山川出版)

 

ということで、「幕府」という言葉は中国語になる。

でも、日本では、鎌倉幕府や室町幕府などのように武家政権を指す語となっている。ここが、中国語の「幕府」とはちがう。

中国語の幕府という言葉に、こんな意味はない。
中国の歴史で、皇帝から独立して存在した「武家政権」なんてなかったから。
日本では、鎌倉幕府ができてから、政治は幕府が行うことになった。
このときに、政治体制が変わっている。

 

「それがわからないんです。なんで、源頼朝は、天皇を倒さないで幕府をつくったのか?」

と、中国人のガイドは不思議がっていた。
こんなことは、中国の歴史からは考えられないという。

 

もし、源頼朝が天皇を倒して自分が天皇になって、新しい王朝を開いていたとする。
そうしたら、それは中国の易姓革命になる。
日本は、そうならなかったよね?
日本では、天皇はいるけど将軍もいるという状態が続く。
朝廷はあるけど、幕府もある。

そんな「朝幕併存(ちょうばくへいぞん)」という、政治体制をとっていた。

それは、いつまでか?
徳川慶喜が大政奉還をして、政治の権利を天皇に返すまで。
源頼朝から始まって徳川慶喜で終わるまで、武士による政権は約650年間続いた。

鶴岡八幡宮

鎌倉の鶴岡八幡宮

 

「朝幕併存」

こんな変な政治体制は、中国の歴史ではない。
それは、中国人ガイドも言っていた。

「中国では、源頼朝のような人物がいたら、自分が皇帝になって新しい王朝を開きます。幕府なんてものをつくる必要がありませんから。中国の歴史では、皇帝は必ず1人だけです。2人いたら、どちらかを倒します」

確かに。
さっきも書いたけど、中国の歴史は、「易姓革命(えきせいかくめい)」のくり返し。皇帝が別のだれかに替わって、新しい王朝を開く。
それをず~っと続けてきた。

 

皇帝が支配するという「政治体制」は変わらない。
けれど、別の人間が皇帝になるという「政権交代」はよく起きていた。
結局、皇帝が替わるだけで、「皇帝が支配する」という政治体制を変えたことはない。

 

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難しいはなしだな~。
ちょっと、休んでく?

 

・韓国の易姓革命

韓国(朝鮮)の歴史でも、この易姓革命はあった。
それが高麗から朝鮮(李氏朝鮮、1392年-1910年)になったとき。

 

王氏の高麗王朝から、李子による新しい王朝を創建する易姓革命において(朝鮮儒教の二千年 姜在彦)

 

中国もそうだけど、この易姓革命は無血で行われることなく、たいていの場合は血が流れてしまう。
この王氏高麗から李氏朝鮮への易姓革命でもそう。
初代国王の李成桂(りせいけい)は、高麗の王の一族である「王氏」を見つけしだい殺していた。
前の王朝の一族を残していたら、将来、力をつけて朝鮮(李氏朝鮮)を倒し、国をとられてしまう可能性があるから。

このときの影響が、現在の韓国でもみられるという。

 

ところが現在の韓国には、近代にはいって中国から移住してきた華僑のほか、ほとんど王姓が見当たらない。
王氏の子孫はその姓氏による迫害や不利を恐れて、全氏、田氏、玉氏などに改姓している。

改姓された字のなかには、かならず「王」の字が挿入されていて、王姓に対する未練がうかがわれる。
(朝鮮儒教の二千年 姜在彦)

 

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朝鮮時代の王宮「景福宮」

 

・日本は「天が替わらない」

日本の歴史では、誰かが天皇を倒して自分が天皇になるということがなかった。
そうではなくて、天皇はそのままにして、幕府をつくるという「朝幕併存」という体制をとっていた。
逆に、中国や韓国(朝鮮)の歴史では、「朝幕併存」という不思議な政治体制をとったことがない。

 

中国や韓国では起きていた易姓革命が、日本では一度も起きていない。
そのことが、「万世一系」ということにつながっている。

万世一系

永久に一つの系統が続くこと。多くは皇室・皇統(天皇の血筋)についていう(ウィキペディア)

 

「日本の歴史では、易姓革命が起こらずに幕府があった」
これは、日本の歴史の大きな特徴。
覚えておく価値はあるよ。
中国人のガイドは、易姓革命がなかった日本の歴史をこう表現していた。

「日本は、天が替わったことがありませんね」

別の皇帝があらわれて新しい王朝を開くことを、彼は「天が替わる」といっていた。とても、中国人らしい表現だね。

 

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投稿者: kokontouzai

今まで、東南アジア、中東、西アフリカに旅をしてきました。外国に行って初めて気がつく日本の良さや特長があります。以前、歴史を教えていたので、その経験もいかして、日本や世界の歴史や文化などをテーマに、「読んでタメになる」ようなブログを目指します。

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